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いよいよ今年も残すところあと1日となりました。おせちを手作りする家庭が年々減っているといわれていますが、年にたった1度のお正月です。どんなに忙しくても、おせち料理の基本「3つの祝い肴」だけは、お正月の食卓に登場させてみませんか?
そもそもなぜ、お正月に「おせち料理」を食べるのでしょうか?そこで、辻調理師専門学校 日本料理教授・橋本宣勝 (はしもとのぶかつ)先生に、おせち料理の基本について伺いました。
「もともとは年に何度もあった「節句」に、その時期に収穫された食材を用いて、神様に感謝していただくものがお節(おせち)料理。時代と共に、正月の料理だけをおせち料理というようになりました。」
「重箱に詰めるものは、縁起を担ぐもの、おめでたいものを中心に入れると良いです。基本の内容は地域差が大きいのですが、「祝い肴」と「煮しめ」は欠かせないものとされています。この他には、紅白かまぼこ・ぶり照り焼き・紅白なます・金団・伊達巻・昆布巻き・車海老うま煮などを詰めるとよいでしょう。なお、祝い肴は田作り、数の子、黒豆の3つが基本とされています(関西では、黒豆の代わりにたたきごぼうを使う地域も)。」
今回は、祝い肴がおせちに欠かせないとされる理由と、それぞれの料理に込められた意味についても伺いました。
「田作り=五穀豊穣 数の子=子孫繁栄 黒豆=まめに暮らす・長寿という意味があり、これらのものが揃わないと、人として生計が成り立たない。家が途絶えてしまうことから。今年も1年つつがなく暮らせるように願いを込めて食べるとされています。」
「五万米(ごまめ)という呼び方をすることも。江戸時代に片口鰯の稚魚を田畑に撒いて肥料とすると豊作となったことに由来します。」
「数の子の親は鰊(にしん)。鰊を東北や北海道の方言で「カド」と言い、「カドの子」が変化して数の子になったといわれています。鰊は「二親」とも語呂が合わさり、両親から子が産まれるめでたさを願って使われています。」
「まめに暮らせるようにとの願いが込められています。関西ではふっくらとシワがよらないように炊きますが、これはいつまでも若さを保つという意味。一方、関東ではシワがよるように炊きますが、これはシワがよるまで長生きするという意味に捉えられています。また、黒い色には、邪気を払う力があると昔から信じられているんです。」
それでは、クックパッドに投稿されている3つの祝い肴のレシピをチェックしてみましょう。
シンプルな材料で
香ばしいくるみ入り
塩抜きの方法から覚えよう
めんつゆで簡単あじつけ!
関西風・圧力鍋を使ってシワなくふっくら!
シワを寄せて、コリッと固めの仕上がりに
橋本先生によると、重箱にお料理を詰める際には、皆敷(かいしき=植物の葉や枝)を添えると、より華やかにお正月らしい食卓を演出できるそう。この皆敷には、南天(なんてん=難を転じる意味)や裏白(うらじろ=潔白や夫婦円満を表す)などがあります。
おせち料理をすべて作ろうとすると、かなりの労力がかかります。でも「3つだけ」なら、なんとか作ってみよういう気持ちになりませんか?自分ができる範囲だけでも、我が家ならではの「おせちの味」をうけついでいけるといいですね。
取材協力:辻調理師専門学校
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