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コラム

3年前まで料理未経験!ケンティー健人が460万人以上が注目する「料理アカウント」に成長したワケ

だれウマ

簡単料理研究家。ダイエット料理研究家。

TikTokで人気を集める“料理系TikTokクリエイター”のケンティー健人さん(以下、ケンティーさん)。動画ではとても手際良くおいしそうなお料理を作りあげていくケンティーさんですが、実は3年前までは料理は全くの未経験だったそう!この数年で、料理未経験者から460万人のフォロワーを持つ“料理系TikTokクリエイター”になったケンティーさんに、その成長の秘密を聞きました。

33歳、初めての一人暮らしをきっかけにはじめた自炊

――3年前まで料理未経験だったというのは本当ですか?

はい。ずっと実家暮らしだったので、料理に興味を持つきっかけがありませんでした。また、僕は結婚歴があるのですが、その当時は婿に入って奥さんの実家で同居をしていたので、料理をする機会がないまま過ごしてきました。33歳にしてようやく一人暮らしをはじめることになったので、それを機に自炊をはじめることにしました。なので、料理をはじめたのは一人暮らしがきっかけなんです。

――33歳での自炊デビュー。最初に買った調理器具はなんですか?

フライパンと小鍋、包丁。あと、計量スプーンを買いました。だれウマさんの「極上ずぼら飯」というレシピ本を買って作り方を見たら、必ず「小さじ1」とか書いてあるので、これは買わなくちゃいけないと思って。調味料は、レシピによく出てくるものから買い揃えました。

――最初に作った料理はなんですか?上手にできましたか?

親子丼を作りました。おばあちゃんがよく作ってくれていた思い出の味で、自分でも作れるようになりたいなと思っていたから、最初に作るのは親子丼と決めていました。初めて作ったときからおいしくできたんですけど、それは、レシピ本通りに作ったから。調味料も手順も書いてある通りに作れば、自分でもこんなにおいしく作れるんだ!と思いました。

自撮り動画に変えて100万再生!

――自炊をはじめてから、TikTokに料理動画を投稿するようになった経緯を教えてください。何かきっかけがあったのでしょうか。

動画配信には以前から興味を持っていたのですが、ずっと実家暮らしだったので撮影する場所がなくて挑戦できていませんでした。一人暮らしをはじめたことで、撮影ができる環境ができたので、せっかくなら毎日続けている自炊を投稿してみようと思ったのがきっかけです。最初の頃の投稿は、料理をする過程ではなく、完成したものを15秒ほどの動画で見せるものでした。そこから、完成したものを食べる動画、テキストでレシピを載せるものなど、いろいろと試行錯誤して今の形になりました。

――レシピ系の動画に変更したのはなぜですか?

「レシピを教えてください」という問い合わせが来るようになったからです。テキストでレシピを載せた動画配信を1年ほど続けると、たまに動画がバズるようになっていきました。見ている人に、「おいしそう! 作ってみたい!」と思ってもらえるような動画だと50万回再生いったりするのですが、そうじゃないと1万回再生で終わるものもあって、再生数が安定しないことに悩んでいるときに、今の事務所からスカウトを受けて動画制作のサポートを受けるようになりました。

――460万人が注目する料理アカウントに成長するまでには、どのような試行錯誤を重ねてきたのでしょうか。

事務所の方からのアドバイスを参考に、自分がTikTokを見ていて目に止まる動画を研究しました。料理をしている人の動画をよく見ていたのですが、よほどおいしそうなものを作っていないとじっくり見ないんですよね。でも、人が出てきて料理を食べている動画はすごく興味が沸いたんです。そこで、料理をメインに出していた動画を自撮りスタイルに変えてみたところ、1本の動画が100万再生を超えたんです。それを機に、海外からの視聴者も増えていきました。

――これから、料理動画を配信したいと考えている方のために、特別に動画作りのポイントを教えていただけますか?

