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コラム

我が家はかかりすぎ?!「みんなの食費の目安」を聞いてみました【丸山晴美の目指せ!やりくり上手への道Vol.1】

丸山晴美

調理師資格を持っている食費節約が得意なFPです。

ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが読者やクックパッドアンバサダーの家計をチェック! 適切な節約術ややりくりのコツを伝授してくださいます。今回は8月に実施した読者アンケートの結果を元に、食費節約の目安やコツをアドバイスしていただきました。

ズバリ「1カ月の食費」の目安はいくらが妥当なの?

食費の予算の目安は、米代抜きで1人あたり2万円、4人家族の場合は8万円、もしくは手取り収入の2割です。この金額は外食費を含めての食費の目安ですが、やりくりが難しい場合は、1人あたり5000円を目安に外食費の予算をプラスしてみてもよいでしょう。

クックパッドニュースの読者254名の方へのアンケートで、毎月の食費の額を聞いた結果が下のグラフです。これを見ると、どの世帯も「1人あたり2万円」台の予算に収めているという回答が多く(下グラフ内オレンジの点線より左)、ほとんどの方が食費を適切に節約できていることがわかります。

ただし、この「予算の目安」は年々上がってきています。その理由としては、物価上昇による食材自体の値上がりや、食材価格の地域差などがあります。

近所に安いスーパーや業務用スーパーのあるなしでもやりくりのしやすさは変わりますし、ほかにも弁当のあるなし、成長期のお子さんの有無でも予算は変わるので、臨機応変に食費を捻出して、その分違う費目を抑えるとよいでしょう。

ちなみに、皆さん自身が1人あたりの食費の予算をいくらと認識しているかを聞いてみた結果が下のグラフです。2万円台までと認識されている方はどの世帯も3〜5割程度いますが(下グラフ内オレンジの点線より左)、「予算を決めていない」という方も半数を占めています。ここからは、予算をきっちり決めていなくてもしっかりとやりくりできている上級者さんも多いことが見て取れます。

注意したいのは、自炊費の予算を決めておらず、毎月の食費が1人あたり2万円もしくは手取り収入の2割を超えている場合です。このケースだと、毎月のやりくりがうまくできていない可能性があります。

食費の予算を管理する場合は5週分に分けて、1週間ごとにやりくりをすることをおすすめします。その理由は、4人家族で食費の予算が8万円なら、1カ月分をまとめて持つよりも、5週に分けて1万6000円を週ごとにやりくりするほうが、予算をキープしながらバランスの良い献立を作ることができるからです。

5週のうちの1週は数日で終わる週もあるので、その時に日持ちのする乾物や缶詰、調味料を買うといった工夫をしましょう。

1週間分の予算が余ったら、翌週に繰り越しはせず、週初めにはまた新たに1万6000円の予算でやりくりをします。1カ月経った時点で使い切らずに残った食費はやりくりの成果ですので、誕生日や特別な日のための外食費用に積立をしておくのもおすすめです。

食費を圧迫する食材と節約のカギとは?

次に、食費の中で大きな割合を占めるものは何かを見ていきましょう。下のグラフを見ると、やはり「肉」「野菜」という日々のおかず作りに欠かせない食材の購入費を挙げる方が6割。そして3番目に多かったのが「酒を含む飲料」という回答でした。

肉の購入費を抑えるコツ

【肉を選んだ回答者の声】
「育ち盛りの子どもがいて、なおかつ毎日家族のお弁当も作らなくてはいけないため」(45歳/女性)

肉は食費を圧迫しがちです。お財布にやさしい肉は、鶏むね肉、豚こま肉、豚ひき肉、牛豚合挽き肉、豚バラスライス、牛切り落としです。これらを特売や業務用を購入して単価を安くし、小分け冷凍や下味冷凍をして保存する。肉を野菜や練り物、ごはんで巻いて肉巻きにする。ひき肉にもやしやキャベツなどの野菜や、豆腐や高野豆腐などを一緒に練り込むといったかさましテクを使うことで、お肉を使いながらもボリューム感を出す工夫をするとよいでしょう。

野菜の購入費を抑えるコツ

【野菜を選んだ回答者の声】
「健康のため野菜を意識的に摂っているが価格が高騰しているので家計を圧迫している」(51歳以上/女性)

野菜はもやし、玉ねぎなど、比較的価格が安定しているものや、広告の品となっている野菜、形がふぞろいな訳あり野菜が狙い目です。もやしは卵と並んで物価の優等生と言われていますが、日持ちがしませんので必要な分を必要なだけ買うようにしましょう。おつとめ品や見切り品の野菜は傷んでいる部分が多く、可食部が少ないこともあるので、よく確認をしてから購入することをおすすめします。

