今回はカップ麺の栄養についてご紹介します。カップ麺の栄養やコンビニで手軽に買える食材で栄養バランスを整える方法について、管理栄養士が解説します。
手軽に調理ができるカップ麺。色々な味が発売されていますし、何より簡単に作ることができるので忙しい時に便利ですよね。でもカップ麺だけで栄養は足りているのでしょうか?カップ麺の栄養やバランスを簡単に整える方法を知っておきましょう。
商品にもよりますが、基本的にカップ麺は揚げた麺をしょっぱく味付けしたりスープに入れたりして食べるものです。そのため、含まれている栄養素としては炭水化物、脂質、食塩に含まれるナトリウムが中心となり、特に脂質や食塩が多すぎる傾向にあります。
反対にいえば炭水化物、脂質、ナトリウム以外の栄養はほぼ含まれておりません。商品によっては、たんぱく質やビタミンが添加されているものがありますが、カップ麺だけの食事ではビタミン、ミネラル、食物繊維、たんぱく質が不足するといってよいでしょう。
カップ麺だけの食事でまず問題になるのが脂質と食塩の過剰摂取です。食塩の過剰摂取が続くと、高血圧や心臓病のリスクになるだけでなく、むくみや腎臓へのダメージの原因にもなります。
また脂質の過剰摂取は、肥満や中性脂肪やコレステロールが高くなるといった脂質代謝異常、動脈硬化などの原因になります。
カップ麺には炭水化物と脂質が含まれていますから、体のエネルギー源は摂取することができます。ただし、エネルギー源だけを摂取しても、吸収や代謝をサポートするのに必要なビタミンやミネラルが不足していると、うまくエネルギーにすることができません。
エネルギー代謝がうまくいかないと、肥満、疲労感、食欲不振などの原因になることがあります。また、ミネラルが不足すると骨粗相症や味覚障害など様々な健康問題のリスクになります。
更にたんぱく質が不足すると筋肉量が低下して代謝の低下を招く他、食物繊維の不足では糖尿病のリスクが上がったり、肥満や便秘の原因になったりもします。このように栄養が不足することでも様々なリスクがあるのです。
カップ麺だけだとバランスがとれなくても、1品、2品プラスするだけでバランスは十分に整います。
手軽にたんぱく質をやビタミンをプラスすることができます。コンビニのゆで卵は既に塩味がついていることが多いため、食塩の摂りすぎを防ぐことができるよう、たまご自体に味がついていない温泉たまごが特におすすめです。
カット野菜はレンジで加熱ができるのでカップ麺のトッピングにピッタリです。加熱をすることでカサが減り、量を食べられるので生野菜より効率的に栄養を摂ることができます。
カップ麺だけでは不足するビタミンやミネラルを摂ることができる他、食物繊維も摂ることができます。また、カップ麺だけだとどうしても早食いになってしまい血糖値が急激に上昇、肥満の原因になってしまうのですが、野菜をプラスすることにより早食いも防止することができます。
お湯の替りに牛乳を使うと、カップ麺だけでは不足しがちなたんぱく質やミネラルを補うことができます。味もクリーミーになり、味変も楽しむことができますね。通常の牛乳を使うと脂質が多くなってしまうので、低脂肪か無脂肪タイプのものがおすすめです。
忙しい時は野菜を使った惣菜やヘルシーなサラダを組み合わせても、もちろんバランスは良くなります。但し、出来上がった惣菜にはどうしても塩分や脂質が含まれているので、素材そのものを組み合わせるのが特におすすめです。
今はコンビニも充実していて、冷凍も含め色々な種類のカット野菜があったり、野菜や卵なども売られていることが多いので上手に活用していきましょう。
カップ麺と組み合わせるのに絶対NGな食材はありませんが、バランスを考えるとデザートやおにぎり、サンドイッチ、パンはおすすめできません。これらもカップ麺と同様に脂質や炭水貨物中心の食材なので、組み合わせることで更にバランスが崩れてしまうのです。
カップ麺に限らず何かに偏った食事はバランスが崩れ、様々なリスクの原因になります。ただ、工夫をして食材を組み合わせることで食事全体のバランスをとることはできます。偏りに注意しながら、色々な食材と組み合わせることをぜひ意識されてみてください。
フリーランス管理栄養士。献立・レシピ・栄養バランスが即キマる! 即決バランスクッキングスクール代表。「忙しくてもちゃんと簡単に自炊」をサポートするコンテンツ・レシピを提供。延べレシピ開発数は1400以上。