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夏に人気の「冷や汁」。宮崎、埼玉、山形バージョンがあるって知ってた!?

クックパッドニュース編集部

日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部

ムシムシと暑い日が続いていますが、食欲が落ちたりしていませんか? そんな時はのどごしの良いひんやり料理の出番です。今回はこれからの時期クックパッドでも人気の「冷や汁」についてご紹介します!

「冷や汁」と聞いてパッと思い浮かぶのは宮崎県でしょうか。だしのきいた冷たいお味噌汁をごはんにかけていただくあの料理です。ですがこの冷や汁、宮崎だけでなく、埼玉や山形にも同名の料理があることをご存知ですか? 名前は同じでも、それぞれ中身がちょっと違うんです!

宮崎の冷や汁は、工夫からうまれた料理だった!

宮崎県の郷土料理としてその名が知れ渡っている「冷や汁」は、現在の宮崎県から鹿児島県にかけて江戸時代から広く食べられていたそう。地域や家庭によって作り方はさまざまですが、多くは、いりこや焼いてほぐした魚と味噌をすったものを焼き、冷たいだし汁に溶かして仕上げに豆腐や夏野菜を加え、あたたかいごはんにかけていただくというもの。焼き味噌が香ばしく、食欲が落ち気味の時でも箸がすすみますよね☆

ちなみにこの時にかけるごはんは麦飯の場合が多いんだとか。理由として、その昔、この時期は収穫したお米の多くは年貢にとられて、どの農家も蔵の保存米が底をつく頃で、麦飯を少しでもおいしく食べて暑い時期に栄養をとろうと、創意工夫の満ちた食事が冷や汁なんだそう。白米が主流の現代においても宮崎の冷や汁は麦飯で食べる習慣が残っており、それが今では夏にぴったりな健康的なメニューになっているのですね!

埼玉は「ひやしる」と読むんです!

一方埼玉県の郷土料理の冷や汁は発音からちょっと違い、「ひやしる」と呼びます。こちらは魚が入らないのが一つの特徴で、その代わり夏野菜のうまみがギュッと詰まった味わいです。また、うどん文化が発達していたこの地域では、ごはんにかけるのではなくうどんやそうめんのつけ汁として食べるのが定番で、最近では夏野菜をたっぷり加えてサラダうどん感覚で食べることも! 魚が入らない分手軽なので、パパッとランチなどにも良さそうです。

ちなみに地域によっては「すったて」「つったて」という呼び方もあり、これは「すりたて」がなまった言い方なんだとか。クックパッドでも検索してみたらありましたよ!

山形は汁物というよりおひたし??

これまでに紹介した2つの冷や汁と全然違うのが山形県の冷や汁。米沢を中心に食べられている郷土料理で、冷や汁という名前ですが、汁物というより具だくさんおひたしといった方がイメージに近いかも??

上杉謙信が出陣の際にふるまったとされる歴史のある料理で、具材は干し椎茸、凍み豆腐、干し貝柱、打ち豆(つぶして乾燥させた大豆)、油揚げなどが定番で、それに季節の旬野菜をおひたしにして加えるというもの。椎茸や貝柱など、うまみの詰まったおだしがたまらないんだとか! 冷蔵庫でしっかり冷やせば、食欲が落ちがちな時期でも口当たりよくいただけます。

先人の人々の知恵がいかされた冷や汁。それぞれの地域で内容は違えど、今も昔も暑い夏を乗り切るために食卓に欠かせない料理という点は共通していますね。やがて迎える夏本番、冷や汁で元気に乗り切りたいものです!

執筆者情報

クックパッドニュース編集部

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