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コラム

子どもと一緒に作りたい!ポリ袋でモミモミ、お手軽「ポテトサラダ」

【子どもの心を育てるレシピvol.23】子どもに「食」の大切さを伝えたいと思いつつも、日々忙しくてなかなか教える機会がないという親御さんも多いのでは? そこで、子ども料理研究家・武田昌美さんが、子どもと楽しくトライできて心も育てられるレシピ、料理を通して子どもが得られる学びについて、わかりやすく解説! 気負わず、自然と生活の中に取り入れられる簡単料理で、とっておきの親子タイムをお過ごしください。

子どもと一緒の夕飯作り! 正直言って楽しいだけではないのも事実ですが、我が家では結構一緒に作ります。私が頑張っている母親だから!なんて自慢するつもりは毛頭なく、どちらかというと、逃げている結果が“親子夕飯作り”なんです。

実を言うと、私は子どもと一緒にお家遊びをするのが得意ではありません。レゴやお人形を前にすると、どうしても徒然な気分に苛まれ、何か別のことを始めたくなってしまって上手に遊んであげられません。母親だって人間だもん、得意や苦手はあるもんだ!と半ば開き直って、結局「一緒にお料理…する?」となるのが常なのです。一緒に料理をする時間って、親にとっても意外と楽できる“遊び”になることもある、ということをご存知いただきたく、今回の話題にしてみました。

ちなみにこの話は、時間軸の認識がとっても大切なので先に申し上げます。これらが起こっている時刻は基本的に午後3時から4時頃。幼稚園児の息子が家に帰ってきてから、小学生のお姉ちゃんが帰宅するまでののんびりした時間です。決して夕方6時過ぎではないことをお知りおきくださいませ! あと、よくあるシチュエーションは雨の日の休日。外に遊びに行けるわけもなく、子ども達にテレビを見せっぱなしにしているのも何だかなぁ…という時にお料理コマンド発動します。

子どもと一緒にお料理する時に大切なことは、「子どもに仕事を任せる!」ということです。親子で一つのことを一緒に作業するよりも、何か一つ担当を任せて作業を切り離した方が、平和な時を過ごせる場合が多いと感じています。

今回は、子どもに任せる!がやりやすい、大人も子どもも大好きなポテトサラダをご紹介します。通常ポテトサラダは、じゃがいものホクホクさをなくさないように、ボウルを使用してさっくり混ぜながら作るのですが、子どもレシピではポリ袋を使って作るので、ちょっぴり具材が潰れてしまいますが、これもご愛嬌ということでお許しくださいませ。

我が家では子どもたちと一緒に、本当によく作る鉄板レシピなのでぜひお試しください。

まずは下準備として、じゃがいもに火を通します。この時、ツルッと皮が剥ける方法があるので、最初にご紹介します。まずは、じゃがいもをよーく洗います。私は、じゃがいもを洗うときには新しいスポンジを少し切ってから、それを使ってガシガシと洗っています。この時、じゃがいもの芽は取り除くこともお忘れなく。綺麗になったじゃがいもに、包丁で十字に切り込みを入れます。この切り込みが重要! あとでツルッと剥くための裏技です。

次は火を入れます。鍋にじゃがいもがひたひたになるように水を入れたら、火をつけます。沸騰したら弱火にして、ふたをして約30分程(じゃがいもの大きさによって違いがあります)茹でたら、じゃがいもの皮がぺろっとむけてきます。そうしたらザルにあけて粗熱を取ります。これであっという間にほくほくのじゃがいもの完成です。

手で触れるくらいになったら、皮をゆっくりと子どもに剥いてもらいます。綺麗になったじゃがいもは、そのまま食品用のポリ袋へ。この間に大人は別の作業を行って大丈夫です。むしろ、じっと子どもの作業を見つめているよりも、思い切って別のことをした方がいいと思っています。そして、子どもの作業には基本的に手出し口出しせずに、任せた以上そのお仕事を尊重して、たくさん褒めてあげることを大事にします。大人だって、せっかく干した洗濯物を後から一つ一つ直されたら何だか嫌な気分ですもんね(笑)、子どもも一緒。多少皮が残っていても大丈夫。気にしないで、「上手にできたね!」といっぱい声をかけてあげることが大切です。

ポリ袋に入ったじゃがいもを、袋の上からぐーパンチで潰したら、牛乳を入れてじゃがいもをモミモミ。袋の口から中身が飛び出す心配がある時は、保存用クリップなどを使って口を留めておくと安心です。他の材料も入れて、モミモミしながら混ぜ合わせたら、あっという間にポテトサラダの完成です。

ポリ袋調理のいいところはたくさんあります。飛び散らずに料理できること、キッチン以外の場所でもできること、小さな子どもも挑戦できること、洗い物がなくなること…これぞ子ども料理にうってつけの道具なんです。少し厚手のものがあると何かと便利なので、ぜひ子どもと一緒に料理をする時の相棒として使ってみてください。

いつもの遊びの代わりに、お料理を遊びにしたお夕飯作り。この簡単レシピが、ご家族の食卓に並びましたら嬉しい限りでございます。

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武田昌美(子ども料理研究家)

リトルシェフクッキング(株)代表取締役。フランスで料理の修行をしていた父の影響を受け、幼少の頃から料理に興味を持つ。航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ、知識を深める。2人の子どもの親となり、多くの子どもたちに料理の楽しさ、食の大切さを伝えていきたいと強く願い、2017年より「ママも知らなかった才能が花開くクッキングスクール」をコンセプトにした料理教室『リトルシェフクッキング』を主催。保有資格は、食育インストラクター、子供心理カウンセラー、フードコーディネーター。2019年3月、子どもが一人一人料理できる料理教室『リトルシェフクッキングEduCooking Lab』を東京都世田谷区にオープン。著書は、『失敗したって大丈夫!と言える子になる「子ども料理」のススメ』(クックパッド株式会社)。

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