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コラム

簡単なのに絶品!てぬき料理研究家・てぬキッチンさんに聞く「料理のラクワザ」

料理は毎日のことなので少しでもラクしたいと思っている人も多いはず。そんな方のために、とにかくラクしながら超おいしい料理を作るコツを紹介!ズボラ感・手抜き感満載のレシピ本『魔法のてぬきごはん』を発売した“てぬキッチンさん”に面倒くさがり屋さんに役立つ料理ワザを聞いてみました。

手抜きのプロが使う料理ワザって?

私が料理の手間を省くためによく使っているワザは『ポリ袋で洗い物削減』『電子レンジで時短料理』『揚げ物はフライパンで少量の油で揚げ焼き』です。ボウルではなくポリ袋を使うことで洗い物を減らすことができますし、唐揚げの下味をつけるときも手が汚れません。

電子レンジは煮物、炒め物、それから麺料理にも使えます。パスタは特にラクで、通常はパスタを茹でる鍋とソースを作るフライパンが必要になりますが、レンジで作ると耐熱ボウル1つでほったらかしでできるので、洗い物も少なく簡単で学生時代からよく作る定番レシピです。

また、揚げ物はフライパンで揚げ焼きすれば少量の油でもカリッと揚がるので、面倒なイメージの揚げ物のハードルが一気に下がります。フライドポテトも鶏の唐揚げもフライパンで揚げ焼きするのがてぬキッチン流です。

驚くほど簡単なのに手抜きに見えない!おすすめのパスタレシピ

手抜き料理と聞くとおいしくない、物足りないというイメージを持つ人も多いですが、このたらこパスタはお店の味に遜色ない美味しさです。
こちらは、耐熱ボウルにパスタと水を入れ、レンジでチンしてパスタを茹でます。あとは茹であがったパスタが入ったそのボウルに直接たらこや調味料を入れて混ぜるだけで完成なので、作り方だけを見たら超手抜き!ですが、食べてもらうとこれが手抜きなの!?と必ず驚かれます。

使う調味料も特別なものを使わず、冷蔵庫に常備していることが多いものしか使わないので、お手軽ですぐにお試しいただけるレシピなのもおすすめのポイントです。

レンジでもお肉がパサつかない!

電子レンジを使うと水分が飛んでパサついてしまう食材もあるので、そこをいかにジューシーに仕上げるかがポイントです。今の季節によく使う「かぼちゃ」や「さつまいも」も加熱すると水分が飛んでしまうので、その場合は水や牛乳で水分を補うようにしています。

お肉もレンジで調理すると加熱しすぎて固くなりがちですよね。実は、私もそれが苦手で、お肉はなるべくレンジでの調理を避けていたんです。ですが、YouTubeで私の動画を観てくださっている方たちからもレンジで手間なくお肉調理がしたい、という声をよくいただいていたので、お肉をおいしく調理するための方法を模索しました。

使う部位に合わせてお肉に下処理をしたり加熱時間に気をつけたり、試行錯誤を繰り返しているうちにいろいろな工夫でパサつきがかなり抑えられてとてもおいしく仕上がるようになり、今は積極的にお肉料理のレンジレシピを取り入れています。

レンジでお手軽メイン料理!おすすめの肉料理

鶏むね肉のパサつきを解消するために、お酒と片栗粉と砂糖を混ぜ込み、フォークでたくさん穴をあけて下処理をしています。

豚肉を使うときは、脂の多い“豚バラ肉”が柔らかく仕上がるので、レンジ調理にはおすすめです。

手抜きは母譲り!?

私が普段やっている「手抜きワザ」は、母がよくやっていたことなんです。今回出版した本にもある「チキングラタン」も母の作り方を参考にしつつ、子どもの頃から憧れていた“焼き目”をつけてパワーアップさせました。

いわゆる “ワンパンレシピ”で、ソースも具材もすべてフライパン1つで完結します。オーブンやトースターで焼く工程もありません。
ただ、私は小さい頃から表面にこんがり焼き目のついたグラタンに強い魅力を感じていたので、心の中ではずっと「焼き目つけてよ」って思っていました(笑)。今となっては、グラタン皿に移して焼く工程を省きたくなる母の気持ちが痛いほどわかるのですが、子どもの私はそれがすごく嫌で…。

大人になってから、フライパン1つでオーブンやトースターを使わずに焼き目を付ける方法はないかと考えた時、最初にフライパンでパン粉を炒めて、仕上げにふりかけるということを思いついたんです。これなら面倒くさくないのに憧れの焼き目がついて、一石二鳥。

「当たり前」を疑ってみる

レシピを考える時は、料理の常識や固定観念にとらわれないようにしています。例えば、これまで当たり前のようにアク抜きをしていた材料も、「これって本当に必要?」と疑問に思ったら、アク抜きを省いて料理を作ってみて、アク抜きした場合と出来上がりを比べてみて必要かどうかを判断します。

「これはこうするものだ」っていう決まりごとを疑ってみると、それが意外となくてもいいということもありますし、1工程減ることで手抜きにも繋がります。毎日の料理の中で疑問や不思議に思うことはまず試すようにしています。

調味料のメーカーを変えてマンネリ解消!

毎日似たような調味料で料理を作っていると、いつも同じ味になって困る…という声もよく聞きます。マンネリ化しているなと感じたら、調味料のメーカーを変えるだけでもいつもの味付けが変化します。めんつゆはめんつゆでも商品によって味が異なるので、同じ調味料でもまた違う味わいを楽しめます。私は、同じ調味料でも、毎回同じものを買わずに違うメーカーのものを試したり、料理によって変えたりしています。

極力面倒な部分をカットして料理を楽しく!

私自身がそうなのですが、きっと料理が面倒くさいと思っている方って、洗い物などの後片付けや、餃子を1つ1つ包む工程とか、揚げ物はたくさん油使うから面倒くさいなど、料理の中でもある一部分にやる気を損なう面倒なポイントがあると思います。その面倒な部分をできるだけカットするだけで料理はかなりラクになります

例えば、洗い物が減るようにポリ袋で作れる料理にしてみたり、お皿で調理してそのまま食卓に並べられるものにしたり、餃子などの面倒くさい料理代表のレシピもてぬキッチン流に包まずに作ったりと、手を抜けるところはしっかり抜いて、面倒な部分がないラクなレシピから作っていただくと、料理のハードルが一気に下がると思います。

私自身おいしいものは食べたいけれど面倒なことは大嫌いなので、今は1品の中での"手抜き"ということを意識してレシピを考えています。今後は、同時に何品も作れるような手抜きレシピや、手抜きのお弁当レシピや糖質制限レシピなど、多くの方にこれなら作りたいと思っていただけるような「手抜きだけどおいしいレシピ」をもっともっと考えていきたいと思っています!

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てぬキッチンさん

てぬき料理研究家。2017年より“できるだけ手を抜いて、少ない材料で、誰でも失敗せずにおいしく作れるレシピ”をコンセプトにYouTubeでお菓子や料理の投稿を始める。あまりの簡単さ、おいしさで話題となり、チャンネル登録者数は60万人を超える。現在では、雑誌、webなどでレシピ開発・メニュー考案・レシピ記事執筆・レシピ動画作成をするなど、幅広く活動中。
Twitter:@Tenu_Kitchen
YouTube:@てぬキッチン/Tenu Kitchen

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