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コラム

具材の“切り方”がポイント!仕上がりの味わいが変わる「塩たら味噌豆腐」【小鍋生活のススメ Vol.4】

NHK『きょうの料理』や『あさイチ』の料理コーナーでもおなじみの料理家・小田真規子さん。多くのレシピ本を出版されていますが、中でも人気を集めているのが『まいにち小鍋』(ダイヤモンド社)シリーズです。2019年9月には、シリーズ最新刊『まいにち湯豆腐』を発売し、365日食べても飽きない1〜2人前の小鍋レシピを数多くご紹介しています。本連載では、簡単においしくヘルシーな食卓を実現できる「小鍋生活」を、小田先生が直々にレクチャー。連載第2回目は、小田先生オススメの小鍋レシピをご紹介!

具材の切り方で仕上がりの味をグッと格上げ

こんにちは。小田真規子です。

連載第3回では、具材の組み合わせの妙を十二分に楽しめるレシピとして、「カニカマのチーマヨ豆腐」と「豚肉とトマトの重ね蒸し鍋」の2品をご紹介しました。

今回は、具材の切り方を守ることで、仕上がりの味に違いが出る小鍋レシピを2つご紹介します。

塩たら味噌豆腐

1つ目は、「塩たら味噌豆腐」です。塩たらに豆腐と白菜はお鍋の定番の組み合わせですが、こちらは意表を突いた味噌味です。そしてこの白菜の切り方に工夫があります。

白菜は大きめのざく切りにすることが多いのですが、煮えるまでに時間がかかり、煮えると甘みも強くなります。豆腐と塩たらからも甘みが出ますので、三つの甘みが重なり、味噌の味が間延びしてしまいます。

そこで白菜は、繊維を断つように細切りに。これを仕上げに加えると、火が通る前の半生状態でもおいしく、シャキシャキした食感が味わいのアクセントになります。半生の白菜は、少し辛みも感じるので薬味のような役割も。

でも何といっても、端からサクサク切れば良いだけなので、まな板に広がらず、お鍋の仕込みも楽になります。

具材

絹ごし豆腐(4等分に切る)…1丁(300g)
塩たら(一口大に切る)…1切れ

スープ

昆布(5cm角)…1枚
水…2カップ

たれ

味噌…大さじ3
ごま油…大さじ1

仕上げ1

白菜(繊維を断つように細切りにする)…100g

仕上げ2

全形海苔(ちぎる)…適宜
万能ねぎ(小口切り)…適宜

<つくり方>

1.小鍋に【スープ】と【具材】を加えて中火にかけ、煮立ったら弱火で5分煮る。
2.【たれ】を加えてさらに5分煮て、【仕上げ1】を加えて、日が通るまで2〜3分煮る。
3.【仕上げ2】を散らしていただく。

ウーロン茶の極上豚しゃぶ

2つ目は、「ウーロン茶の極上豚しゃぶ」です。このお鍋では、大根・にんじんをせん切りやピーラーで削らず、薄く輪切りにします。煮えやすく、味を含みやすいワンタンの皮は、しゃぶしゃぶやお鍋に便利な素材ですが、煮るとちぎれやすくなるのが困りもの。

そこで、輪切りの大根やにんじんでワンタンを挟むようにしていただきます。豚バラ肉やほうれんそうも同じく挟むと、たれもしっかりついて、適度な噛み応えにボリューム感が出ます。肉の代わりにぶりや鯛などの火通りの良い魚でもいいですね。

ピーラーは手軽で便利ですが、薄く削れるためすぐ火が通ってしまい、意外においしいタイミングを逃します。輪切りが苦手なら、縦半分に切り半月の薄切りにしても。少し手間ですが、彩りも食感も良くなり、味わいが本当に変わります

具材

バラ、ももなど豚肉しゃぶしゃぶ用肉…250g
大根(皮をむき、薄く輪切り)…1/4本(250〜300g)
にんじん(皮をむき、薄く輪切り)…1/2本(80g)
お好みの青菜(根本を落として長さを半分に切る。ほうれんそうの場合は下茹でする)…100g
ワンタンの皮…1袋

スープ

塩…小さじ1/2
ウーロン茶(缶やペットボトル)…4〜5カップ
生姜(千切り)…3かけ

たれ

豆板醤…小さじ1/4〜1/2
酢…大さじ4
しょうゆ…大さじ3
ごま油…大さじ2 塩…小さじ1/2
コショウ…10ふり
桜えび(あらみじん切り)…大さじ2(6g)
長ネギ(みじん切り)…1/2本(50g)

<つくり方>

1.鍋に【スープ】を中火で煮立てて、大根とにんじんを先に入れる。
2.肉、青菜、ワンタンの皮を1枚ずつ入れ、煮えたところから引き上げる。
3.【たれ】でいただく。


いかがでしたか? 具材の切り方を守ることで仕上がりの味に違いが出るこちらのレシピ、皆さんもぜひ試してみてくださいね。次回は、素材から出るだし汁の味わいが楽しめる小鍋レシピをご紹介します。

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小田 真規子さん

料理家・栄養士・フードディレクター。女子栄養大学短期大学部卒業後、料理家のアシスタントを経て、有限会社スタジオナッツを設立。誰もが作りやすく、健康に配慮した、簡単でおいしい家庭料理をテーマに、『オレンジページ』『ESSE』などの生活雑誌や企業PR誌にオリジナルレシピを発表。家電、食品、調味料メーカーのメニュー開発、国内各地の産地・加工品の商品開発などもサポートしている。分かりやすいレシピが好評で、NHK『きょうの料理』『あさイチ』の料理コーナーに定期出演。『まいにち小鍋』『なんでも小鍋』『おつまみが晩ごはん!』(ダイヤモンド社)、『料理のきほん練習帳』(高橋書店)、『とにかく盛り上がる夜ごはん』(文響社)など著書多数。
【Instagram】パプリカマキコ

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