それぞれのスタイルで無理せず料理を楽しむ、働くパパのインタビュー企画。病児保育などの事業を通して、親子の笑顔をさまたげる社会問題の解決を目的とする認定NPO法人「フローレンス」の二河 等さんにお話を伺いました。朝の時間を上手に使って、テキパキと朝ごはんやお弁当をつくっているという二河さん。どのようにして、効率よく料理をしているのでしょうか。インタビューでは、その意外な秘訣を教えていただきました。
うちの家族は、妻と小学校1年生の長女、保育園年中組の次女の計4名です。私は家族のなかで、朝ごはんとお弁当をつくる係になっています。
朝ごはんはシンプルなものがほとんどです。基本はパンや卵料理などがメイン。ときにはフルーツも出します。卵料理はいろいろなものを作りますが、目玉焼きやゆで卵が多いでしょうか。食パンに目玉焼きを乗せるラピュタパンなんかもつくります。
ちょっと珍しいのが、我が家では1週間に1回、朝食のメニューとしてクレープを出しています。材料はたったの4種類。混ぜてフライパンで焼くだけですから、調理は簡単です。すぐに焼けるので、調理時間も短くてすみます。実は、クレープって時間のない朝にとても向いている料理なんです。
クレープは、好みに合わせていろいろな味付けができるのも良いところです。長女と私は、よくピーナッツバターを塗ります。次女はチョコレート・シロップを塗るのが好きなんです。他にもバナナを包んだり、ジャムやバターを塗ったり。すごくバリエーション豊かな朝食を楽しめます。
いま子どもが夏休みなので、友だちと一緒に学童保育へ行くことがあります。出かける前に、友だちが朝にウチへ寄ったり、前の日の夜に泊まったりしますが、そんなときに朝食にクレープを出すとすごく喜んでくれますよ。その子たちにとっては、非日常的な食卓。特別な朝ごはんになりますから。
お弁当の品数は、だいたい4品くらい用意します。でも、すべてを自分でつくると大変ですし、疲れてしまいます。きっと続かなくなってしまうでしょう。無理をしないことが何より大事です。
だから、前の日の晩に近所のスーパーでお惣菜を買ってきて、お弁当に並べることも多いです。いまは便利なものがたくさんある時代ですから、それをうまく活用するほうがいい。買ってきたお惣菜を使うことに、決して引け目を感じる必要はないと思います。
それから、パートナーがよくシュウマイやハンバーグなどの作り置きを冷凍しておいてくれるので、それをチンしてお弁当に入れることも。お惣菜や作り置きのおかずをつめるだけなので、10分もあればお弁当が完成です。
私が毎朝どんなことをしているのか、ルーティンについても説明します。まず5時くらいに起きて、お茶を沸かしながら朝ごはんとお弁当の準備をします。それが6時過ぎに終わるので、上の娘を起こしてラジオ体操につれて行く。帰ってきたら7時くらいなので、妻と次女を起こしてみんなに朝ごはんを食べてもらいます。
その後、7時半くらいに仕事に出かけます。通勤のときに下の娘を保育園に登園させるのも、夫婦お互いのできるタイミングで変わりばんこにやっていますね。朝ごはんとお弁当を無理をせずに準備しているからこそ、朝にいろいろなことができるんです。
料理が苦手な人は、自分が楽しいと思えること、興味を持てることからチャレンジしてみるといいと思います。たとえば、「良い調理家電を買うとテンションが上がるかも」と思えるなら、それを買うことから始めてもいい。きっかけはなんでも構わないです。
そして大事なのは、つくった料理を家族にふるまうことです。たとえフルーツを切っただけでも、すごく喜んでもらえますから。「こんなに簡単な料理なのに、こんなに喜んでくれるのか」と思えたら、しめたものです。成功体験が少しずつ積み重なると、料理が楽しくなってきます。
人って単純ですから、褒められると「じゃあ、次もつくってみようかな」という気持ちになれるはずです。だから周りの家族はぜひ、パパが何かの料理をつくったら、たくさん褒めてみてください。パパはきっかけを待っているんです。後押ししてくれる人、応援してくれる人がいればきっと動いてくれると思います。
それから、家族みんなで料理や家事を成功させるには、無理をしないことと、お互いに思いやる気持ちを持つことが大事です。それぞれ得意不得意があるわけですから、苦手なものを非難しないこと、押しつけ合わないことが大事。それぞれの得意なことを活かしましょう。たとえば、私は朝起きるのが得意だから、朝ごはんやお弁当を担当しているんです。
そうした心がけがあれば、きっと家族ってうまく回っていくんじゃないでしょうか。
(取材:植木優帆 TEXT:中薗昴)
特定非営利活動法人 フローレンス
働き方革命事業部
人材採用・育成担当。13年半キャリアを積んだシステムエンジニアから新しい職種にチャレンジ中。2児の父。次女誕生とともに1ヶ月半の育児休暇を取得。空いた時間でフィットネスクラブのインストラクターや研修講師・イベント企画運営やシステムコンサルティングなどの複業を実施中。
「パパって、日本のポテンシャル」を掲げる「これからのパパ」についてのプラットフォーム。子育て中のパパや家族を研究し、企業の新たなマーケティング支援や、パパが楽しんで取り組める子どもとのコミュニケーション方法の開発などを行っています。
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