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コラム

プレパパにとっての「食育」は“ママをサポート”すること!【料理で子どもの好きを見つけるvol.1】

「食育」ってそもそもなんでしょう。「子どもにとって良いこと」という認識はあるけど、じゃあ具体的に何をしたら「我が家では食育をしています!」と胸を張って言えるものなのでしょうか? 栄養素を教えることが食育? それとも野菜や果物、食物の知識そのものを教えること? …どこから手をつけていいのかがわかりませんよね。この連載では「食育わからない!」のお手上げ状態から、「なーんだ、こんなことも食育って言えるのか、これならできる」という食育フレンドリーに一歩でも近づける様なヒントをお伝えしていきたいと思っています。

プレパパにとって食育ってなあに?

第一回目の今回はプレパパ、つまり奥様がご妊娠中のパパにとって食育ってなあに?というお話をしたいと思います。プレパパに是非チャレンジしてほしい食育は、ずばり「お粥」づくりです。お粥、と一言に言っても、冷ご飯をただお湯で煮て作るお粥ではなく、お米から作るものが◎。このように作ると、お米の甘さが際立ち、とても美味しいのです。

なぜお粥なのかというと、お粥は妊娠中の体調が優れない時や産後の食事にも大活躍間違いなしだからです。妊娠後期になると、大きくなったお腹に追いやられて、胃がどんどん上の方にやってきます。そうなると、人によっては一度に量を食べられなくなるし、食べるとすぐに胃もたれしてしまったり、不調が続きます。

そんな時、旦那さんが消化吸収に良い美味しい粥をパッと作ってくれたら、とても嬉しいし、それこそ見る目も変わっちゃいます!

産後ママの心身を支えることがパパの食育

産後のママにとっても、食べたものが母乳となって出てくるので食事は本当に大切です。また、「乳腺炎」というそれはそれは恐ろしい病気もあり、一度乳腺炎になると震えが止まらない悪寒と高熱が容赦なく体を蝕みます。

当たり前ですが、乳腺炎になってしまっても、生後間もない赤ちゃんの待った無しのお世話をしなくてはならない状況が待っているわけで、これが本当にしんどいのです(経験者は語る、間違いありません)。

この乳腺炎の原因の一つに食事もあります。ママが油っぽい食べ物やお菓子を食べ過ぎてしまったりするとなってしまう場合もあるのです。産後は、初めての育児で、子育ての勝手がわからないことから始まり、一人での時間が完全になくなる生活の変化や、何より、小さくて世界で一番大切な宝物のか弱い命を守ることに全神経を使うので、そのいきなり訪れた重責を24時間まっとうするのに、ママは心身共に一杯一杯です。

そうなると、自分の食事に気を使える余裕はあまり残っていません。そんな時、パパが暖かいお粥を作ってくれたら、頼もしいではないのでしょうか?

お粥をマスターしておけば、いずれ離乳食が始まった時にも大活躍します。お粥って子育て時期にとっても重宝するレシピなのです。そんなお粥をパパが美味しく作れたら、家族みんなに美味しい笑顔をもたらしてくれますね。これこそ食育なのです。

プレパパができる食育、それは、食についての意識を高め、家族全員を笑顔にできる料理を作れるようになる。美味しいご飯で人を幸せにする、産まれてくる赤ちゃんとママに体にいい食事を作る、もう立派な食育パパです。

まだ、パパになるという実感もあまりない中、生まれた後のこと、しかも食事についてなんてとんでもない、まだまだ先のこと、と思われてかもしれませんが、赤ちゃんが産まれた後では、初めて作る料理をゆっくり調理する時間は中々作れません。

まだお腹の中にいるこの時に、是非お粥作りをマスターしてみてはいかがでしょうか? お米から炊く本格的なお粥が作れるとなお◎です!

武田昌美(子ども料理研究家)
リトルシェフクッキング(株)代表取締役。フランスで料理の修行をしていた父の影響を受け、幼少の頃から料理に興味を持つ。航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ、知識を深める。2人の子どもの親となり、多くの子どもたちに料理の楽しさ、食の大切さを伝えていきたいと強く願い、2017年より「ママも知らなかった才能が花開くクッキングスクール」をコンセプトにした料理教室『リトルシェフクッキング』を主催。保有資格は、フードコーディネーター、スパイスマイスター、食品衛生責任者。2019年3月、子どもが一人一人料理できる料理教室『リトルシェフクッキングEduCooking Lab』を東京都世田谷区にオープン。
【HP】https://little-chef-cooking.com/(ご予約はこちらから)
【Instagram】@masamis__kitchen
【ブログ】子ども料理研究家 武田昌美の食育ブログ
【クックパッド】武田昌美のキッチン

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