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防災レシピ

防災食にはお菓子が必須⁉︎防災プロが「災害の備えがない家」を突撃チェックした結果

今年は東日本大震災から12年ーそして関東大震災から100年という節目の年。今回はクックパッドニュース編集部スタッフの自宅で、防災と食のプロである日本食育防災士の中村詩織さんに、キッチン周りの防災ポイントや、いざという時に役立つ非常食について教えていただきました。

災害の備えがないスタッフ宅を突撃訪問!

前回のキッチン周りの防災ポイントに引き続き、中村さんには編集部スタッフF宅の防災食のストックもチェックいただきました。普段食べている意外なものが防災食となるようで…まずは身近な100円均一ショップで、いざという時に「防災食」になるものをピックアップ!

一般社団法人日本食育HED 代表理事/日本食育防災士 中村 詩織さん トータルボディセラピストの経験や美容に関する講師等の活動を行う中で体にとって一番大切な「食」について興味を持つ。災害支援経験後、災害時における食の問題を解消しようと一般社団法人日本食育HEDカレッジを設立。食と災害の知識が身につく「食育防災アドバイザー認定講座」と、災害時の食のリーダー「日本食育防災士養成講座」を開講。

クックパッド編集部 スタッフF
アイスクリームとTikTokをこよなく愛する編集部きっての超ポジティブ思考。夫と3歳の娘と都内の戸建てに住んでいるが、自宅の防災や備蓄にこれまで大きな関心を持ったことはナシ。

3歳の幼児がいる家庭で必要な防災食とは?

中村さん:災害時になると大人はもちろん、小さなお子さんはなおさら心が不安定になりやすいです。環境が大きく変わる中で、食まで変わってしまうと体調を崩しやすくなります。そうならないよう、少しでも普段の食生活に近いものを用意してあげることが大切です。 Fさんのお宅には3歳の娘さんがいるということですが、防災食はどんなものをご用意されてますか?

F:あまり意識して揃えたことがなくて、缶詰とかパスタソースなどのストックがあります。以前もらった防災食を取っておいてあると思います。

中村さん:小さなお子さんのいる家庭では、ぜひお菓子を防災食として用意してあげてください。100円ショップでもいろんな種類のお菓子が用意されていますが、なるべく賞味期限の長い物を多めに買ってストックしておくと良いですよ。
大袋よりも小分けになっている物の方が、一度に食べ切らずに済みますし、衛生的です。アレルギー持ちのお子さんがいる家庭は裏面の食品表示をよく見て買ってくださいね。

F:お菓子が防災食になるなんて意外です!防災食は「とりあえず食べられればOK」と思っていましたが、確かに非常時だからこそ好きなお菓子で、子どもには機嫌よく過ごしてほしいですね。

中村さん:災害時はご飯、おかず、汁物と揃えることが難しい場合もあります。ふりかけやお茶漬けの素を常備しておくと、ご飯だけの場合も食べやすくなりますよ。 また停電となった場合は常温保存できないものは早めに使い切る必要があります。その時にフルーチェのような商品があると重宝します。

意外!海苔やジャムが災害時に大活躍

近所のダイソーからF邸に戻ってきた二人。F邸にある防災食をさっそくチェックしてみました!缶詰やお湯や水を注ぐだけでご飯になる「アルファ米」の他にもレトルト食品や乾麺類、切り餅なども防災食としてストックしておけるそう。

F:「焼き海苔」も防災食に入っていることに驚いたんですが、一体どうやって使うんでしょうか?

中村さん:防災食を食べやすくする一工夫として使います。例えば缶詰のままだと、お子さんが食べ慣れず、食が進まないことがあります。このアルファ米の五目ごはんと焼き鳥缶を海苔で包んであげれば、簡単に手巻き寿司風になって食べやすくなりますよ。

F:すごい!組み合わせるんだ!!防災食を組み合わせるって発想がなかったです。

中村さん:缶詰入りのパンも喉を通りにくい場合はジャムやバターを塗ってあげると食べやすくなります。ほかにも冷凍庫に自然解凍ができる冷凍食品があれば、スライスしたパンにケチャップやマヨネーズと一緒にはさめばバーガーのように食べられますね。

災害時はライフラインが止まっていることを想定して食べられるものを選ぶのが大切だそうです。中村さんによると、電子レンジ加熱で食べられるご飯をストックしているご家庭が意外と多いそうですが、電気が通っている状況でしか食べられないデメリットがあります。
インスタント麺は袋麺ではなく、カップ麺の方が食器を汚さず、生活用水の節約に繋がるのでおすすめだそうですよ。

ウォーターサーバーは災害時に使えるの?

そして最後に中村さんが注目したのはキッチン脇にあるウォーターサーバーでした。Fに確認すると、娘さんが生まれた時にミルクを作るために買ったそうです。今でも毎日使っており、ストックのお水がたくさんあるので、水に関しては安心だと思っているとのことですがーーー。

中村さん:ご自宅のウォーターサーバーが停電時に使えるか確認したことはありますか?メーカーや機種によって異なりますが、電源を抜いた状態でどの機能が使えるかは確認しておきましょう。

F:停電時に使えるかなんて全然考えたことなかったです。(試しに電源を抜いて水を出してみる) あ、ちゃんと水が出てきました!よかった〜!!

中村さん:蛇口がレバー式のウォーターサーバーは、電源が入っていなくてもお水を汲み出せることが多いと思います。ただ、水を冷やしたり温めたりする機能は使えません。ウォーターサーバーのお湯で赤ちゃんのミルクを作っているご家庭は、カセットコンロを備えておくようにしましょう。

日常生活では気づきにくいですが、災害時に水はとても貴重でストックがいくらあっても足りません。特に小さなお子様がいる家庭の場合、給水所に行き、並んで重い水を持って帰ってくるのは一苦労です。自宅でしっかり備えるようにしてくださいね。ちなみに我が家では1ケースに2リットルペットボトルが6本入りのお水を24ケース常備しています。

防災マニュアル通りではなく、カスタマイズすることが大切

F:今日はありがとうございました!今まで「防災」というと、専用の防災グッズや食料を一から用意しないといけない気がしていました。意外と日頃から使っているものを活用できると知って、少し取り組みやすくなりましたね。

中村さん:そう言っていただけて嬉しいです!今日は3歳のお子さんがいる「Fさんのご家族」に向けて防災食を紹介しました。ですが、これがどのご家庭にも当てはまる訳ではないんです。
防災食を用意する際のポイントは、マニュアル通りでは十分ではないということ。食の好みはもちろん、アレルギーや持病などを考慮して家族一人一人に合ったものを用意しておくことが大切です。

今回は防災と食のプロである中村さんのおかげで、F邸の災害に対する備えがぐんと強化されました。中村さんのキッチンでは他にも防災食育レシピが紹介されています。

みなさんもこの機会に一度、普段行き慣れたスーパーマーケットや100円ショップを「防災目線」でお買い物してみてはいかがでしょうか?

一般社団法人 日本食育HEDカレッジ ”H=健康・E=環境・D=防災”への貢献を掲げ「災害時の食のリーダー 日本食育防災士/食育防災アドバイザー」を育成するカレッジを開催。災害が起こった際に、食の安心・安全を確保した上で、自分や家族を守るための知識を体験学習式で教えてくれる。

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