【気分が上がる台所 Vol.3】お気に入りのうつわや調理器具、食材、調味料…… 時に億劫にもなる毎日の料理を楽しくしてくれる“モノ”たちが、台所に立つモチベーションを上げてくれることもあります。「料理を全くしない人」だった影山由美子さんが、“キッチンアイテム沼”にハマるに至った数々のエピソードをご紹介。第3回目は、湘南への引っ越しで出会った「新たな料理の楽しみ」の話をお届けします。
こんにちは。クックパッドで、料理が楽しくなるオンラインマルシェ 『Komerco(コメルコ)』の中の人をしている影山由美子です。
私は今から8年ほど前に、都心から神奈川県の葉山町に引っ越しました。私は神奈川県出身(内陸ですが)。学生時代はよく葉山にドライブへ行っていたので、何となくの土地勘はありました。
旦那さんは東京生まれの東京育ち、仕事も都内でしたから引っ越しには大反対。どうにか言いくるめて葉山に引っ越しをしてみたら、地元で飲み友達をさっさとつくり、私よりも葉山生活を満喫し始めました(笑)。
今の御時世、湘南への移住を検討する方も多いと思います。我が家のネックは「通勤時間」だったのですが、それは意外と慣れてしまうもの。週末の過ごし方の充実度に比べたら、些細なことだったなぁ……と今では思います。
葉山の暮らしで私が期待していたのは、いわゆる「葉山時間」と言われる、のんびりした暮らし。
海や山がすぐ近くにある暮らしは気持ちを穏やかにしてくれるし、春は山桜が咲く山から鶯の鳴き声が聞こえ、冬は人気のない海や空気の綺麗さで四季を感じることができます。何より、こんな夕日を見ながら気持ち良く1日を終えられる暮らしは、何とも人間的で癒やされます。
ただ、それ以上に最高!だったのが、料理が楽しくなる暮らしでした。
私が引っ越ししたのは葉山の海沿いのエリア。徒歩圏内で漁師さんから魚が買うことが可能ですし、数十分車を走らせれば漁港で朝獲れの魚を買うことも可能です。
漁師さん・漁港で手に入る魚は、種類も姿もスーパーとは違います。初めて見る魚種や、丸ごとの状態で見るのは初めての魚もあります。
「えーこれどうやって食べるの〜?!」というものもありますが(笑)、新鮮な魚は目や鱗がキレイで、何ともおいしそうなんですよね。
おろしてもらえない場合もあるので、その時はおろし方を教えてもらって自宅で格闘します。教えてもらったオススメの料理方法を試してみたり、ネットで料理方法を調べたり。そんなこんなで出来上がった料理のおいしさは格別です。
アジを開いて干物にする。サバを自分でさばいて、しめ鯖にする。そんなことも、葉山に越してから身近な作業になりました。
その作業の影響で、魚が丸のまま置ける大きなまな板や、丸のまま入るオーバル型の鍋が私の台所に仲間入り。うつわもその頃からオーバル型のものに目がなくなったような気がします。
今は出刃包丁や柳包丁が欲しいのですが、最近料理にハマっている左利きの旦那さんのことを考えると、どれを買うべきか悩んでいる最中です。
ところで。新鮮な魚が手に入ったら刺身で食べるのが良い、という方、多いのではないでしょうか。
私もそう思っていたのですが、葉山に越して、初めて私がそのおいしさに感動したのが実はアジフライなんです。
新鮮な、プリッと肉厚なアジを買ってきて、自分でおろして、フライにした時のおいしさときたら! アジフライって、こんなにふわっとおいしいんだ……と感動しました。
その感動を知ってからは、刺身一辺倒ではなく、揚げたり焼いたり煮付けたり。いろんな料理で魚を味わおうと思えるようになりました。
春の風物詩、といえば海藻類。3月半ば頃からメカブやワカメが収穫され、浜辺で漁師さんたちが茹でたり干したりしている様子が見られたりします。
「メカブ、たくさん下茹でしたからおすそ分け!」と譲っていただくこともありますし、葉山の道の駅、産直所などでも新鮮なものを買うことができます。
この生メカブや生ワカメが、爽やかで、シャキシャキもちもちで、とにかくおいしいんですよ〜!
下茹でしたメカブは叩いてポン酢で。ワカメはざくざく切って、新玉ねぎのスライス、鰹節、めんつゆなどと合わせてサラダに。お味噌汁に入れても、もちろんおいしいです。
そしてなんと言っても、春の訪れの記念に食べたいご馳走が、ワカメしゃぶしゃぶ。
我が家のワカメしゃぶしゃぶは、ざく切りした生ワカメをしゃぶしゃぶしていただいた後に、タラの切り身や水菜、白菜などの野菜も入れていただくのが定番。ワカメからも良いダシが出て、とてもおいしい鍋です。
スーパーでは湘南で採れた生ひじきが買えることも。こちらも、生ひじきならではのムチムチと肉厚なおいしさが味わえ、ひじき嫌いだった旦那さんが「おいしい! おいしい!」と食べるようになった一品。
春はすっかり海藻にハマる、我が家です。
葉山には、ほかにもおいしいこんにゃくを販売している生産者や、畜産や養蜂をしている方がいらしたり、横須賀・三浦方面に足を伸ばせば大根やキャベツ、苺がおいしいし、とにかくさまざまな生産者の方たちがいらっしゃいます。
そういった方から近い距離で、新鮮な食材が手に入ると、料理はもっともっと楽しくなるんだ、ということをこの引っ越しで身をもって体験しました。
葉山や神奈川だけでなく、日本のいろんなところに魅力的な生産者の方々はたくさんいらして、その土地々々の食材でさまざまな料理の楽しみが生まれるんだろうなぁと思っています。
1日も早く自由に往来ができる日を取り戻し、日本各地のおいしいものを見つけに飛び回りたいなぁと思う今日この頃です。
夫と犬二匹と葉山ぐらし。何でも形から入るタイプです。
いかに簡単に、見栄えの良い料理を作るかが自身のテーマ。最近、旦那が料理に目覚めた。
うつわ好きすぎて2,000枚以上集め、料理道具好き、調味料大好きなマキシマリスト。
料理が楽しくなるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ) by Cookpad』 中の人です。
【Web】https://komer.co/
【note】Yumico Kageyama
【Instagram】@yumico_kageyama
調味料、食材、料理道具、うつわやカトラリーなどの“料理が楽しくなるモノ”が買えるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ)』。自身の手でつくるモノで料理を楽しんでほしいと願うクリエイターさんから、Web、スマートフォンアプリで直接お買い物ができます。
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