【おいしい! スペイン田舎暮らしvol.3】自然豊かなスペイン北部の村で暮らし始めて10年になる、クックパッドアンバサダーのmalcoco07さん。地元の食材を使った昔ながらの手作りの食を伝えてもらいます。
スペイン北部のナヴァラ州にある、人口100人ほどの小さな村で暮らすクックパッドアンバサダーのmalcoco07さん。持ち前の食への愛と好奇心で、現地の方から地元の郷土料理を教わり、伝える活動をしています。今回は、日本のスペイン風バルでもお馴染み、可愛いおつまみ「ピンチョス」について伺いました!
malcoco07さん:「ピンチョスとは、スライスされたバケットの上や間に、調理された肉や魚、野菜、生ハムやチーズなどを盛り付けてある軽食のこと。
盛り付けた状態に串をさしているものが多く、スペイン語で串のことをピンチョと呼ぶことから、複数形を意味するピンチョスと呼ばれています。
スペインでは、小腹が空いた時や食事の前にワインやビールを飲みながらつまんだり、何軒かピンチョスのはしごをして食べることが多いですね。ショーケースに並んでいるものを指さして注文出来るので、気軽に食べられるんですよ!
バスク地方にあるピンチョスが名物の観光スポットなどには高級なピンチョスがありますが、大体2~4€ (300〜600円)辺りが相場です」
普段からよくピンチョスを作り、クックパッドのキッチンにもピンチョスレシピを投稿しているmalcoco07さん。作り方のコツや、簡単にできるテクニックをお伺いさせてください!
malcoco07さん:「私がピンチョスを作るときのコツは、味のバランスはもちろん、盛り付けた時の色合いや形を意識すること。でも味や見た目だけでなく、食べやすさや、飲み物との組み合わせ、その後の食事への流れなど、シチュエーションを考えて作るのが楽しいですね。
最近は暑くなってきたので、さっぱりと食べれるお酢の効いたものや、冷製で食べれるものが準備も簡単で喜ばれると思います。
食欲が落ちる時期でも、具材を挟んでサンドイッチにし、一口サイズに切って上にオリーブやチーズを刺すだけでも立派なピンチョスになりますよ!
作り方ではありませんが、ピンチョス作りに便利なグッズも。ゆで卵が固定されるように卵型にくり抜かれているピンチョス用のうつわがあるんです。崩れず盛り付けられるのでとても便利なんですよ!」
お酢を使ったり冷製のピンチョスは暑い日本の夏でも活用できそうですね!季節によって使う食材など違うのでしょうか?
malcoco07さん:「季節ごとに採れる野菜で違いが出ますね!私の住んでいるナヴァラ州では最近白アスパラガスの収穫ラッシュが続いていたので、やはりピンチョスにもアスパラを使っているのを見かけました。 夏はサッパリと酢漬けやオイル漬けを使った冷製のピンチョスや、トマトやナス、ピーマン、ズッキーニを使ったピンチョス。秋はキノコや果物を使った組み合わせ、冬にはトリュフのピンチョスが出回るようになります。
逆にコロッケ、トルティージャ、チョリソーやチストラ(塩漬けにしたソーセージ)、生ハムやフォアグラ、鱈、サーモンは季節を問わない定番のピンチョスとして人気です」
最近のピンチョスのトレンドがあれば、ぜひ教えてください!
malcoco07さん:「最近はインスタでピンチョスの新メニューを更新するバルが多いんです。私は、ベジタリアンやアジアの食材をで作ったピンチョスを見かけると、興味本位で食べに行きます!
最近では、キムチや豆腐、餃子、刺身を使ったピンチョスも見かけました。日本食のピンチョスが登場する日が来るのもそう遠くない気がします。
メニューだけでなく、ログローニョという場所のバル街では小さなバルが数件あり、狭い敷地に人が集まってピンチョスをつまみにお酒を飲んでいます。その様子はどことなく日本の角打ちを思い出させます。
お酒が進むと周りの人達とついつい話し込み、『次はどこのピンチョスを食べるの?』と情報交換をしながら楽しい時間を過ごすのは、世界共通だなと思いますね!」
malcoco07さんのキッチンにはトマトや生ハム、チーズなどを使った9種類のピンチョスレシピが投稿されています。どれも見た目がカラフルでおいしそう!もちろんピンチョス以外のレシピもたくさん投稿がありますよ!ぜひmalcoco07さんのキッチンをチェックして、お気に入りのレシピを見つけてみてくださいね。
スペイン在住のクックパッドアンバサダー。
日本で調理師免許を取得し、日本、オーストラリア、スペインでの飲食店勤務後、現在はスペイン北部のナヴァラ州の小さな村で、地元の豊かな自然、食材、人々と触れ合いながら食文化を探求中。地元の人やスペイン在住の日本人向けに料理教室を主宰するなど、日本の食文化普及の活動もしています。
現地で手に入る食材を駆使して、お味噌や梅干しも仕込んでいるそうですよ。お住まいのアパートの窓から、毎日絵画のような絶景が見られるそう。