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オーストラリアで人気!?「ブッシュフード」を知っていますか?

クックパッドニュース編集部

日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部

日本のほぼ真下、南半球に位置するオーストラリアで「ブッシュフード」と呼ばれるオーストラリアの先住民独特の食事が注目され始めているそうです。果たして、ブッシュフードとは何なのでしょうか?その基本情報や注目の理由に迫ってみました。

そもそも「ブッシューフード」って、どんな料理?

ブッシュフードとは、オーストラリアの先住民アボリジニが食べてきた食事や食材のことです。ブッシュとは「未開の自然」を意味し、そこで見つかるカンガルーやクロコダイルなどの野生動物、野菜、天然ハーブ、魚貝などを使った料理を指します。

元々、オーストラリアの料理はイギリス料理をベースに多民族の要素を取り入れた独特なもの。これは、かつてイギリスの植民地であったこと、1980年代から移民を積極的に受け入れたことが大きく関係しています。さらに、近年ではブッシュフードを取り入れるレストランが増え、一般家庭にも広まってきています。

なぜ、「ブッシュフード」は広まりつつあるの?

ブッシュフードを食べるアボリジニは、オーストラリア大陸で5万年以上の歴史を持つ狩猟採集民族です。ただ、今ではオーストラリアの人口約2300万人のうち、アボリジニは全体の2%ほどで3分の2が都市生活者とのこと。すると、影響がでたのが健康面。ある調査によると、食生活が変わったアボリジニはオーストラリア人よりも健康状態が悪く、糖尿病患者が多いという結果がでたそうです。

そこで注目されたのが、アボリジニ本来の伝統的な食事であるブッシュフードです。野生動物の肉はカロリーが少なく、高タンパク低脂肪。また、彼らがよく食べる木の実やベリー類、根、種などには無機質やビタミンなどが豊富に含まれているのです。たとえば、ブッシュフードの1つであるビリーゴートプラムという果実は世界で最もビタミンCの含有量が多いそうです。こうした健康食材としての優れた面と伝統食材としての側面が再び評価され、オーストラリア全土で評判を呼んでいるとのことです。

気になる「ブッシュフード」の調理法とは?

アボリジニの伝統的な調理は、主に「焼く」だけのとてもシンプルなもの。最近では、ベリー類やトマトをジャムやソースにしたり、ハーブ類を香味オイルにしたりして、カンガルー肉に合わせるなど新しい食材としての使い方が模索され始めています。クックパッドにも2品ですが、ブッシュフードと呼べるものがあったのでご紹介しますね。

ブッシュフード食材の定番・カンガルー!!

高タンパク・低脂質・低コレステロールの健康食材。現地では、ジャムや果実のソースに合わせることも多いとか。

アボリジニを救った大豆(?)のサラダ♪

ある食品メーカーさんのCMによると、アボリジニの健康を助けたのは大豆らしいですよ。これなら日本でも簡単に作れそう。

少しはイメージが掴めたでしょうか?オーストラリアでは広まりつつあるものも、日本に伝わるまではまだ時間がかかりそうなブッシュフード。ただ、世界中が健康志向の今、何かのきっかけで大ブレイクすることも充分ありえます。ヘルシーフードのネクストトレンド候補として、是非覚えておいてくださいね。(TEXT:中本タカシ/ライツ)

参考文献:
『世界の食文化⑦ オーストラリア・ニュージーランド』(社団法人農山漁村文化協会)
『多文化国家の先住民—オーストラリア・アボリジニの現在』(世界思想社)

執筆者情報

クックパッドニュース編集部

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