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コラム

キャンプの知恵は防災に役立つ。プロおすすめの「キャンプ飯&グッズ」って?

東日本大震災から10年。この機会に、今一度「災害時の食」について考えてみませんか?キャンパー兼キャンプ料理家として活動しているスガタニさんに、有事の際にも役立つ、キャンプ料理を教えていただきました。

キャンプのハードルを下げたかった

レジャーとしても楽しめて、防災時にも役立つ「キャンプ」ですが、そもそもやったことがないという人もいれば、やってみたいけどなかなかハードルが高くて気軽にできないという人もいますよね。

移動時間はかかるし、キャンプ道具も高いし、ネットで検索したらおしゃれで難しそうなキャンプ飯ばかり出てくる…。そういうキャンプに対するハードルを少しでも下げたいと思って、4年前からSNSで「キャンプの小ワザ」を紹介し始めました。

手間がかからないことが一番

まず、キャンプのハードルの1つである「ごはん」をもっと簡単で作りやすくするために、自分で時短キャンプ飯レシピの発信をはじめました。材料を切らずに調理できるか、麺を湯切りせずにそのまま食べられるのかなど、「手間がかからない調理」を意識しながらレシピを開発しています

そのほかに心がけているのは「味」ですね。災害時もそうだと思いますが、キャンプはガスや電気、水が十分に使えないことがあり、正規の調理法で作らないとどうしてもおいしく仕上がらないことがあります。それをどうフォローしていくかを考えています。

災害時にも役立つキャンプレシピ4選

10年前の東日本大震災のとき、宮城県にいた友人に、ごはんには“お腹だけでなく心を満たしてくれる効果がある”という話を聞きました。栄養のために食べると思われがちですが、避難所でのストレスを緩和するためにも、食事はとても大切な役割を果たしてくれたといいます。そこで今回、私が考えた「災害時にも役立つ、簡単でおいしいキャンプレシピ」をご紹介します。

火を使わないもの

保存が効く乾物やスナック菓子などを常備しておくと、火が使えないシーンでも工夫して使うことができます。

■のり塩ラーメン

水で戻すインスタントラーメンのレシピです。水で作るとどうしても風味が落ちますが、韓国のりがあることで、ぐっとおいしくなります。制限された環境での調理には、韓国のりのほか、塩昆布や乾燥ゆずなど、味や風味を足せるものは重宝します

<材料(1人前)> インスタント塩ラーメン……1袋
水……袋に記載の分量
韓国のり……適量

<作り方> 1.インスタントラーメンに、袋に記載されている分量の水と、付属の調味料を入れて15~20分待つ
2.ちぎった韓国のりを入れて完成

■スナックポテトサラダ

おなじみのじゃがいもスナックを使ったポテトサラダです。水を注いで混ぜるだけなので、誰でも簡単作れます。

<材料(1個分)> じゃがいもスナック菓子……1個
水……150ml

<作り方> 1. じゃがいもスナック菓子に水を150mlを入れて20分待つ
2. 混ぜたら完成

火を使うもの

災害時はガスが止まることも想定されるので、カセットコンロやシングルバーナーを用意しておきたいですね。また、調理には、取手のついたアルミ製の調理器具「メスティン」があれば、炊飯のほか、パスタを茹でたり、汁物など万能に使えます

287171f9dc2a2652136890dddcfc1676 メスティン

防災時はパックご飯も役立ちますが、湯煎する場合は15分くらい時間が必要に。なるべく調理の時間を減らしたい場合は、メスティンで無洗米を炊いた方が早くできあがります。大きいサイズなら2合くらい炊けるので、4人家族の場合はパックご飯よりも早いです。鍋感覚で使えるので、普段使いにもおすすめですよ。そんなメスティンを使ったレシピを紹介します。

