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コラム

腸活だけではなく、実はダイエットにも!?1日2本のバナナで痩せやすくなる「バナナ腸活」って?

冬の不調は「継続できる腸活」で対策を

寒さによる体調変化だけでなく、受験の追い込みや年度末を控えた忙しさなど、この時期は心身ともに負担や疲労が増えがち。不調を避けたい時に意識したいのが、体内の免疫機能の7割が集まっている腸内環境です。

「腸内環境を改善するためには継続が最も大切」と指摘するのが、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。数々の改善方法を考案した先生が、手軽に食べ続けられると推奨するのが「バナナ腸活」です。

バナナに含まれる、腸活最高の栄養素「レジスタントスターチ」

バナナが腸活において効果的な理由は、「レジスタントスターチ」がたくさん含まれているから。 レジスタントスターチとは、消化されず大腸まで届いて作用する難消化性でんぷんのこと。

本来、腸を整えるには不溶性、水溶性二つの食物繊維が必要不可欠とされますが、この2種類の食物繊維の機能を兼ね備えているのがレジスタントスターチです。善玉菌が腸内に住みやすいよう腸をきれいにし、さらに自らが善玉菌のエサとなり、腸を元気にさせる。「例えるなら、腸活の二刀流といった素晴らしい働きをみせてくれる」と小林先生。また、その効果から食物繊維を超過しているという意味合いで、「ハイパー食物繊維」という異名を持つほど。

バナナで「痩せ体質」も目指せる

バナナ摂取のメリットは腸活だけではなく、実はダイエットにも。先ほどのレジスタントスターチが善玉菌のエサになることで生み出されるのが「短鎖脂肪酸」。短鎖脂肪酸は体の脂肪組織に作用して、脂肪の取り込みを抑えてくれます。そして短鎖脂肪酸により体温や心拍数が上がることで、基礎代謝も上がり、痩せやすくなるとも言われています。

さらに注目すべきは、短鎖脂肪酸が体内に分泌させるGLP-1というホルモン。小林先生曰く、「GLP-1によって、満腹感が持続し、過食を防ぐ効果が期待できる」のだとか。バナナが腸内環境を整えるだけでなく、ダイエットの手助けもしてくれるのなら、ますます食べない理由はなさそうです。

摂取本数は?「バナナ腸活」の正しい進め方

小林先生が行った研究では、バナナを1日に2本、2週間摂取した対象者の約半数に、腸内環境の改善、自律神経の活性化、ストレス改善、気分改善の4つの効果が見られたそう。そのため、バナナ腸活では、1日2本のバナナの摂取を勧めています。

効果を最大限にする「グリーンチップバナナ」

バナナ腸活に最も適しているのが、茎の部分に緑色が残っている「グリーンチップバナナ」。レジスタントスターチの含有量はバナナが成熟するにつれて減少するため、茎まで黄色いフルイエローバナナに比べてより高い効果が期待できるそう。

「全体が青めのバナナの方がレジスタントスターチの含有量が多いですが、おいしさと手に入りやすさを考えるとグリーンチップバナナがベスト」と小林先生。

フルイエローバナナでも腸活効果がなくなるわけではないそうですが、効果を最大限にしてくれるグリーンチップバナナを見かけたら積極的に購入したいですね!

グリーンチップバナナの難点はすぐに成熟してしまう点。袋から出し、1本ずつ新聞紙に包んだ状態で冷蔵庫の野菜室で保存すると緑色の状態がキープしやすいそうですよ。

包丁いらずですぐに食べることができ、低価格で入手しやすいバナナ。これだけ手軽な条件が揃っているなら、無理なく始めて習慣化できそうです。厳しい寒さが続く、今年の冬。体調不良に気をつけたい今こそ、1日2本のバナナ習慣で、健康的な毎日を目指してみてはいかがでしょうか。

(TEXT:小菅祥江)
※ メイン写真はこちらの記事をイメージして選定させていただきました
画像提供:Adobe Stock

取材協力:小林弘幸(こばやし・ひろゆき)

順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」。
健康的な習慣を少しずつでも実践してほしいという思いから、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介やストレッチの考案など、さまざまな形で健康な心と体の作り方を提案している。
『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

取材協力:株式会社ドール

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