cookpad news
インタビュー

GW中、再びピンチに!?「牛乳の廃棄問題」について農林水産省の人に聞いてみた

2021年の年末、農林水産省が牛乳の廃棄を防ぐために「いつもより多めに牛乳を飲みましょう!」と呼びかける様子が話題になっていましたが、今年の春もその危機が再び押し寄せているというのです。「牛乳の廃棄問題」はなぜ起こるのでしょうか? その理由を農林水産省の畜産局牛乳乳製品課・三原 亙さんに聞きました。

――どうして定期的に、牛乳(生乳)廃棄の問題が起こるのでしょうか?

それは学校給食に関係しています。以前、牛乳が廃棄されるかもと話題になったのが2020年春と2021年冬。テレビや新聞などでも大きく取り上げられ、昨年末には岸田首相が「牛乳を飲んで!」と呼びかけるニュースを見たという人も多いのではないでしょうか。日本で飲まれている牛乳の1割が学校給食で出されており、2020年春はコロナの影響で突然学校が休みになったため、生乳の行き先がなくなってしまいました。結果として、みなさんのご協力のおかげで、これまで生乳の廃棄は起きていません

――2021年の冬も学校の休みが影響しているのですか?

はい。冬休みで学校給食がなくなるということに加え、寒いと牛乳を飲む人が減るため、毎年、年末年始は牛乳が余りがちなんです。牛乳消費量は気温によっても大きく変わります。


飲用牛乳の消費量(出典:牛乳乳製品統計)

――春になると牛乳を飲む人が増えるのでは?

春先の気温は、牛にとっては快適で生乳生産が好調になります。しかしあまり暑くないので、みなさんのどが乾かず、消費はあまり多くありません。


生乳生産の季節変動(出典:牛乳乳製品統計)

――でも、昔は学校が休みに入るたびに「牛乳を飲もう!」とは言っていなかったような…

そうですね。過去にも生乳が余ったことがありますが、ここ何年かは生乳の生産量が少なかったため、余ることはありませんでした。ですが、バター不足以降積極的に進めていた生乳生産の増大の取り組みが功を奏し、近年は生乳生産量が増えました。去年あたりから季節によっては需要を上回るようになったため、牛乳が余っていると言われるようになっています

――牛乳を作りすぎてしまったということですか?

生乳の生産量が増えているなかで、新型コロナの影響により飲食店などの業務用の需要が弱かったことも影響しています。通常、需要を上回った分はバターやチーズに加工することで有効活用していますが、今回はその量が多すぎて、バターやチーズを作る乳業工場で受け入れきれなくなることが心配されました。これが、「牛乳が廃棄されるかもしれない」として話題にされました。


近年の生乳生産量の推移(出典:牛乳乳製品統計)

――牛乳の生産量を減らすことはできないのでしょうか?

生乳は需給のコントロールの難しい品目です。まず、乳は急に増やしたり減らしたりできません。酪農家がお乳を出す牛を増やそうと決めると、まず、メス牛を多く産ませるようにしていきます。このとき、妊娠期間が約10ヶ月かかり、生まれてからその牛が妊娠・出産し、お乳を出すようになるまでさらに約25ヶ月がかかります。このため、生乳生産を増やそうと決めてから、実際に増えるまで約35ヶ月、つまりほぼ3年がかかります。このため、生乳が不足しているから増やそう! と思っても、実際に増える3年後には状況が変わってしまっていることもよくあります。

――生乳が捨てられると、具体的にどういった問題が起こるのか教えて下さい。

せっかく搾った生乳がそのまま捨てられるのは、もったいないということはもちろんですが、生産した酪農家さんの士気も下がることも心配されます。最近は生乳が不足していたことを受けて一生懸命酪農家さんが牛の頭数を増やしたところなので、努力してせっかく生産を増やした生乳を無駄にしたくない、と言う気持ちが大きいと思います。

――それでは私たち一般消費者は、何をすれば生乳廃棄の危機を救えますか?

牛乳を少し多めに飲んだり、ヨーグルトやモッツァレラチーズなどのフレッシュな乳製品を積極的に食べたりしていただくといいと思います。

「牛乳」をたくさん消費できるレシピ

また、農林水産省の職員が家で作った牛乳料理を、JミルクのTwitter・Jミルク放送部で毎日投稿しています。「#牛乳料理部」で検索すると出てくるので、そちらもチェックしてみてください。そしてぜひ、ご家庭で牛乳の料理を作ったら、クックパッドへレシピを投稿したり、「#牛乳料理部」のタグでつくれぽ(つくりましたフォトレポートのこと)をつけてください。みなさんで、おいしい牛乳料理を楽しみましょう!

(TEXT:河野友美子、メイン画像提供:Adobe Stock

2022年・春「#牛乳料理部」 始動!

農林水産省の「牛乳料理部」が、日替りで牛乳・乳製品を使った料理にチャレンジ。どんな料理を作っているのかを、Jミルク放送部が毎日紹介しています。

クックパッドの公式アカウントも牛乳料理部に参加中!

みなさんも、牛乳・乳製品を使った料理を作ったら、ぜひハッシュタグをつけてクックパッドやTwitterに投稿してくださいね。