野菜高騰時は冷凍野菜を使うのも一案です。冷凍野菜であれば一年中価格が安定しており、スーパーのプライベートブランド(PB)商品であれば、価格も手ごろです。また、かぼちゃやブロッコリー、きのこは生のものをスライスしたり小房に分けて、ジップ式の袋に入れて冷凍保存ができますので、特売時に買ってストックをしておくと便利です。ほかにも切り干し大根や大豆、たけのこの水煮を使った料理もレパートリーに入れておきましょう。

また、大根や人参、かぼちゃなどの野菜は、安い時に買って干し野菜を作っておき、保存しておく手もあります。キャベツは価格の変動が天候に左右されやすい野菜の一つですが、キャベツも干し野菜にして保存しておくと、高騰時の備えにもなります。

酒を含む飲料の購入費を抑えるコツ

【酒を含む飲料を選んだ回答者の声】
「夫婦で飲酒をするため」(49歳/女性)

酒代を食費に含むか否かはその家庭によって違いがあるかとは思いますが、できれば酒代として予算を別途持つことをおすすめします。

家族のうちの1人しかお酒を飲まないのであれば、飲む人のおこづかいから酒代を出すといった工夫も必要でしょう。この10月からは第三のビールが350mlで10円の値上げとなります(ビールや一部発泡酒は値下げ)。これを機会に、休肝日を増やしてみるのもいいかもしれません。

ジュースに関しては、我が家の話で恐縮ではありますが、家でタダで飲めるものは、「水、お茶、牛乳」の3つのみ、ほかの飲料が飲みたい場合は各自のお小遣いからというルールです。我が家はこの方法でうまくいっています。

読者の皆さんの節約術を一挙ご紹介!

最後に、みなさんの節約術についても伺ってみました。1位「計画的に買う」と2位「安いものを買う」がそれぞれ2割。3位「外食を減らす」が1割という回答でした。

4位以降は、「購入する店を分ける」「業務用スーパーを利用」など、買うお店を工夫する節約術が続き、そのほかにも「賞味期限の長い食品を活用」「作りおきをする」など、料理の仕方で工夫する方法が挙がっていました。

計画的に買って節約するコツ

【回答者の声】
「1週間の献立をある程度決めてから買い物に行く」(49歳/女性)

無計画な買い物はムダが出やすいと考えることができます。また、食材を計画的かつ、臨機応変に使っておかずを作ることで食費節約につながります。

価格の安いものを買って節約するコツ

【回答者の声】
「自分の中で、価格のボーダーラインを設け、それ以上の価格の時は買わない」(31歳/女性)

その日限りの特売品や旬の食材を取り入れると食費節約につながります。自分なりに買う、買わないの基準となる値段(基準値)を持つことは食費節約や予算を守るためには大切なポイントと言えるでしょう。PB商品を基準値の目安とするとわかりやすいです。例えば、ナショナルブランドの商品が特売になっている時に、PB商品よりも安くなってれば買い!そうでなければ見送り、などと決めると判断しやすくなりますよ。

外食を減らして節約するコツ

【回答者の声】
「外食は省力目的では安易に利用せず、楽しみとして利用することにしている」(51歳以上/女性)

外食は自炊の5倍お金がかかると言われるくらい食費を圧迫してしまいます。例えば4人家族でファミレスへ行くと、最低でも6000円の出費は覚悟しなくてはいけません。6000円分の食材がどれくらいの量になって、何日分のおかずになるのかと考えると、気軽に外食へは行けなくなりますよね。外食を減らすためには、お出かけ前に炊飯器にお米をセットして、下味冷凍しておいたおかず用のお肉を解凍しておくなどするとよいでしょう。

無理のない「食費節約」を

いかがでしたか? とにかく食費を安く抑えよう、とあれもこれも節約するのは現実的には難しいものです。「1人あたり月2万円」という予算であれば、無理なく工夫をしながらやりくりしていけそうな金額ではないでしょうか。

食費節約で大切なのは、ルールを決めて、予算を守り、お得に食材を買って最後まで無駄なく、そしておいしく食べきることです。クックパッドのレシピを参考にして、日々の食費をおいししく節約してみてくださいね。

最後に、今回お忙しい中、アンケートにご協力いただきました皆さまにこの場をお借りして、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

<調査概要>
調査テーマ:「食費に関するアンケート」
調査方法:インターネット調査(クックパッドニュースの読者/SNSフォロワーを対象に実施)
調査実施期間:2020年8月24日(月)〜31日(月)
回答者数:254名

丸山晴美さん

旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。
公式ホームページ「らくらく節約生活」はこちら>>

執筆者情報

丸山晴美

旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。

資格

節約アドバイザー、FP、ファイナンシャルプランナー(AFP)FP技能士2級、消費生活アドバイザー、調理師、宅建士(登録)

webサイト・SNS情報

公式HP:らくらく節約生活 https://www.maruyama-harumi.com/
ゆとりうむプロジェクト理事https://yutorium.jp/

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