■サバ缶ラーメン

サバの水煮缶の汁を味噌ラーメンに入れると、簡単に魚介だし風ラーメンに! ごみを出さないためにも、汁までムダなく使いきれるのもポイントです。

<材料(1人前)> インスタント味噌ラーメン……1袋
水……袋に記載の分量
サバ水煮缶……1缶

<作り方> 1.インスタントラーメンを、袋に記載されている要領で作る
※サバの水煮缶の汁を入れるので気持ち水を少し少なめに
2.サバ水煮缶の汁とラーメンを一緒に煮立てて完成。缶詰の中身は一緒に食べても、別の料理に活用してもOK

■そら豆ごはん

そら豆を丸ごと素揚げしたスナック菓子で作る「そら豆ご飯」です。混ぜるだけなのに本格的な味わいで、手軽に春を感じることができますよ。簡単なのに満足感の高い一品です。

<材料(米1合分)> そら豆のスナック菓子……1袋
塩こんぶ……2つかみ
米……1合
水……200ml

  • お米を炊く。メスティンにお米と水を入れ、30分〜1時間置く。漬け置かなくても良いですが、この工程をすると、お米の芯が残る可能性が減ります
  • 炊飯を開始。蓋をしめて強火にかけ、吹きこぼれて湯気がでるまで待つ
  • 湯気が出てきて水滴が滴ったら、弱火にして10分。その後、タオルやビニール袋にくるんで密閉して15分待ったら炊き上がり
  • 炊き上がったご飯に塩昆布とそら豆スナックを混ぜて完成。そのままでも食べられますが、蓋をして5分ほどおくと、そら豆がしんなりしてきてさらにおいしくなります

どれも少ない材料で簡単に作れるものばかりですが、おいしくなるよう味も工夫しています。非常食として麺を用意する場合は、「フライ麺」がおすすめ。限られた環境でも調理しやすく、どんな形であれ食べられるものができあがりますよ。

ほかにも災害時に役立つアイテム

災害時のライフラインが途絶えた時などに持っておくと便利なキャンプ用品を紹介します。

ウォータータンク

災害時は水も思うように使えません。そのため、私は10リットルの「ウォータータンク」を用意しています。あまり大きすぎると、水を入れた際に重くなるので注意が必要です。断水時にも役立ちます。

食器

器としてもコップとしても使える「シェラカップ」は1つあると便利です。100円ショップでも扱っているので、手に入りやすいです。そのほかに持っておくといいのが「先割れスプーン」。この2つがあると、だいたい何でも食べられます!

コーヒーや紅茶などの嗜好品

以前、私も台風で避難所に行ったことがありますが、いつもと違う空間にいると、それだけでストレスが溜まります。そういう時のリラックス剤として、コーヒーは持っていくようにしています。

キャンプでも災害時でも、荷物はできるだけ軽い方が良いです。重さを気にせずに何でもリュックに入れると、移動する時に大変なことに。アイテムを選ぶ際は、そういった観点も大事かと思います。

事前に必要なものを確認しておこう

私が実際にキャンプに行くようになって感じたのは「明かり」の大切さでした。災害時には電気が止まることもあるかと思いますが、都会にいると“本当の真っ暗”を体験する機会ってなかなかないですよね。

山に行くと、電気が1つもないこともあるので、災害時にどれくらいの明かりが必要なのかわかってくるんです。食品は備蓄していても、道具やライトの明るさまで事前にチェックしている人は意外と少ないのではないでしょうか。

いざというときに慌てないためにも、懐中電灯やランタンはどれくらいの明るさがあれば大丈夫か、調理器具はどんなものを用意しておくべきか等、調べておくといいと思います。普段のキャンプも簡単になりますし、有事にも役立ちますよ。

スガタニ

キャンパー/キャンプ料理研究家。3年前に、都内から自然の多い湘南に移住。インスタグラムや「湘南で暮らすキャンパーのブログ」で、都心で働くキャンプ好きな人に向けて、「手間を省いて楽にキャンプをする方法」を配信中。

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