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【現役医師が直伝】人生が変わる“痩せる“朝ごはん「セカンドミール効果」って?

【話題のダイエット本、試し読み Vol.19】ちまたに溢れるダイエット本、ゴールはみんな同じですが、そこにたどり着くための方法は本の数だけ存在しています。本連載では、話題のダイエット本のメソッドを編集部がダイジェストでご紹介。ご自分にぴったりのダイエット本を、ぜひ見つけてみてくださいね。

現役医師が提案する、痩せる朝食メソッド

今回ご紹介する本『お医者さんが考えた痩せる朝ごはん』三空出版)は、朝食習慣のノウハウと、すぐに取り入れられる朝食レシピを紹介するダイエット本です。

著者は、生活習慣病の予防と治療を得意とする循環器専門医の大塚亮さん。勤務医時代の不規則な食生活と食事を見直し15キロ以上のダイエットに成功した体験や、日頃の栄養指導で培った知識を本書内で解説しています。

カロリーオフより血糖値コントロールが正解!

ここ30年で肥満の悩みを抱える人は世界的に急増。大塚さんによれば、「糖質の摂取量が圧倒的に増えたこと」が原因だそう。

糖質をとり過ぎれば、血液中に糖が増えて血糖値が急上昇。これを一定に保つために血糖値を下げるホルモン「インスリン」が血液中の糖を脂肪に変える働きを行い、肥満体質になることはよく言われていますよね。

痩せるためには単純に「糖質を減らす」だけではなく、1日の中で「血糖値をコントロールすること」が重要で、そのカギとなるのが毎日の朝ごはんにある、と語る大塚さん。

食欲や時間がないからと朝食を抜く人も多いですよね。でも、空腹が長時間続いた後の食事は、食後の血糖値を急上昇させる「血糖値スパイク」を引き起こし、糖尿病はもちろん、脳梗塞、心筋梗塞、がん、認知症の原因になることも。この「血糖値スパイク」を防ぐのが、バランスのいい朝ごはん。朝ごはんならなんでもいいというわけではなく、朝食で特に重要なのが、食物繊維なんだとか。食物繊維をたっぷりとることで、血糖値の上昇がゆるやかになり、1日の血糖値を穏やかに保ってくれるのだそう。

二回目の食後の血糖値にも効果あり!一石二鳥の「セカンドミール効果」

朝ごはんで食物繊維を摂取すると、食後の血糖値の上昇がゆるやかになるだけでなく、実は、その作用は昼ごはんの後まで続きます。これが「セカンドミール効果」と呼ばれる作用

例えば、時間がないのでランチはおにぎりやサンドイッチ、丼ものや麺類など、糖質の多い炭水化物に偏りがちですが、食物繊維の多い朝ごはんを食べていれば、糖質過多の食事をしても血糖値の急上昇が防げるのです。

一度の食事が次の食後の血糖値上昇にも効果的と一石二鳥な朝食。それなら必ず食べておきたいですね。

食物繊維摂取に最適な食材が「もち麦」

では、どんな食材が食物繊維摂取に効果的なのでしょうか?大塚さんがおすすめする食材が「もち麦」。白米の約25倍の食物繊維を含んでいるので、「痩せる朝ごはん」には最適です。

食物繊維の理想的な摂取量は1日20g前後で、朝食では5g以上とれると効果的なのだとか。でも摂取量をどう摂取するか悩みますよね。本書のメリットは、そんな理想的な食物繊維の摂取量が補える1ヶ月分の「痩せる朝ごはん」献立とレシピが紹介されていること。読めばすぐに生活に取り入れることができますよ。

サラサラと食べられて胃もたれのない、雑炊献立

今回は本書から、おすすめ食材もち麦を使った朝食レシピをご紹介します。10分以内で作れる簡単レシピが嬉しいですね!

蒸し鶏と水菜の梅干し雑炊

食べると身体が温まる雑炊はこれから寒くなる季節に活用してくれそう。甘辛な副菜が雑炊とベストマッチ。

栄養バランス

食物繊維……3.4 g
糖質……36.7 g
たんぱく質……16.9g

材料(1人分)

もち麦ご飯……1杯(100g)
水菜…… 1/4束
鶏ささみ……1枚
梅干し……1個
A
しょうゆ…… 小さじ1
みりん…… 小さじ1
だし汁…… 300ml

作り方

1. 水菜は洗って3cm幅に切る。鶏ささみは筋を取り細切りにする。

2. 鍋にAと鶏ささみを入れて中火にかけ、煮立ったらご飯を加え、弱火にして3〜5分煮る。

3. 水菜を入れて混ぜ一煮立ちさせ、梅干しをのせる。

こんにゃくとえのきの甘辛炒め

栄養バランス

食物繊維……3.6 g
糖質……11.4g
たんぱく質……2.8 g

材料(2人分)

こんにゃく(下ゆで不要タイプ)…… 1枚(150g)
えのき……1/2株
A
しょうゆ……大さじ2
みりん……大さじ1
砂糖……大さじ1

ごま油……小さじ1
一味唐辛子……少々

作り方

1. こんにゃくはさっと洗って、手かスプーンを使って一口大にちぎる。えのきは石づきを取り3等分に切ってほぐす。

2. フライパンにこんにゃくを入れて、中火にかけ、油をひかずに炒める。

3. こんにゃくの水分が飛んでキュルキュルと音がしてきたらごま油を入れさっと炒め、えのきも加えてさらに炒める。

3. Aを加えて汁けが少なくなるまで炒める。

3. 器に盛り、一味唐辛子を振る。

バラエティに富んだレシピで、健康的な朝食作りが継続できる!

本書では、「パン」、「ご飯」、餅やショートパスタなどの「その他」と、三カテゴリの主食を織り混ぜ、1ヶ月31日分の朝食献立とレシピが掲載されています。

豊富なレシピから自宅にある食材や気分、時間の余裕に合わせて朝食を作れるので、食物繊維が豊富な健康的な朝食を継続できるのが嬉しいですね。

著者の大塚亮さんから、ダイエット中のクックパッドニュース読者へ向けたメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

「ダイエットのために朝食をとらなかったり、カロリーや糖質を気にして食事しているのになかなか痩せられない方は多いと思います。実は痩せるためには、食事を抜いたり、単純にカロリーや糖質を減らすだけではなく、1日の中で血糖値をコントロールすることが重要です 。そしてそのカギを握っているのは毎日の朝ごはん。朝ごはんにとるべき食材、栄養素を知れば「セカンドミール効果」を利用して血糖値も安定し、痩せやすい体質をえられるようになります」(大塚さん)

何からしていいかわからないダイエット初心者も、糖尿病など健康を本格的に意識する方も、本書のレシピやノウハウを真似て、朝食を習慣化することで「健康的に痩せる」生活が実践できそうですよ。気になった方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。

(TEXT:小菅祥江)

※ メイン写真はこちらの記事をイメージして選定させていただきました
画像提供:Adobe Stock

『お医者さんが考えた痩せる朝ごはん』三空出版

朝ごはんを手軽に済ませたり、抜いてしまったりとあまり朝ごはんに時間をかけられない方も多いのではないでしょうか。実は痩せるためには単純に糖質を減らすだけではなく、1日の中で血糖値をコントロールすることが、重要だったんです 。そしてそのカギを握っているのは毎日の朝ごはん。 朝ごはんを変えるだけで、どの年齢の人でも人生が変わります。

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