静岡駅前「呉服町商店街」にある家庭用品専門店の三保原屋本店。お鍋やフライパンなどの台所用品から暮らしの道具まで幅広く扱う専門家に、キッチングッズについて教えていただきます。
今日は「火加減」について。表面が加工されたフライパンの殆どは説明書に「中火以下でご利用ください。」と書かれています。
火加減には定義があります。
「いつ」「誰が」決めた基準なのかが分かりませんが、以下のように記載されることが多いように思います。(表現が曖昧なところがあります。)
弱火:中火の半分くらい(鍋底に火があたらない)
中火:鍋底に炎があたるくらい(あたるか、あたらないか)
強火:鍋底全体に炎が勢いよくあたる
そして、テフロン・フッ素樹脂加工フライパンや、セラミック加工フライパンの説明書の殆どには「中火以下でご利用ください。」と書かれています。
ここからは、店頭でお客様と話をするときに感じる火加減のアレコレについて。
基本的には、上記の火加減の定義に基づき、前提としてテフロン・フッ素樹脂フライパンでの調理例になっていることが多いと思います。
●加工されているフライパンの説明書には、「中火以下でのご利用」が推奨されている。
●一方で、お料理のレシピでは「強火」がポイント的に使われるケースがある。
と、火加減について悩ましい差があります。更に、以下②と③が重なることで、必要以上に強い火力になっているケースが多いように感じています。
ガスコンロの進化により、昔と同じガスの利用量でも火力が強くなっていることがあります。 結果的に、何気なく使っている火力は、思っているよりも強い火加減になっている可能性があります。
またIHもかなりのハイパワー化が進んでおります。
いずれにしても、ガスでもIHでも、 機械の種類や、発売された年によっても、様々な違いがありますが、 全体的にハイパワー化により、火加減が強くなる傾向にあります。
もちろん「中火」という定義をご存じの方もいらっしゃいます。
一方で、「コンロにおける真ん中くらいの火」が中火と思っている方も少なくはないような気がしています。
以下の通り、我が家では「コンロにおける真ん中の火(9段階の5)」は”強火”でした。
我が家の事例ではありますが、「コンロの最大火力の半分(9段階で5つ目)」くらいの火(定義上では「強火」)を「中火」と考えて料理すると・・。
レシピで「強火」と書かれたら、必要以上に強い火力で調理をすることとなります。
たとえば、中華料理屋さんをはじめ、業務用のコンロは火が強いことが多いです。
おうちと違うのは、
●調理器具
●五徳に置く時間の長さ
あたりでしょうか。
プロの料理人の方々は、温度を見る力に長けています。
「強い火力でやっても、必要以上には加熱をしない」ので、お鍋を振る回数がおうちよりも多かったり、料理にかける時間そのものも短かったりします。(さらには油を使う量も違いますよね。)
この文章を書くタイミングで、「火加減は、いつ、だれ(どんな機関)が、決めたのだろう??」と、ずっと探していましたが、特定することが出来ませんでした。
このような定義は、時代により言い方や、伝え方を変えなければ、使用者がピンときにくいのかもしれません。ご家庭の調理環境も違うので難しいのですが、このあたりのことを伝える仕事は、小売業やネットショップの責任になるのかなとも思います。
今回は「火加減」に関する
●フライパンメーカーさんや、お料理レシピ
●コンロの進化
●お客様のイメージ
を纏めて書いてみましたが、結果的にはお料理が上手にいっていれば、その方のやり方で全然問題はないと思っています。
一方で
★お料理失敗するときは焦げる
★加工されたフライパンの寿命が短い
★(特にIH)フライパンが変形したことがある
という方は、一度、火加減を見直してもいいのかもしれません。
この記事は三保原屋本店のnoteから転載しています。
1687年創業、静岡の家庭用品店。静岡駅前にある「呉服町商店街」で営業をしております。 基幹店舗の「三保原屋本店」では、キッチン雑貨、フライパン、陶器、木製品、服飾雑貨、洋服、タオル、靴下、インテリア雑貨等を「専門店」として販売しております。