【おいしい! スペイン田舎暮らしvol.2】自然豊かなスペイン北部の村で暮らし始めて10年になる、クックパッドアンバサダーのmalcoco07さん。地元の食材を使った昔ながらの手作りの食を伝えてもらいます。
スペイン北部のナヴァラ州にある、人口100人ほどの小さな村で暮らすクックパッドアンバサダーのmalcoco07さん。持ち前の食への愛と好奇心で、現地の方から地元の郷土料理を教わり、伝える活動をしています。今回は、スペインの定番家庭料理「トルティージャ」の作り方や魅力について伺いました!
malcoco07さん:「トルティージャは、基本は卵とジャガイモ、塩、オリーブオイルで作るシンプルなオムレツのこと。1日に5回食事するスペイン人は、朝食を除き、どの時間帯もトルティージャを食べています。誕生日会、ピクニックなどの持ち寄りの食事会があれば必ず誰かが持ってくるほどの定番メニューなんです。
作り方はシンプルで難しくありませんが、サイコロ状や半月切りなどジャガイモの切り方や、入れる具材に作る人のオリジナリティが出ますね。
具材のアレンジは無限!野菜はきのこ類、ピーマン、アスパラガス、ナス、ズッキーニ、ほうれん草など、他にもチーズや生ハム、チョリソーを入れることもあります。
特にこだわりが出る具材が、玉ねぎ。トルティージャに玉ねぎを入れるかどうかは、常に熱い討論になるほど重要なポイントなんです!
火を通す加減にも作る人のこだわりが出ますね」
スペインのさまざまな家庭でトルティージャ作りを体験したmalcoco07さん。ぜひ、おすすめのレシピや作り方のコツがあれば教えてください!
malcoco07さん:「材料3つで作るシンプルなレシピです。レシピ通りだと分量が多いので、最初は半量で作るのがおすすめ。
しっかり火を通せば、冷蔵庫で2日ほど保存でき作りおきできるので、コツが掴めたらぜひ卵8個を使って作ってもらえたら!おいしくてあっという間に食べてしまうはずですよ!
コツは生地をひっくり返す工程で、フライパンより少し大きめの縁のないお皿や、フライパンを2つ使うこと。そうすれば失敗せず上手にひっくり返せますよ!
工程で驚いたのが、ジャガイモの調理の仕方。スペイン人は普段からまな板を使う習慣がないので、ジャガイモをマジックの様にササッと空中で切るんです。実際にスペイン人の義母もまな板を使わずに作っていて、最初その美しい所作に見とれてしまいました」
卵8個で作るトルティージャは迫力がありそうですね!食べる時は、ケーキのように放射線状に切り分けてシェアするそう。おすすめの食べ方はありますか?
malcoco07さん:「切り分けた後、子どもたちはケチャップを付けて食べていますね。他にもマヨネーズやトマトソースに、タバスコやアレグリアと呼ばれるトウガラシの一種を加えてピリ辛で味わうのもおすすめ。我が家では熱々にしたチーズを乗せて食べるのが定番で、家族みんな大好きな食べ方です。
外食時は、パンが添えられるのが一般的。
バルではトルティージャにフォークを刺して提供するお店が多く、最初に見た時はその斬新なアイデアに驚きました。
日本のおにぎりの様にいろんなアレンジが出来るのがトルティージャの魅力!季節の野菜を加えることによって、その時期の旬のトルティージャになるので、アレンジを楽しんで飽きずに作ってもらえれば嬉しいです」
malcoco07さんのトルティージャのレシピを見ると、盛り付けるお皿も素敵ですね。
malcoco07さん:「これはトルティージャ皿と言って、ひっくり返す工程で器具として使えるように高さがあるうつわです。盛り付けて食卓に出すと、他の食事より少し高い位置に置けるので見映えするんです。
スペインも日本のように、各地に陶器の名産地があり、北は白地にシンプルなカラー、南は色を強調したカラフルな柄のうつわなど、エリアによって特徴があります。ぜひスペインにいらっしゃる時は、お気に入りの一枚を見つけてもらえたら嬉しいです!」
malcoco07さんのレシピは、レシピ写真の背景にスペインの雄大な風景や、カラフルなうつわが写っているのが特徴!みているだけでスペインを旅しているような気分が味わえます。ぜひmalcoco07さんのキッチンをチェックして、お気に入りのレシピを見つけてみてくださいね。
スペイン在住のクックパッドアンバサダー。
日本で調理師免許を取得し、日本、オーストラリア、スペインでの飲食店勤務後、現在はスペイン北部のナヴァラ州の小さな村で、地元の豊かな自然、食材、人々と触れ合いながら食文化を探求中。地元の人やスペイン在住の日本人向けに料理教室を主宰するなど、日本の食文化普及の活動もしています。
現地で手に入る食材を駆使して、お味噌や梅干しも仕込んでいるそうですよ。お住まいのアパートの窓から、毎日絵画のような絶景が見られるそう。