世界の家庭料理を旅しよう!世界中の食卓で料理をつくる人 (COOK) と食べる人 (HIKER) をマッチングするWebサービス、KitchHikeの世界各国の食卓を巡る連載。今回は、台湾人のCOOKのアンナさんのお宅にお邪魔して、身体に優しくておいしいベジタリアン料理を教えていただきました。
こんにちは、フードディレクターのさわのめぐみです!日本にいながら世界中の家庭料理を楽しめるKitchHikeを使って、今回で5人目のCOOKのお宅にお邪魔してきました。
おいしい料理をいただきに行くのはもちろんですが、私の目的は教わったお料理をみなさまがご家庭でも楽しんでいただけるように"レシピ"にすることなんです。おいしいお料理を知ったら独り占めなんて勿体無い!おいしいものはみんなでシェアするからよりおいしくなります。お気に入りのレシピを見つけて、得意料理がどんどん増えるといいですね!
さて、今回お邪魔したのは台湾人のCOOKのアンナさん。とっても笑顔が素敵で日本語もペラペラ!英語が苦手の私も安心してコミュニケーションが取れました。 アンナさんの食卓をKitchHikeしてきた体験談もありますので、こちらもあわせてぜひご覧下さいね。
ベジタリアン一家で育ったアンナさんは日本に来てベジタリアン料理が少ないことにびっくりしたそうです。何故なら日本は仏教の国なのにほとんどの食べ物が動物食だったから。お味噌汁の出汁もお魚が基本ですよね。
菜食主義と言われるベジタリアンの種類も実はさまざま。アンナさんはベジタリアンの中でもオリエンタル・ベジタリアンという、五葷 (ごくん) と呼ばれる臭いの強いネギなどを食べないベジタリアンなのです。
五葷 (ごくん) とは、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アサツキなどです。なぜ、この五葷 (ごくん) が禁止されているかは様々な理由がありますが、厳格仏教の教えが基になっています。「臭いが強いと修行に集中できない」や、五葷 (ごくん) それぞれが五臓「肝、心、脾、腎、肺」に繋がっていて食べると、五臓の元気が無くなってしまい、霊性が傷ついてしまうと言われているのです。
他にも禅宗や寺院の入り口の石碑に「不許葷肉入山門」と書いてあるものがあります。もちろん日本の寺院などでもみかけます。これは「肉や臭い野菜食べたり、酒を飲んだ人は修行の場に相応しくないので立ち入り禁止」という意味なんです。ひたすら仏教修行をして、悟りを極めるためのお料理なんですね。
そんなちょっと小難しいお話のあとですが、アンナさんのお料理はそんな厳しさを一切感じさせないとっても美味しいお料理なんです!
アンナさんはと~ってもフレンドリーでやさしい方なので、すぐに仲良しになってレッスンがスタートしました!
A. 生地 | |
強力粉 | 300g |
ベーキングパウダー | 10g |
サラダ油 | 大さじ3 |
水 | 160ml |
B. 具材 | |
キャベツ (千切り) | 1/8個 |
きくらげ(千切り) | 5枚 |
ニンジン (粗みじん切り) | 1/2本 |
乾燥春雨 (水にもどして、ざく切り) | 10g |
たけのこ(粗みじん切り) | 1/4本 |
塩 | 少々 |
ごま油 | 大さじ1 |
C. 調理時に必要 | |
サラダ油 | 大さじ1 |
水 | 150g |
1. 大きめのボールに生地の材料を入れ、手でこねる。最初はベタつきますがまとまってくると手につかなくなります。約5分くらい良く捏ねて、生地が滑らかになり、指で押して自然に戻ってくれば、OKです。
2.生地をボールにいれ、ラップをかけて冷蔵庫で15分ほど休ませます。
3.生地を休ませてる間に、具材を混ぜ合わせて全体がしんなりするまで置いておきます。
4.「2」を約35gづつ12等分にして丸めて、ラップをかぶせて休ませます。
5.軽く小麦粉を引いたテーブルまたはまな板の上で綿棒で生地を約10cmに伸ばしていきます。一つ伸ばし終わったら、具材をテーブルスプーン大盛り1杯くらいを包んでいきます。
6.全て包み終わったら、蓋のできるフライパンにサラダ油を引き弱火。水煎包の生地を閉じた方を下にして隣同士くっつかないようにフライパンに入れていきます。
7.フライパンがいっぱいになったら、水を入て蓋をして水がなくなるまで強火で加熱していきます。水がなくなったら、弱火に戻し焼き色をつけていきます (焦げやすいので注意!)。ひっくり返して反対側も焼き色をつけたら出来上がりです!
アンナさんのお話では、この「シェイ チェン パオ (水煎包)」は雨の日に外に遊びに行けない子どものために作ってあげる家庭料理なんだそうです。これならお母さんと一緒に作れて、雨の日でも楽しい一日を過ごせますね!
アンナさんのデモンストレーションのあとは実際に体験することに。アンナさんは簡単そうにやっているように見えましたが、やってみるとやっぱり難しい。
悪戦苦闘しながらもなんとか完成しました。完成と同時にランチタイムスタート!どんどんおいしいそうなお料理が出てきました。
「大根もち」はその名の通り、大根の入ったお餅。日本では焼いたお餅に大根おろしをのせて食べますが、大根を練り込むのが台湾や中国の大根餅なんですね。
そして、私たちも初めて食べたシログワイケーキ (馬蹄糕)。なんて台湾語で発音するのかわからないのですが、クワイのでんぷんを加工した点心です。台湾のハレの日には欠かせないものなんだそうです。今回はそのシログワイケーキ (馬蹄糕) をしゅうまい (焼売) の皮で包んで揚げたものを頂きました。
そして「精進しゅうまい (精進焼売)」は、もちろんお肉無し。でも本当にお肉入ってないの?と思えるほどの味わいと満足感。高野豆腐とジャガイモとこんにゃくでこの食べ応えを感じることができるそうです。