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パクチーボーイ・エダジュンさんが教える、余らせがちな「アジアの調味料」のおいしい使い方【プロの日々ごはんVol.3】

気温や湿度の急激な変化で体調を崩しやすい時期。そんなときに、おすすめなのがハーブや香辛料を使ったエスニック料理です。ここ数年、「パクチーブーム」が巻き起こり、専門店なども多く登場していますよね。そんなパクチーブームの牽引者の一人、“パクチーボーイ”こと料理研究家のエダジュンさんに、エスニック料理の魅力や家庭でも使えるアジア調味料について聞いてみました!

料理に興味を持ったきっかけは「レシピ本」でした

そもそも僕が最初に“食の仕事”に興味を持ったのは、中学生のときでした。初めてケンタロウさんのレシピ本を読んで、「いつか自分も大人になったらお客様を招いてこんな料理を作りたい」「こんなふうに料理を提案する人になれたら楽しそうだな」と思ったことがきっかけです。

その後、管理栄養士の養成学校を卒業し、スープ専門店に6年勤めたのですが、なかなか自分が思うような仕事ができなくて…。そこで思い切って会社を辞めて、ベトナムに1か月バックパックしに行ったんです。そこで外国の文化や食に触れながら、改めて自分のやりたいことは何かを考えてみたとき、「自分の夢はレシピ本を出すことだった」と思って、そこから料理研究家と名乗ってブログを始めました。

アジアの料理に魅了されて…

でも、料理研究家になったからといって、すぐに仕事をもらえるはずもなく(苦笑)。会社員時代の貯金もなくなって、アルバイト生活が2、3年続いたころ、もう半ば一種の賭けのような感じで、「ひとつの食材に特化した料理研究家をめざそう」と思ったんです。そのとき、思いついたのが「パクチー料理研究家」でした。

ベトナムを訪れたときのハーブの使い方が楽しかったことを思い出して、パクチーなら僕自身も好きな物だし、日本では今ほど注目度がなかったので、面白いことができるかもしれないと思ったんです。ただ、パクチーって人の好き嫌いがはっきり分かれる食べ物だから、友達には「パクチー専門の料理研究家はギャンブルじゃない?」って止められたりもしました(笑)。

でも、それくらいのものをやらないと意味がないと思って、2015年くらいからインスタグラムに毎日パクチー料理の写真をあげ続けたんです。そうしたら、出版社の方に声をかけていただいて、そこからいろいろなメディアに取り上げていただくようになりました。

パクチー料理研究家が食べる“日常ごはん”は?

エスニック料理は僕の生活の一部になっているので、ふだんからそういう料理を作ることや食べることが多いですね。日々ずっとごはんを食べているので、晩ご飯はなるべく胃への負担が少ない「そば」を食べていますが、これも実はアジアの調味料との相性が抜群なんです。
パクチーを入れてオリーブオイルかけてレモン絞るとおいしいですし、薬味もたくさんとれて、胃も疲れません。ナンプラーを入れて香りをつけたり、豆板醤を入れることもあります。海苔1枚で味が変わるので韓国のりをちぎったものを入れたり。

あと、グリーンカレーペーストをミルクで溶いてつけ汁にして辛さを出したり、トムヤムクンペーストを水で溶いてレモン絞ったつけ汁もおいしいですよ。たっぷりのみょうがとラー油の組み合わせもいいんですよ~。薬味も大好きなので、冷蔵庫にはいつも「ねぎ・大葉・みょうが」を刻んだものをストックしています(笑)。

アジアの調味料を身近なものに!

ハーブやスパイスってなかなか普段の料理に活用しにくいと言う方も多いと思うんですけど、あまり難しく考えず、「しょう油」の代わりに使ってみるとか、和の料理に合わせてもおいしいんですよ。

例えば、生姜焼きのしょう油をナンプラーに変えると旨味が加わって、ご家庭でも楽しめる味になります。ナンプラーってクセが強いイメージがありますが、炒めるとそこまで香りも強く出ません
あと、スイートチリソースはお肉の下味に使えますし、アジアなイメージの強いココナッツミルクでハンバーグを煮込むと甘くておいしいハンバーグに仕上がります。

そんなふうに、アジアの調味料をもっと手軽に使えるようにできたらいいなと思いながら僕もレシピを考えています。皆さんもまずは、しょう油代わりにナンプラーを使うところから始めてみてはいかがでしょうか。そこからレシピ本などを参考に、どんどんアレンジを広げていってもらって、エスニック料理のおいしさに気づいていただけたら僕もうれしいです。

(TEXT:河野友美子)

エダジュンさんの新刊著書

アジア料理をカレーにしたら?』(文化出版局

「僕はレシピ本を作るとき、『難しくなく、わかりやすく』を心がけていて、今回もスーパーなどで買えるようなスパイスやハーブを使って、気軽に作ってもらえるレシピを取り揃えました。そのほかにも、この本では『JAPAN』というテーマで日本のカレールーのおいしい食べ方も提案しているので、カレールーを買ったけど少し本格的にお店の味にしたい! という人はぜひ参考にしてみてください。カレールーだと手軽ですからね」(エダジュンさん)

さらにエダジュンさんにおすすめのレシピを伺ったところ、一押しは「トムヤムクンカレー」との答えが!「トムヤムクンペーストを使っているので手軽に作れるのが魅力で、えびのうまみもたっぷり出ておいしいですよ。エスニックが好きな方は一度試していただきたいです」。

また、「プーパッポンカレー」も、料理教室の皆さんに好評なのだそう。プーパッポンカレーはたくさん油を入れて作るものですが、エダジュンさんのレシピは「油大さじ1」。あっさり食べられて、女性にもおすすめですよ。ぜひチェックしてみてください。

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エダジュン

パクチー料理研究家。管理栄養士。Soup Stock Tokyoにて本社勤務を経験したのち、料理研究家として独立。「パクチーボーイ」の愛称で書籍や雑誌で幅広く活躍中。著書に『クセになる! パクチーレシピブック』(PARCO出版)、『パクチーボーイのかんたんパクチーレシピ100!』(KADOKAWA)がある。

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