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コラム

高タンパクな食事がカギ。まだ間に合う「正月太り」の解消法を医師に聞きました

年末年始、おいしいものをたくさん食べた方たちが、「正月太り」について悩んでいる時期ではないでしょうか。食べているときは幸せな気持ちでいっぱいなのに、その後にやってくる後悔……。新しい1年がスタートした今、少し増えてしまった体重や、いつもより出ているお腹を見て悩んでいる方のために、新見正則医院の院長・新見正則先生に、有効的な正月太り解消法を聞きました。

運動なら消費カロリー、食事なら摂取カロリーを意識した生活をする

――「正月太り」は、どのように解消したらいいでしょうか?

運動が苦手でなければ、ひたすら運動をすればお正月に増えた体重は元に戻ります。体重を減らすには有酸素運動が基本です。ジョギングや水泳がおすすめですが、30分の運動で減るのは300キロカロリーほど。脂肪は1グラム9キロカロリーなので、30分の運動でやっと33グラムの脂肪が減るだけなのです。とは言え、運動強度には個人差があるので、一度ジムに行って30分間で走れる速さで走ってみてください。ランニングマシンがあなたの消費カロリーを教えてくれます。それを知った上で、気長に脂肪を減らす運動を続けてみるといいでしょう。

――運動が苦手だったり、運動する時間が取れないという場合はどうしたらいいですか?

運動が苦手、時間がないという人は食事で体重を減らすことになります。脂肪は1グラム9キロカロリーと説明しましたが、炭水化物やタンパク質は1グラム4キロカロリーです。自分が食べたいもののカロリーを知ると減量の役に立ちます。最近は、コンビニの商品でもカロリー表示されているので、摂取カロリーを意識しながら食事をする習慣をつくるといいですね。

正月太り後は、高タンパクな食事生活を

――意識的に摂取したほうが良いものはありますか?

炭水化物は食べ過ぎると脂肪に変換されて蓄積しますが、タンパク質は食べ過ぎても基本的に体に蓄積されません。なので、痩せるためには、脂肪分が少ないタンパク質を食べるといいです。人は、炭水化物をできる限り食べなければ必ず痩せます。炭水化物とは、ザックリ言うと、主食、甘いもの、果物です。この三つを食べないという作戦は、短時間で体重を戻すためにはかなり有効です。でも、この三つを全く食べないということは難しいと思うので、その場合は、甘いもの、果物を半分にしましょう。

――この時期、「正月太り」解消のために食生活を見直している人たちにおすすめの食材があれば教えてください。

炭水化物と脂肪が含まれるものはできるだけ避けてください。赤身の肉や鶏肉、魚、葉もの野菜、コンニャクなどがおすすめです。実は、赤身の肉だけ食べ続けていれば痩せるんです。

メリハリのある食生活を!

――明らかにお正月の暴飲暴食で増加した分は、年明け1カ月以内にダイエットをスタートしないと落ちにくくなるということはありますか?

脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪の2種類があります。例えるなら、内臓脂肪は普通預金で、皮下脂肪は定期預金と思ってください。まず、脂肪は内臓脂肪となって蓄えられ、その後皮下脂肪が付きます。ストイックを長く続けるのは難しいと思うので、ちょっと無理をしてでも正月太りは1ヶ月ほどで解消しましょう

――「お正月太り」という言葉が定着し、必ず年明けに年末年始の食生活を後悔する人が多いのですが、年末年始や長期休暇で太りにくい生活をする対策などはありますか?

繰り返しになりますが、炭水化物や脂肪を控えた食生活をすることです。もし、それらを食べるのであればそれ以上に運動することです。せっかくのお休みですから、節制ばかりでは楽しくなくなってしまいます。大切なのはメリハリ。ずっと食べ続けるのではなく、食べるときと控えるときのバランスを考えながら生活するといいでしょう。

(TEXT:上原かほり)

新見正則先生

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。最新刊『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』はAmazonでベストセラーに。

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