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冬が旬のフグ!知っておきたいフグ中毒の恐ろしさ

冬は鍋物の美味しい季節ですね。中でもフグ鍋は王様クラスといえるのではないでしょうか。お刺身にしても美味しいフグですが、調理には特別な免許が必要です。なぜならご存知の通り、臓器に強い毒をもっているからです!

今回はフグの毒について、医師に聞いてきた詳しい話をお伝えします。

戦慄!フグ毒の毒性

フグ毒をもつものはフグ目の中でもフグ科に限られています。その毒性は種類や組織によって変わり、収穫時期によっても異なります。

卵巣と肝臓の毒性が特に高く、筋肉はほとんどのフグが無毒とされています。例外的にドクサバフグのように筋肉の毒性が高く食用に向かない種類や、サバフグやカワフグのように卵巣や肝臓を含め、臓器すべてが無毒の種類もあります。これは素人には見分けが難しいものです。

フグの毒はテトロドトキシンという成分です。その毒性は青酸カリの約1,000倍ともいわれており、非常に強力な神経毒です。フグ中毒そのものの死亡率は約8%と言われていますが、動物毒の誤摂取での中毒は、フグ毒が約7割を占め、自然性動物毒による死亡のほとんどがフグ毒という報告があります。

フグ毒の中毒症状ってどうなるの?

フグ中毒症状は、食後20分〜3時間程度と摂取後、短時間であらわれることが特徴的です。そのため食事中や食事直後に急に具合が悪くなることが多いようです。

最初にくちびるや舌の先に軽い痺れがあらわれ、次に指先の痺れが起こり、歩行困難が出てきます。同時に頭痛や腹痛が現れることがあります。この後、呼吸困難、血圧低下、言語障害など重篤な症状に進行していきます。

人工呼吸器など集中治療室での治療が必要な状態になることもあるので、食べているときに、くちびるや指先の痺れを感じたら、すぐに救急車を呼んでくださいフグの中毒は進行が早いため、早急な対処が必要です。なお、摂取後8時間以降は症状が現れることはないといわれています。

フグ毒の治療法はあるの?

【治療法】
フグ毒に解毒剤はありません。もしもフグ中毒になったら、対症療法(あらわれた症状を表面的に緩和する治療)で対応します。呼吸困難が現れた場合は人工呼吸器での全身管理が必要になります。

【予防法】
・フグ調理の資格がない人が調理しない
・フグの卵巣や肝臓など、危険な部位は食べない

医師からのアドバイス

フグ刺・フグ鍋など冬の美味しい味覚のフグですが、食べるときは必ず資格を持った調理師さんに調理をお願いしましょう。

海釣りでフグがかかった場合は、自分で調理することは危険を伴いますので、キャッチアンドリリースすることをおすすめします。美味しい冬の味覚は安全に楽しみましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

Doctors Me

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