鮭専門店の店主が教える！旨みがジュワッと口の中に広がる「鮭おにぎり」の作り方

20代の頃、たまたま鮭を買った築地の鮭専門店で働くことになり、魚の切り身職人として修行を積み、現在はそのお店を引き継ぎ、店主となった佐藤友美子さん。

古今東西、鮭を追いかけ、鮭を捌き、鮭を料理し、鮭を味わい尽くした佐藤さんが、鮭のおいしさが一番味わえるとおすすめする食べ方が「おにぎり」。

作るたびに、鮭とご飯の底力にハッとさせられ、鮭のおにぎりを握り続けるうちに、そのレシピは100種類を超えていたと言うから驚きです！

「鮭とご飯を合わせるというシンプルな構成ながら、合わせ方次第で味わいが無限大に広がるのが、鮭おにぎり最大の魅力」と語る佐藤さん。

鮭とご飯だけでもおいしいけれど、雑穀、豆類、野菜、きのこ、伝統食である乾物、漬物などをもうひと食材を加えると、どんな素材をもご飯が受け止め、鮭が大黒柱となり、味わいは無限大に広がります。

今回は本書の中から、「紅鮭とブロッコリーのサラダおにぎり」「紅鮭とパプリカのおにぎり」のレシピをご紹介します。おにぎりからのぞく、大きな鮭の塊を噛み締めると、旨みがジュワッと口の中に広がって、「これぞ鮭！」と実感できるはずです。

オリーブオイル、レモン、こしょうで和えたブロッコリーと紅鮭の組み合わせがたまらない一品。サラダ感覚で食べられます。

紅鮭の切り身……1/2切れ
ご飯……茶碗2杯
ブロッコリー……2房
オリーブ油……大さじ2
レモン汁……小さじ1
こしょう……少々

1. ブロッコリーの茎の青くかたい部分は削いで取り除き、軸は薄切りにする。
2. 鍋に水を入れて沸騰させ、まず軸の薄切りを入れ、次に小房を加えて3分茹で、ざるにあげる。
3. 2を熱いうちにオリーブ油、レモン汁、こしょうであえて冷ます。冷ましたら軸はさらに細切りにし、房は粗く刻む。
4. 紅鮭の切り身は焼いて骨と皮をとり、普通にほぐす。
5. ご飯に3と4を加えて軽く混ぜ、茶碗1杯分を好きな形に握る。

細かくほぐした紅鮭と、カラフルなパプリカを混ぜ合わせて握るおにぎり。甘酢の酸味が食欲をそそります。パプリカのような水分の多い野菜は、濃い甘酢に数日付けてからおにぎりで握ると、ご飯になじみやすくなります。

紅鮭の切り身……1/2切れ
ご飯……茶碗2杯
パプリカ（赤・黄）……各1/8個
【A】
酢……1/2カップ
砂糖……大さじ1
塩……小さじ1

1. パプリカは縦半分に切ってへたと種をとり、さらに縦半分に切って薄切りにする。塩（分量外）をふって、しんなりさせる。
2. 【A】を混ぜ合わせ、甘酢を作る。1と甘酢をあえ、ビニール袋に入れて空気を抜いて口を閉じ、平らにして冷蔵庫で3日くらい寝かせる。
3. 紅鮭の切り身は焼いて骨と皮をとり、細かくほぐす。
4. 2のつけ汁を絞って、2cmくらいの長さに切る。
5. ご飯に3と4を加えて軽く混ぜ、茶碗1杯分の好きな形に握る。

本書には、佐藤さんが開発した、鮭とご飯を組み合わせた120種類ものレシピが掲載されています。ページをめくるうちに佐藤さんの鮭への熱意に魅了され、自分でも鮭を1尾買って捌いてみたい欲求が湧くから不思議です。

日本人の食卓に欠かせない鮭。そんな鮭のおいしさや魅力に改めて気づける一冊です。ぜひみなさんも、上記で紹介したおにぎりを作って、鮭とご飯のおいしさを再確認してみてくださいね！

(TEXT:小菅祥江)

築地場外で鮭の専門店を営む著者が教えてくれる、鮭の種類や味の違いから、食材との組み合わせ方、料理法までを網羅した決定版。鮭の知識はもちろん、その調理法や具材との組み合わせ方を知る著者が満を持して、鮭と飯の組み合わせ方を伝授してくれます。いつも使われる「鮭」という食材を、さまざまな観点から紹介することで、皆さんの鮭料理の視点ががらりと変わることでしょう。

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