【コメルコバナシ】今回は、調味料、食材、料理道具、うつわやカトラリーなどの“料理が楽しくなるモノ”が買えるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ)』編集部に、自宅でできる珈琲豆の焙煎方法を教えてもらいました。珈琲のあの魅力的な匂いが家に立ちこめると、幸せな気持ちになりますよ。
こんにちは! Komerco編集部です。
珈琲好きなら、一度は「自宅で焙煎ができたら…」と考えたことがあるのではないでしょうか。珈琲の焙煎は「専門の機械が必要?」「難しそう」というイメージがあり、お店でするものだと思ってしまいがちですよね。しかし実は、珈琲の焙煎は自宅でも簡単にできます。
今回は、自宅でできる焙煎方法についてお伝えします。
普段わたしたちが飲んでいる珈琲は、珈琲の生豆を焙煎し、焙煎された豆を挽いて粉にしたものを抽出しています。
よく目にするのは黒褐色となった豆や、すでに粉の状態になったものでしょう。しかし、焙煎前の生豆は薄い緑色をしています。生豆が焙煎によって茶色や黒褐色となり、焙煎の度合いによって味の深さが変わります。
それでは、焙煎の基本についてみていきましょう。
焙煎とは、生豆に加熱処理をすることです。
珈琲の生豆は水分を多く含んでおり、そのまま食べても珈琲の味はしません。しかし、生豆を焙煎することで水分が抜け、成分の化学反応が起きます。これにより、珈琲の酸味や苦味、香りなどが引き出されます。
焙煎にかける時間や火加減により味に変化をもたらすため、焙煎は珈琲における大切な工程といえるでしょう。
先述したとおり、焙煎という工程は具合によって風味が異なります。焙煎の深さを大きく分けると、以下の4つです。
・浅煎り
・中煎り
・深煎り
・極深煎り
浅煎りは焙煎時間が短く、酸味が強く苦味が少ない風味になります。反対に、深煎りは焙煎時間が長く、風味は苦味が強く酸味は少なくなる点が特徴です。
焙煎の深さは、さらに細かく8つのレベルに分けられます。8つの焙煎度とその特徴は次の通り。
【浅煎り】
・ライトロースト
焙煎時間が最も短く、珈琲豆本来の味が感じられます。酸味がとても強く、コクや風味はほとんどありません。
・シナモンロースト
苦味がなく酸味が強いため、麦茶のような味わいです。
【中煎り】
・ミディアムロースト
やや酸味が強いですが、苦味も少し感じられる軽めの珈琲です。ミルクと合わせるとミルクティーのような味わいになります。
・ハイロースト
やわらかい酸味とマイルドな苦味があり、コクも出てきます。カフェや家庭で一般的に飲まれる多くの珈琲がハイローストなので、馴染みがあり飲みやすい焙煎度でしょう。
【深煎り】
・シティロースト
酸味と苦味のバランスが取れており、コクがあります。ハイローストと同じく、多くのカフェや家庭で飲まれている焙煎度です。
・フルシティロースト
苦味とコクが強く、酸味が少ない焙煎度。エスプレッソやアイス珈琲の豆としても使われています。
【極深煎り】
・フレンチロースト
酸味はほとんどなく、苦味が強くなります。最もコクが感じられ、エスプレッソの豆やカフェオレなどに使用されます。
・イタリアンロースト
焙煎時間が最も長く、苦味が強調される焙煎度です。酸味はほとんどなく、フレンチローストと同じくエスプレッソやカフェオレに使われます。
難しそうに思える珈琲の焙煎ですが、実は自宅でも簡単に行うことが可能です。ここでは、自宅での焙煎方法をご紹介します。
自宅焙煎の手順は、以下の5つです。
焙煎の手順とあわせて、おすすめの道具についてもご紹介していきます。
まずは、必要な材料と道具を準備しましょう。
<材料>
珈琲生豆(100〜150g程度)
<道具>
・焙煎器具(フライパンや行平鍋、手網)
・軍手
・ガスコンロ
・ザル
・ドライヤーまたはうちわ
焙煎はご家庭にあるフライパンや行平鍋、手網で簡単にできます。手網はふたがついたものなど、焙煎専用の手網を使用すると便利です。
材料と道具をそろえたら、つぎは生豆を洗いましょう。
珈琲生豆には、『シルバースキン(チャフ)』と呼ばれる薄皮がついています。このシルバースキンは精製の過程で取り除かれますが、一部残ってしまうこともあります。シルバースキンが残っていると焙煎中に飛び散り、後片付けが大変になってしまうため、多少は取り除いておくと安全です。
生豆を洗ったらキッチンペーパーで水気を取り、乾燥させましょう。
生豆の準備ができたら、いよいよ焙煎です。ここでは行平鍋を使った焙煎の方法をご紹介します。
行平鍋に生豆を入れたら、軍手をして火にかけましょう。火の強さは中火にし、まずは生豆に残った水分を抜く、蒸らし焼きを行います。
火から30cmほどの高さで水平に行平鍋を持ったら、豆全体に熱が行き渡るように木べらで時々かき混ぜながら、行平鍋を揺すり続けましょう。3〜5分ほどで薄皮が取れるので、薄皮を落とすように行平鍋を振ってください。豆が色づいてきたら、火力を上げます。
豆が色づいてきたら、行平鍋に蓋をして、爆ぜるまで引き続き煎ります。「爆ぜ(ハゼ)」とは、焙煎により豆の内部が膨張し割れたときに出る音のことです。このときに出る音で、浅煎り〜極深煎りを決めていきます。
まず、焙煎開始から10分ほどで「パチパチ」と、はじけるような音が聞こえてきます。これが『1爆ぜ(イチハゼ)』です。1爆ぜのはじめだとライトロースト、ピークがシナモンロースト、終わりごろがミディアムローストくらいの焙煎度となるでしょう。
1爆ぜから約2〜3分で、2爆ぜ(ニハゼ)が起きます。2爆ぜは「チリチリ」という音がし、煙が立ちはじめます。焙煎度は、2爆ぜのはじめがシティロースト、ピークでフルシティロースト、後半がフレンチロースト、終わりごろがイタリアンローストです。ちなみに中煎りのハイローストは、1爆ぜ〜2爆ぜの間です。
この「爆ぜ(ハゼ)」で出る「パチパチ」「チリチリ」という音を聞き分けて、お好みの焙煎具合を決めましょう。
最後は冷却です。
好みの焙煎度になったら火からおろし、行平鍋に入った豆をザルにうつします。すぐにドライヤーやうちわで焙煎豆を冷やしましょう。冷却時間が長いと焙煎が進んでしまうため、短時間で一気に冷却します。
その後、粗熱が取れれば完成です。
自宅焙煎は難しいイメージですが、実は家庭にある道具で簡単にできるものです。自宅で焙煎をすれば、お店では出せない自分だけの珈琲が楽しめます。
おいしい珈琲は心に安らぎを与えてくれます。その一杯を最高のものにするためにも、自宅で焙煎をはじめてみませんか?
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