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コラム

レンジで完成♪お手軽食材で「鹹豆漿(シェントウジャン)」を和風仕立てに【工藤詩織の「お豆腐」進化論 Vol.17】

ヘルシー、節約……でも、それだけじゃない! 身近な食材「お豆腐」の魅力はまだまだあるんです。この連載では、豆腐マイスター・工藤詩織さんに、お豆腐をもっとおいしく楽しむための知られざるノウハウを伝授してもらいます。「そうだったんだ!」と思わず納得の意外な活用法を知れば、きっと試してみたくなるはず♪ あなたの食卓のお豆腐が“進化”すること間違いなしですよ!

「鹹豆漿(シェントウジャン)」をお手軽素材で簡単に!

以前のコラムで取り上げた、台湾の定番朝ごはん「鹹豆漿(シェントウジャン)」。「鹹(シェン)」は塩味、「豆漿(トウジャン)」は豆乳を指し、お豆腐を「酸」で固める「酸凝固」の反応を使った塩味の半熟豆腐スープです。うま味たっぷりのスープに「油條(ヨウティアオ)」と呼ばれる揚げパンを浸して食べるのが現地流。都内の専門店も朝から行列ができるほど大人気で、ご家庭でも広く親しまれるようになってきましたね。筆者も相変わらずハマっています。

前回は、お豆腐の凝固の仕組みをお伝えしながら、お家で作れる基本の「鹹豆漿」レシピをご紹介し、たくさんの反響をいただきました。朝ごはんというだけあって工程は非常にシンプルで実践しやすいのですが、課題に感じた点がありました。

それは、干しエビやパクチーなど、普段凝った料理に手を出さない方には、少々ハードルが高い食材を揃えないとならないことです。そこで、今回はもっと身近に揃う「和」の材料を代用して、さらに時短の電子レンジ調理で 「和風鹹豆漿」を作ってみることにしました。

お手軽な食材で!レンチン「和風鹹豆漿」

和風鹹豆漿も本家と同じく、温めた無調整豆乳に塩味をつけ、「酸凝固」の反応を利用します。今回、トッピングとしてセレクトしてみたのは、辛子明太子や梅干し。旨味と彩りに刻み海苔や塩昆布。揚げパンの代わりに、油揚げや揚げ玉(天かす)。これらすべてコンビニで揃いました!

明太子のうま味をギュッと凝縮!

まずは、明太子トッピングの鹹豆漿。豆乳にほぐした明太子と酢、味噌もしくは醤油を混ぜたら500Wのレンジで2分チン。塩気と辛味があり魚卵の旨味も詰まっているので、干しエビが揃わなくても十分おいしい! カリカリに焼いた油揚げをトッピングしました。


優しい梅の酸味が食欲をそそる!

お次は梅干しと塩昆布、揚げ玉トッピングの鹹豆漿。スプーンで潰した梅干しとひとつまみの塩昆布と小さじ1/2の味噌(同量の醤油でも可)を豆乳に混ぜて、こちらも500Wのレンジで2分チン。梅干しのクエン酸が「酸凝固」の反応を緩やかに起こし、加熱後3分ほど放置すると豆乳にとろみが現れました(とろみが足りない場合は酢で調整しましょう)。ここに揚げ玉をトッピングすれば、カリカリ食感が加わりコクもアップします。


「和風鹹豆漿」に香味をプラスしたい場合は、パクチーの代わりに刻みネギやシソなどをのせて、仕上げにごま油を垂らしても良いですね。

ちなみに、どちらのレシピにも味噌もしくは醤油を加えて混ぜていますが、味噌の方が見た目が茶色くならず、角の取れたまろやかな塩味に仕上がるのでおすすめです(塩気がキツすぎると豆乳の分離が激しくなるので要注意!)。

いかがでしたか? 「朝ごはんはラクにおいしく作りたい!」そんな読者の皆さんに、お手軽「和風鹹豆漿」を試していただけたら嬉しいです。

工藤詩織(往来/豆腐マイスター)

幼少から豆中心の食生活を送り、豆腐がいつも暮らしの中心にある無類の豆腐好き。日本語教師を目指して勉強する過程で、食文化も一緒に伝えたいと「豆腐マイスター」を取得。国内にとどまらず海外でも、手作り豆腐ワークショップや食育イベントを実施して経験を積む。2018年より「往来(おうらい)」をテーマに本格的に活動を開始。豆腐関連のイベント企画・メディア出演などを通して、各地で豆腐文化の啓蒙活動を行っている。「マツコの知らない世界」(TBS系)、「ヒルナンデス」(日本テレビ系)、「ごごナマ」(NHK)等へ出演。
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