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コラム

重症化すると意識障害も…出掛ける前にできる1番の熱中症予防は「朝ごはん」だった!

【"成功する子"の食事術vol.14】子どもの成長に食事が大切ってことは分かっているけれど、どんなものを作ればいいの?毎日のことだから、悩んでいる親御さんも多いはず。シリーズ累計14万部突破「成功する子は食べ物が9割」の著者・細川モモさんに、20年後に後悔しない子どもの食事術を教えてもらいましょう。

ジメジメとした梅雨も明け、7月に突入!いよいよ夏も本番です。海開き、BBQ、川遊び、花火など、楽しい行事が目白押しの夏がやってきますが、気をつけなければならないのが熱中症。高温の環境にいることで大量の汗をかき、水分や塩分が失われバランスが崩れることで熱中症を引き起こします。熱中症になると、めまいや頭痛、重症の場合はけいれんや意識障害などの症状が現れます。

子どもが1日に必要とする水分量は?

大人は1日に2,400mlの水分を必要としますが、子どもは体重によって必要な水分量が異なります。体重が小さいほど肌や呼気で失う水分が多いため、どれくらいの量をとるべきかは体重がベースになります。あくまで目安量ですが、体重10kg未満ならば1kgあたり100mlが目安量です(8kgなら800ml)。

10kg以上は計算式が変わり、15kgなら1,250mlが必要量です。このうち半分を“食事から”とる必要があります。人体は半分以上が水分でできていますが、その内訳は「体が作りだす水分」「飲料としてとる水分」「食事からとる水分」の主に3つになります。

とくに子どもは注意が必要

高温下にいて身体の中の熱が上がると、血管を収縮させることで熱を体外へ放出したり、汗をかいて体温を一定に保とうとする働きが起こります。しかし、子ども(特に乳児・幼児)は、体温調節機能が発達しきっていません。汗をかく機能が未熟なことにより、体温を下げることができず身体に熱がこもりやすくなります。また、暑さによる身体の変化・不調をうまく言葉にして伝えられないことも多いので、熱中症に気付かずに、気づいた時には重症化して救急車で搬送…なんてことも、実は多いのです。よって、何か異常はないか気にかけながら、子どもの様子をよく観察することが大切です。

熱中症に和食がおすすめな理由

朝自宅を出るまでにできる1番の熱中症予防が、ズバリ「朝ごはん」。ごはんとお味噌汁の食事なら約500mlの水分をとることができます(お米はたっぷりの水で炊くので水分リッチ!)。さらに、果物やお茶を加えれば1食で700mlも水分チャージが可能!パンと目玉焼き、サラダなどの欧米型朝食の水分量は約200mlと半分以下です。

パン中心の朝ごはんならばスープをつける、トマトやきゅうりなどの水分リッチな夏野菜を出すなどして工夫をしましょう。人は寝ている間も大量に汗をかくので、寝起きの体は水分が失われたカラカラの砂漠状態。そのままでは肌や唇がカサカサになるだけでなく、便秘がちになってしまう可能性もあります。汗をかくことがわかっている日は塩分やミネラルを失いすぎないよう、ごま塩おにぎりやお茶漬けなどもおすすめです。

熱中症対策になる朝ごはんのすすめ

熱中症予防にも役立つ朝食の例をご紹介します!

お味噌汁、スープ

水分、塩分を補います。具沢山のお味噌汁にすれば、栄養チャージ+野菜のミネラルやビタミンも摂れる立派な一品に。

冷たいお茶漬け

忙しい朝におすすめなのがお茶づけ。ご飯の上に、鮭フレークや梅干し、桜エビ、しらすなどを乗せてお茶を注ぎ入れるだけ。暑い夏におすすめなのが冷たいお茶やだし汁でつくる、冷たいお茶漬け。暑くて食欲のない朝でも、すっきりといただけます。

フルーツ

フルーツにも、水分やビタミン・ミネラルが豊富です。朝ごはんにフルーツを少しプラスするだけでも、食事から摂れる水分量・栄養はグンとアップしますよ。

熱中症予防にはこまめな水分補給とよく言われますが、「食事をしっかり食べること」も予防につながるのです。しっかりごはんを食べて、暑い夏を乗り切りましょう!

細川モモさんの著書

「成功する子は食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ」主婦の友社

夏休みに入って給食がないご家庭も多いと思いますが、家庭の食事は給食に比べると鉄やカルシウムの摂取量が大きく不足しがちです。給食は1日に必要な栄養素の1/2〜1/3をとることができますが、予算内でそれを実現しています。食材の値上げが続いていますが、節約と栄養管理は両立可能!その秘訣をまとめた「成功する子は食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ本」を夏休み中の子どもの栄養管理にぜひお役立てください。

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。
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