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コラム

とろふわ♪自宅で気軽に楽しめる「ゆば」のアレンジレシピ4選【工藤詩織の「お豆腐」進化論 Vol.14】

ヘルシー、節約……でも、それだけじゃない! 身近な食材「お豆腐」の魅力はまだまだあるんです。この連載では、豆腐マイスター・工藤詩織さんに、お豆腐をもっとおいしく楽しむための知られざるノウハウを伝授してもらいます。「そうだったんだ!」と思わず納得の意外な活用法を知れば、きっと試してみたくなるはず♪ あなたの食卓のお豆腐が“進化”すること間違いなしですよ!

奥深い「ゆば」の世界

豆乳をとろ火でじっくり加熱するとうっすらと張る「ゆば」。大豆加工品の中でも、食卓に並ぶと贅沢な気持ちにさせてくれる食材ですよね。

先日、仕事で訪ねた日光で驚かされたのは、ゆば料理のレパートリーの多さでした。名産品として掲げているだけあって、ゆばそば、ゆばラーメン、ゆばカレー、揚げゆばまんじゅう…と、駅を出て大通りを歩けば「ゆば」をアピールするのぼりや看板が次々と目に留まり、まるで「ゆば天国」でした!

2大産地、日光と京都の「ゆば」の違いは?

日光と同じく「ゆば」が有名なのが京都。もともと初めてゆばが中国から伝わったのは京都で、そこから各地へ製法が伝わったという説があります。日光の料理店のオーナーさんにこの2つの産地の「ゆば」の違いを伺うと、そもそも「ゆば」 の漢字表記が異なるのだそうです!

京都は「湯葉」日光は「湯波」と表記するのが一般的で、「波」はもともと「婆」という字が当てられていたとも言われています。加熱した豆乳に張る膜をすくい上げた際にできる“波模様”が、顔の“シワ”を連想させたのだとか。目からウロコの豆知識です!

お次は、「ゆば」の引き上げ方。京都の湯葉は、ゆばの端に串を入れて一重に引き上げるので薄く繊細に仕上がるのに対し、日光の湯波は中央に串を入れて2つ折りに引き上げるので二重になり、ボリュームが出ます。

このため、京都のものは薄く、日光のものはボリューム感があるものになるようです。比較して食べてみたくなりますね。

「ゆば」の種類もさまざま

「ゆば」といっても種類がたくさんありますね。まず、大きく分けると、すくい上げたものをそのまま食べる生ゆばと、一度乾燥させた後、水に戻してから使う干しゆばに分けられます。

さらに、生ゆばは串で引き上げられ、シート状になった引き上げゆばと、箸でつまみ上げた形のない汲み上げゆばに分かれます。

干しゆばは、四角にカットされた平ゆばから、ロール状になった巻ゆばまで、形状のレパートリーが実に豊富。

日光では、干しゆばの一種で、ぐるぐるっと巻かれて一度油に通された揚げ巻きゆばが煮物に使われていたり、ドレッシングで和えた汲み上げゆばがサラダにトッピングされていたりなど、「ゆば」の種類によって調理法も工夫されている様子でした。

冬にも楽しめる「ゆば」のアレンジレシピ

高級食材のイメージが強い「ゆば」も、最近スーパーでは200〜300円程度と、ぐっと手頃な価格で手に入るものを見かけるようになりました。とはいえ、お刺身として食べる以外、「ゆば」の使い方がわからないという方も多そうです。

クックパッドを覗いてみると、これからの時期にもぴったりな「ゆば」の活用レシピがたくさん! ということで、今回は冬にもご家庭で気軽に楽しめる「ゆば料理」のアイデアを集めてみました。

乳製品と合わせてほっこりとろ〜♪

大豆の油分や糖分が凝縮した「ゆば」は、ほんのり温めることで甘みやコクがアップするので、ほかの食材に合わせてもしっかり存在感が残ります。

特に、とろっとした食感の「汲み上げゆば」や、しっかり火を通しても形が崩れにくい「干しゆば」は、乳製品や卵との相性も抜群。クリームソースパスタの具材として絡めたり、野菜と一緒にクリーム煮にしたり、冬らしい一品があっという間に完成します。


アレンジ幅の広い時短レシピ

サッと作れてオススメなのが、ゆばとトマトの卵とじ。アクセントにエビきのこを加えたり、胡椒山椒を効かせて大人味に仕上げたり、アレンジの幅も広いです。豆乳が封入されているタイプの「ゆば」も丸ごと使えます。


春巻の皮の代わりにも使える!

シート状の「引き上げゆば」は、具材を巻くことができるので、春巻の皮感覚で応用もできます。生野菜と生ハムやサーモンを巻いてサラダ春巻き風に食べたり、カニカマやエビを巻いて揚げれば、揚げ春巻きに。


少量余った「ゆば」の活用法

少量余った「ゆば」の活用にもぴったりなのが、ゆば丼です。しょうがを効かせた和風あんに、ふわふわと浮かぶ「ゆば」。身体の芯から温まり、お腹もいっぱいになります。


いかがでしたか?「ゆばを料理に使うなんてもったいない!」と思っていた方にも、ご家庭でもっと気軽にアレンジを楽しんでいただければ嬉しいです。

工藤詩織(往来/豆腐マイスター)

幼少から豆中心の食生活を送り、豆腐がいつも暮らしの中心にある無類の豆腐好き。日本語教師を目指して勉強する過程で、食文化も一緒に伝えたいと「豆腐マイスター」を取得。国内にとどまらず海外でも、手作り豆腐ワークショップや食育イベントを実施して経験を積む。2018年より「往来(おうらい)」をテーマに本格的に活動を開始。豆腐関連のイベント企画・メディア出演などを通して、各地で豆腐文化の啓蒙活動を行っている。「マツコの知らない世界」(TBS系)、「ヒルナンデス」(日本テレビ系)、「ごごナマ」(NHK)等へ出演。
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