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コラム

苦手を好きに変える!料理研究家・ジョーさん。の話題めし【プロの日々ごはんVol.12】

料理のプロたちの普段の食卓をご紹介する連載『プロの日々ごはん』。今回は、Twitterのフォロワー数が20万人超えのジョーさん。にお話を伺いました。いつもは身近な材料で簡単な料理を作っているというジョーさん。ですが、時々無性に食べたくなるものがあるそうです。その料理とは? さらに、野菜嫌い克服に役立つレシピについても教えてくださいました!

台所に立ちっぱなしのお母さんを助けたい

僕は子どものころから食べることが大好きで、母の作る料理をたくさん食べていました。でも、母が食卓に座ることはほとんどなく、料理を運んだり、片づけたり、おかわりを持ってきてくれたり、ずっと立ちっぱなし。そういう母の姿を見ていたら、「自分でやらなきゃ!」という思いが芽生えてきて、少しずつ自分も台所に立つようになりました。

食べることが好きだから、料理を作ることも楽しくて、「おいしいものを食べたい!作りたい!」と工夫しているうちに、料理の知識も自然と身についていきました。今では母に「なんでそんなに料理が好きになっちゃったかね~」って呆れられています(笑)。

けど、学生時代は、料理は趣味でいいかなと思っていたんです。本当に大好きなので、好きなことは仕事にしないほうが良いのかなって(笑)。学生時代に本も好きで、それが高じて小説家としてデビューすることが出来たのですが、食べていくことの難しさを痛感し、結局就職したんです。

仕事を続けていたんですが、やっぱり自分が好きなことを仕事にしないと人生もったいないなとふと思いまして。紆余曲折ありましたが、料理研究家に転身したんです。

お惣菜を少しアレンジするだけでも立派な料理

最近は、料理=仕事になっているので、ふだんもTwitterや本に載せているようなものを中心に食べています。今も昔もそうですが、自分でよく作るのは「お総菜の天ぷらを卵でとじたもの」。あと、疲れた日などは「冷凍うどん」にもよくお世話になっています。レンチンして卵と混ぜて食べるとおいしいんです!

ほかにも近所のスーパーで買える身近な食材を使ったものや、2~3工程くらいでできる料理を作って食べることが多いですね。お惣菜などの出来合いのものを少しアレンジするだけでも立派な料理だと僕は思います。

普段のレシピは2つの考え方がベースにある

主に日常的に作る料理になりますが、レシピを考えるときは2つのパターンがあるんです。

まず一つ目は、冷蔵庫の中にある食材を組み合わせてレシピを考えるボトムアップ的な考え方。限られた食材を試行錯誤して作るパターンですね。

もう一つは工程をなるべく略しながらもおいしく仕上がるトップダウン的な考え方。例えばカルボナーラを例にしますが、本気のカルボナーラをイタリア風に作ったものの手間をレベル10とすると、日本で広まっているおいしいものはレベル7くらいなんです。
ただ、レベル7でも生クリームを煮立てたり、黒胡椒を直前に挽いたりと大変なので、それをレベル2くらいにしてもどうしたらおいしく仕上がるかを研究していく方法ですね。

この2パターンの考え方で作り上げたレシピを詰め込んだものが、今回の本に載っています!

たまに、大理石で生地を練りたい衝動に(笑)

とはいえ、“料理研究家あるある”かもしれませんが、仕事で切羽詰まったときは自分が食べたい料理を手間暇かけていちから作ったりします。さっきの話でいうとレベル10の料理ですね!

例えば、アップルパイもパイシートで作るのではなく、大理石で生地を練るところから。突然、無性に「大理石で練りたい!」って衝動にかられるときがあるんですよ(笑)。パイ生地を伸ばすときに大理石を使うと、バターが溶け出さずに風味がよくなっておいしいですよ。「料理の息抜きが料理って全然息抜きになってないじゃん!」って思われるかもしれませんが、自分にとってはこれが最高の気分転換なんです。

ジョーさん。の新刊著書

ジョーさんのねとめし神レシピ』(KADOKAWA

ジョーさん。初のレシピ本には、「レンジでチン」するだけの簡単レシピや、ビールやハイボールなど好きなお酒にあわせて楽しめる「おつまみレシピ」、ランチにも役立つ「イケ麺レシピ」など、全部で137のレシピが掲載されています。そのほとんどが料理初心者でも気軽に作れる簡単なものばかりです。

中には、野菜に特化したページもあり、野菜嫌いのジョーさん。も「これはおいしいぞ」と思えるレシピを載せたのだといいます。

「特に、『にんじんステーキ』はすごいですよ。キャッチコピーにも書きましたが、『俺たちの知ってるにんじんじゃねぇ~』って感じです。ぜひ野菜嫌いのお子さんにも作ってみてあげてください。にんじん独特の青臭さを感じないので、お芋みたいにホクホク食べられます」(ジョーさん。)

レシピの開発はもちろん、タイトル付けやキャチコピーの執筆、料理撮影、スタイリングまで、すべてジョーさん。がおこなったという至極の一冊。「ビールをごきゅごきゅ飲みたくなるBBQチキン」や「アラサーたちによる全身全霊の“最後のひとくちジャンケン”が行われたやつ」など、メニュー名もユニーク!

「作るときや食べるときのシチュエーションがイメージしやすいタイトルやコピーをつけるようにしています。もともと本が大好きで小説を書いていたこともあり、言葉を考えるのも好きなんですよ。“ビールに合う”ではなく、“ごきゅごきゅ飲みたくなる”と言えば、とにかくビールを飲みたい気分のときに合うおかずということが想像しやすいのではないかと思ってつけました」(ジョーさん。)

レシピ以外にもおすすめの調理器具や調味料が紹介されていたり、料理初心者にも役立つ情報も満載。野菜がちょっと余ってしまったときの活用法や、「めんつゆってストレートと濃縮のどっちを選べばいいの?」「しょうがの“ひとかけ”ってどれくらい?」などの疑問にも答えてくれています。これから料理を始めたい初心者の方にもぴったり! ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?

全国の書店やオンラインストアで好評発売中。>>>購入はこちら

ジョーさん。

食の企画会社にて、3年の勤務を経て独立。 家庭の時間を大切にするために「作り置き」が世に広まるよう、作り置きおかずのサイト 「タベタノ?」を開設。
調理、撮影、動画撮影、編集、記事ライティング、料理以外のこともすべてこなす。
WEB:タベタノ?
Twitter:@syokojiro
Instagram:@syokojiro1206

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