ご先祖の霊を迎え入れ心から供養するお盆の行事。家族みんなでご先祖様を語り感謝の気持ちを伝えます。今回はお盆の準備についてお話しします。
お盆の飾りを精霊棚と言います。お盆はご先祖様が1年に1回、お家に帰ってくる日でもあります。ご先祖様もお家のどこに帰ったら良いのか迷わないためにも帰る場所を作ってあげます。それが精霊棚です。
【精霊棚の飾り方例】
現在は住宅事情やマンション住まいの方が多くなっており大きな精霊棚を設置することは難しい方もいるかと思いますが、基本的には仏壇にお祀りしている位牌を精霊棚の中央に安置し空いているスペースにお供え物、茄子で作る牛やきゅうりで作る馬をお供えする形で良いかと思います。盆棚の脇には、盆提灯を飾り迎え火として灯しましょう。迎え火には「お家はここですよ~」と道標的な役割もしているのです。馬や牛を飾るのは「速い馬に乗って早く帰ってきて欲しい、お盆が終わって帰る時は牛に乗ってのんびり帰ってもらいたい」といった意味が込められていると言われます。
旧暦の頃(明治時代以前)のお盆は7月15日を中心として、13日をお盆に入る盆の入り、お盆の終わる16日を送り盆と呼びます。新暦になると、お盆の期間が農作業の繁忙期と重なるため、ひと月遅れの8月13日から16日にお盆をするところも多くなりました。現在も地域によってお盆の時期はまちまちですが、大きく分けて7月13日から行う地域と、8月13日から行う地域があります。その他にも8月1日や8月20日をお盆にする地域もあります。このように、葬儀文化と同じでお盆にも地域によって違いがあります。みなさまの地域のお盆はいつ頃でしょうか?
最後にお墓参りの時のマナーを
◆お墓にお酒を掛ける
お墓参りの時に墓石にお酒を掛けてあげる方を見かけます。お酒好きなご先祖に…と気持ちは痛いほどわかりますが実は汚れが付着しやすく、また墓石の損傷に繋がる恐れがあるので避けた方が良いのです。お酒ではなく、お水を掛けてあげる。もしくはお酒を掛けた後にお水もかけてあげるとよいでしょう。
◆御供物を置きっぱなしにする
特に、お菓子やジュースなどを供えてそのままにして帰るとカラスがやってきてお墓の周りが汚れる原因にもなります。お供え物はお墓参りが終わったら持ち帰りましょう。
お盆は先祖を敬う日本の素晴らしい風習です。近年、薄れつつあると言われておりますが昔の大切な文化や風習を後世に伝承していくことの大切さも忘れてはいけません。今、自分があることの全てはご先祖様がいるからこそ。そのご先祖様に感謝の気持ちを捧げる機会がお盆なのです。
新潟県生まれ。1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度)。大学在学中からマスコミ関係で働くも、火葬場を見学したことを機に20代後半に葬祭業界へ転職。以後、「葬儀は人と人との信頼が商品である」を信条とし、将来の人材育成に力を注いでいる。
駿台グループの教育精神「愛情教育」をベースに、観光業界に必要なマインド&スキルを備えた人材を育成。就職のためではなくワンランク上の、就職してからも役立つ力をつける。それがスンダイの目標です。教員は業界の第一線で活躍中のエキスパート。仕事現場の視点からの授業は迫力が十分。基礎力から専門知識・専門技術まで「本物の実力」を身に付けられるスンダイ独自の授業です。 駿台トラベル&ホテル専門学校HPはこちら