動画を作るときにやりがちなのが、文字をたくさん入れること。文字がたくさんあると、視聴者の方はどこを見ればいいのかわからず、結果的に伝わりにくい動画になってしまいます。文字で説明したい内容は、動画内にテキストをいれるのではなく、キャプションやコメント欄で伝えても良いので、とにかく動画を最後まで見てもらえるように作ることが大切です。動画に少しストーリーがあると見ていて楽しくなるので、ぜひ意識してみてください。

70万以上が「いいね!」した肉巻きおにぎり

――ケンティーさんがこれまで紹介している料理の中で、最も反応が良かったレシピを教えてください。

肉巻きおにぎりの動画です。ありふれたレシピなのですが、ごはんを細長く握ったおにぎりに豚バラ肉を巻きます。高速道路のサービスエリアで、串に刺さった肉巻きおにぎりが売られていて、それを真似してみたんです。醤油、砂糖、みりんの味付けでとてもおいしいですよ。

@kentycook Pork wrapped rice ball 🐖🍙 <a title="food" target="blank" href="https://www.tiktok.com/tag/food?refer=embed">#food ♬ 逃避行 - imase

――TikTok LIVEの配信も積極的に行われていますが、配信するようになったきっかけや、配信する際に意識されているポイントなどを教えてください。

TikTokをはじめて半年後くらいから細々と続けています。もともと人と話すと話すのが苦手なので、うまく話せるかすごく不安でしたが、質問をしてくれる方やコメントで盛り上げてくれる方がいるので、話し下手の私でも続けられています。1人でごはんを食べるのが寂しいので、LIVE配信をしながらごはんを食べるのがルーティンになっています。質問に答えたり、視聴者さんに質問をしたりして楽しいです。

17年働いた会社を辞めて動画クリエイターへ

――昨年、17年間勤められた会社を退職されたと聞きました。「動画制作で生きていく」と覚悟を決めた理由を教えてください。

高校卒業後に就職した会社で17年間お世話になりました。長く続けた仕事ではありますが、正直なところ、「就職したから」という理由だけで続けてきた仕事でした。会社員15年目でTikTokへの動画投稿をはじめたのですが、それからは常に動画のことを考えるようになり、真夜中まで作業をして寝不足になり会社に遅刻をしてしまう……なんてこともありました。そんなときに、事務所のほうから案件などをもらえるようになってきたので、会社員と二足の草鞋ではなく、全部を賭けてみるのもありなんじゃないかと考えて退職を決めました。

――動画クリエイターとして生計を立ててこられたこの1年、どのような苦労がありましたか?

苦労は1つもなかったです。全部自分の時間として使えるので、何も大変なことがないまま1年を過ごしました。会社員時代に比べたら、動画のアイデアを考える時間、撮影、編集をやっても、自由な時間がたくさんあります。逆にだらけてしまうな……という懸念はあるものの、会社員を辞めるという選択をしてよかったと思っています。

――動画クリエイター1本でやっていくことを決断し、その日々が充実しているケンティ―さんから、これから料理をはじめたいと思っている人たちや、自分の料理をSNSや動画プラットフォームなどで発信したいと思っている人たちへアドバイスをお願いします。

料理をはじめたことで、私の人生は大きく変化しました。動画配信だけを仕事にしていくなんて夢にも思っていなかったことが起きました。人生は、何が起こるかわからないので、やってみたいという気持ちがあるのであればぜひやってみてください。料理は、レシピ通りに作ればおいしく作れます。動画投稿は、最初は難しく感じるかもしれませんが、大事なのは、自分の伝えたいことをしっかり落とし込むこと。視聴者さんたちも成長を見守ってくれるし、その反応がモチベーションになり、さらなる上達に繋がります。

(TEXT:山田かほり)

取材協力

ケンティー健人さん(PPP STUDIO所属)

料理×ASMRを軸に、目と耳と食欲を刺激する料理クリエイター。 料理を軸に新しいコンテンツを日々模索していて、海外のファンも急増中。特別に料理の知識が豊富なわけではないが、視聴者に料理の楽しさや、興味を持ってもらえるような動画作りを心掛けている。世界中の方に自分の動画を通して、料理に少しでも興味を持ってもらえることが夢で、ライブ配信も魅力でファンサービスにも定評がある。PPP STUDIO所属。

執筆者情報

だれウマ

簡単料理研究家/ダイエット料理研究家。66万人以上のチャンネル登録者数を誇る料理系のYouTuberでもあり、“だれでもウマく”かんたんに作れる絶品レシピが話題。筋トレ好きで糖質オフダイエットに詳しく、「痩せウマ」チャンネルも開設。地元である関西のメディア出演も多く、若手料理人としてマルチに活躍している。

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