クックパッドニュースの人気連載、「材料4つで作る本当においしいお菓子」が待望の書籍化! 著者のお菓子研究家・福田淳子さんに、アメリカのクリスマスのお菓子についてお聞きしました。アメリカではポピュラーな「キャンディケーン」のレシピもご紹介します。
まとまった休みをとって旅に出かけるのが、自分への1番のごほうびです。ここ数年は毎年アメリカの友人宅で1ヶ月くらい過ごしています。自然とアメリカの食文化には詳しくなりましたが、いろんな驚きがあります。日本とはお菓子の好みも全然違いますね。
例えば日本ではクリスマスケーキと言えばいちごがのったショートケーキを思い浮かべますが、アメリカにはこういう定番のクリスマスケーキのようなものはありません。いつも食べているチョコレートケーキやチーズケーキ、カップケーキがクリスマスらしいデコレーション仕様になるぐらい。基本的にはケーキはいつもと一緒です。
一般的なアメリカのケーキはとにかくインパクト重視(笑)。見た目もゴージャス、味わいもガツンと甘く、わかりやすい感じです。あと、サイズが大きい! とにかく派手で、甘くて、大きいのがクラシカルなアメリカのお菓子っぽいなと思います。
地域によっても違いますが、クリスマスにアップルパイやパンプキンパイ、チェリーパイなどの定番のパイを焼くおうちもあります。もちろん、シュトレンやパネトーネなど海外発祥のクリスマスのお菓子も売っていますが、みんなが食べる、というわけでもありません。定番がないのが、アメリカのクリスマスケーキなんだと思います。
お決まりのクリスマスケーキはないけれど、この時期定番のお菓子はあります。アメリカでよくクリスマスに食べられるのがクッキー。アイシングされたジンジャースパイスクッキーや、ショートブレッド、チョコチップクッキー、スノーボールなどがたくさん売られています。
これには理由があって、アメリカではクリスマスの日にツリーの下に、クッキーとミルクをサンタさん用に置く習慣があるのです。「サンタさん来てくれてありがとう」の感謝のしるしだそう。子どもたちはみんな、サンタさん宛に手紙を書いて、それも一緒に添えられます。なので、こどもがいる家はクッキーを手作りすることも。
アメリカでは「クリスマス用のクッキー手作りキット」みたいなのがお店にたくさん並びます(そしてこれが、瓶に入っていてかわいい!)。
アメリカに来て、はじめて食べたクリスマスのお菓子もあります。それが「キャンディケーン(candy cane)」です。あのクリスマスの赤と白のしましまのステッキです。存在は知っていましたが、それは絵本とか、イラストの世界のものでした。アメリカにはこのキャンディケーンが売っているのです。味は決まってミントフレーバー。
定番のお菓子も、ホリデーシーズン限定でキャンディケーン味のお菓子がたくさん発売されます。 日本で初夏に、抹茶フレーバーのお菓子がたくさん出てくるようなイメージでしょうか。
キャンディケーン自体もたくさん売っていますし、このキャンディを砕いたものがいろんなものにトッピングされて売られています。一番の定番はチョコレート。ダークチョコレートにホワイトチョコレートを重ね、ここに砕いたキャンディケーンをトッピングします。このチョコは「ペパーミントバーグ」という名前で、この時期になるといろんなメーカーから様々な商品が並びます。
キャンディケーンが手に入ったら、ペパーミントバーグを作ってみましょう!
作り方はとっても簡単。ミントキャンディがいいアクセントになります。割ったものをそのまま食べても美味しいですし(コーヒーによく合います)、カップケーキなどのお菓子のトッピングにしてもかわいいですよ。
チョコレート(ビター)…150g
チョコレート(ホワイト)…150g
キャンディケーン…適量
1.ビターチョコレートは細かく刻み50度以下の湯煎で溶かす。オーブンシートに広げて、固まるまで冷蔵庫で冷やす。
2.ホワイトチョコも細かく刻み40度以下の湯煎で溶かす。1の上に広げて、砕いたキャンディケーンをトッピングして冷蔵庫で冷やす。固まったら手で割る。保存するときは冷蔵庫で。
この赤白のキャンディケーンのトッピングを見たり、食べたりするとなんとなくクリスマスの空気感が頭に思い浮かびます。私でさえそうなのですから、アメリカに住んでいる人にとっては、キャンディケーンはきっとクリスマスの記憶としっかりと結びついているのでしょう。
クックパッドニュースの人気連載がついに書籍化! これまでの連載で公開された人気レシピに加え、アレンジレシピや新規レシピもご紹介。作り方の手順だけでなく、失敗しないコツやおいしく仕上がる理由がよくわかるポイントもていねいに解説します。
ホットケーキミックスを使わなくても、小麦粉、卵、砂糖、生クリーム、バターなど、手に入りやすいシンプルな材料だけで、本当においしいお菓子が作れますよ。
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お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順で美味しく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda