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コラム

大人気レシピ作者☆栄養士のれしぴ☆さんに聞いた、毎日のごはん作りをラクにする「超段取り術」【プロの日々ごはんVol.5】

殿堂入りレシピ数・もらったつくれぽ数がクックパッドでNo.1のレシピ作者である☆栄養士のれしぴ☆さんこと、上地智子さん。2019年8月には、つくれぽ数ベスト100品をまとめたレシピ本の『クックパッド☆栄養士のれしぴ☆ BEST100』(宝島社)が発売されました。レシピ本の撮影では、5時間半で22品もの料理を仕上げたという上地さんの「超段取り術」をお伺いしました。

撮影スタッフも驚愕!5時間半で22品を作る「段取り術」

☆栄養士のれしぴ☆こと、上地智子です。クックパッドでレシピの投稿を始めてから約9年が経ちました。その間に3冊のレシピ本が宝島社から出版され、今年の8月には4冊目となる『クックパッド☆栄養士のれしぴ☆ BEST100』を発売しました。このレシピ本は、つくれぽ数が多かった順にランキング方式でレシピを紹介する、いわばベスト本のような1冊になっています。

今回の撮影では、朝9時半から15時までの間に22品の料理を作ったのですが、その際、立ち合ってくださったスタッフの方たちに、「作るのが早い!」と驚かれました。自分では手際が悪いほうだと思っているんですが、やはりそこは主婦歴20年、毎日の食事作りの中で身に付けた私なりの「段取り術」があるようです。そこで今回は、私が普段から実践している「段取り術」についてお話してみようと思います。

我が家の基本の夕飯は、主菜、副菜2品、サラダ、味噌汁、ごはんの一汁三菜+サラダです。キッチンに立っている時間はいつも1時間ほどでしょうか。この品数の中には作りおきしている煮卵やきんぴらも含まれているので、毎日この品数を作っているわけではないですよ(笑)。

夕飯の時間は、主人の帰宅時間に合わせています。その時間に出来立ての食事を食卓に並べられるように計算しながら夕飯作りがスタートします。

まずは、その日使う野菜を全て切ります。その後、調味料を合わせていきます。煮込むものがあればその間に煮込み、サラダの盛り付けを終わらせます。お肉などは衛生面を考えて、なるべく最後に取り出すというのが定番の段取りになります。

このときのポイントとしては、切った食材や野菜はビニール袋にいれて、おかずごとにキットにすること。下準備をすべて終わらせ、キットを作っておくと、後は揚げたり、炒めたりするだけ。1つ作って、また次……という作り方よりも、段取りよく作っていくことができます。

また、味が染みたほうがいい煮物などは午前中から作っておいたり、煮込む時間まではなくても、午前中に少し時間があれば、食材だけ先に切っておくのも後が随分楽になります。

今日は手抜きしたい!そんな時に役立つ「ストック術」

毎日食事を作っていると、「今日は手抜きしたい~」という日もありますよね。我が家では、そんな日にはまぐろ漬け丼釜玉うどんが登場します。丼ものや麺類は、お腹も満たされるし、作るのが簡単なので、「作りたくないけど作らなきゃいけない日」にはぴったり。だいたい20分ほどで完成するので、それ以外に野菜が欲しいなと思えばお惣菜を買って並べても良いと思います。

夕飯を作るパワーがない日や、「今日は楽がしたい」という日のために、炒めればいいだけ、温めればいいだけというストックを作っておくと、調理も気持ちもラクになります。我が家では、白米、味付きごはん、塩麹に漬けこんだ鶏肉、味噌に漬けこんだ豚肉などの下味冷凍と、野菜をストックしています。

調理時に出た残り野菜は、刻んでセットにして冷凍しておけば、味噌汁の具に使えるので便利ですよ。普段の料理を段取りよくすることも大事ですが、毎日のことだからこそ「ラクする」ためのストックがいざというときに役立ちます。

実は家族が喜ぶ!?外食は新しいレシピ作りのチャンスにも

作りたくない気分の日に、無理矢理作った食事っておいしくないんですよね。食事を作るなら、家族が喜ぶものを作りたい。だから、できない日には思いきって、「今日は外食だよ!」という日があったって良いんです。

そういう私も、以前は「夕飯を作らない」ということに罪悪感を持っていたのですが、最近は、「できないときはできないと言おう」と思うようになりました。それに、家族もたまの外食を望んでいるということがわかったんです。だから、作れない日は家族に甘えて良いと思うんです。

「おいしく、楽しくいただく」というのが、私の食に対してのモットー。罪悪感を抱くよりも、外食するときはとことん楽しんでいます。
外食に行くとなれば、これは新しいレシピ作りのアイデアを得られるチャンス!と思って、今まで食べたことのないような組み合わせの食材にチャレンジしたり、自分であまり作ったことがない料理をあえて注文したりして、家族みんなで食事を楽しみます。レストランでの外食や市販のお惣菜もうまく活用して、毎日の料理を楽しめるといいなと思います。

(TEXT:上原かほり)

上地智子さんの新刊著書

クックパッド☆栄養士のれしぴ☆ BEST100』(宝島社

「このレシピ本はベスト版なので、みなさんの推しレシピ、よく作るものばかりが入っていると思います。ランキングに入っているのは、定番レシピが多く、家庭料理の中でも、ど真ん中の味を目指して作ったレシピが多いです。なので、奇をてらったものはなく、馴染みあるレシピばかりなので、一度見てもらうと、ピンとくるものが多いのではないかと思います」(上地さん)

『クックパッド☆栄養士のれしぴ☆ BEST100』には、上地さんの家族からリクエストされる回数が多いレシピも掲載されています。上地さんご自身の推しレシピは、2位に選ばれている『☆HMチョコスコーン☆』。朝の情報番組のテレビ出演で作った思い出深いレシピであること、お菓子レシピでつくれぽが届いた初めてのレシピだからなんだそう。お子さんたちも大好きで、上地家の冷凍庫には、スコーンのストックも常備されているのだとか。

おかずの推しレシピは『☆絶品餃子☆』。「ずっと味を変えていないので、まさに我が家の味」とのこと。お料理上手な奥さまがいながら、あまり食に興味がないというご主人が珍しく、「あれが食べたいな」とリクエストした『☆トマトとにんにくとツナのパスタ☆』も、推しレシピとして挙げてくださいました。

全国の書店やオンラインストアで好評発売中。>>>購入はこちら

☆栄養士のれしぴ☆/上地智子(かみじ・ともこ)

東京都在住。栄養士、フードコーディネーター。夫、長女、次女の4人家族。クックパッド歴は2011年2月から。2人の娘にレシピを伝えたいと思い、投稿を始める。現在掲載レシピは451品、殿堂入りレシピは64品、つくれぽ数は合計30万件超、フォロワー数21万人超(2019年7月時点)。届いたつくれぽ最多レシピ作者(2019年7月時点)でもある。得意なジャンルは“定番のおかず”。納得のいく味になるまで調味料の配合など何度も試作を重ね、味を追求している。趣味は器集め、カフェめぐりと雑貨屋さんめぐり。

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