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インタビュー

1週間でだる〜い体がラクになる!「ツナ缶・みそ汁・魚肉ソーセージ」の3大お手軽改善法って?

これと言った原因があるわけでもないのに体の不調が続く、なんとなくやる気がでない、睡眠がうまく取れない……。どれか1つでも当てはまるという方にぜひ知ってほしいのが「気血ごはん」。書籍『1週間で必ず体がラクになる お手軽気血ごはん』の著者である、国際中医薬膳師の瀬戸佳子さんにお話を聞きました。

メンタルにも響く「気血」の不足

――瀬戸さんが提案している「気血ごはん」の、「気血」というのは何を意味するのでしょうか。

「気血」というのは、東洋医学の言葉です。「気」は、いろいろなものを動かすパワー。何気なく使っている言葉の中にも「気」という言葉は多く存在します。「元気」や「やる気」など、気の役割というのはいろいろありますが、簡単に言うとエネルギー、モチベーションと考えてもらえばいいと思います。

「血」は、血液だと思ってくださっていいと思います。血液は体の隅々まで栄養を運んでくれるものなので、血液がしっかりあることが体力にも影響してきます。血液が足りていないと、栄養がしっかり運ばれないので、生理不順や頭がボーっとしてしまうといった不調が出てしまいます。血液は精神的な面にも大きく影響するので、ストレスが多い方は血液が減りやすく、メンタルの影響を受けているという方が多いです。

――貧血はメンタルにも影響があるんですか?

貧血の人は、思考や発言がネガティブで心配性の人が多いんです。寝る前に不安なことが頭を巡って不眠になりがちというのも、血液が少ない人の特徴です。血液が足りている人は精神も健全であるというのが東洋医学の考えなんです。

――エネルギーである「気」と、メンタルにも影響する「血」が不足すると、不調の原因になるんですね。

「気」と「血」の両方が不足していることを「気血両虚」と言います。この状態は、体調面の不調だけではなく、メンタル面にも大きな影響を与えます。原因としては、「気血」になるための原料が食事から十分にとれていないこと、消化・吸収がうまくいっていないこと、気血の消費量が多いということが挙げられます。

どこでも買えるものだから続けられる、お手軽な気血ごはん

――瀬戸さんは、気血両虚を改善する食事法に、ツナ缶・みそ汁・魚肉ソーセージを挙げられていますが、なぜこの3つだったのでしょうか。

一汁三菜、季節の食材を取り入れ、添加物が入っていない食事を心がけましょう! と言っても、元気がない、体力がない、モチベーションがない気血両虚の方にはハードルが高くなってしまいます。「これならできそう」ということからはじめて、少しずつ変化していってもらうほうが改善の近道になると考えました。最初から満点を目指すのではなく、まずは60点くらいを目指してもらおうと考えたんです。調理が面倒ではなくて、どこでも手に入るもので、いつからでもはじめられる、継続できるものという視点から選んだのが、ツナ缶・みそ汁・魚肉ソーセージの3つです。

――この3つをおすすめする理由や、効果的な食べ方を教えてください。

気血が弱っている人は、まず胃腸を強くしてあげることが大切。朝、7時から9時の間におみそ汁を飲んでください。この時間に温かい発酵食品を摂取することで、胃腸の機能が高まり1日を元気に過ごすことができます。また、頭が働く原動力にもなります。具材はなんでもいいです。これからの季節だと夏野菜。トマト、アスパラ、インゲンなんかもいいですよね。朝からしっかり食べることができないという方は、鰹節を一緒に入れた具なしのおみそ汁を飲むだけでいいです。 ポイントとしては、60℃くらいの温度で食べると胃腸の働きがよくなると思います。

ツナ缶は、動物性たんぱく質を摂取するために最も手軽なアイテムです。鉄分をしっかり摂るとなるとレバーをおすすめしたいのですが、今回は誰でも食べられて、ストックができる缶詰という便利さからツナ缶をおすすめしています。胃腸が弱い人は、脂分が多すぎるともたれてしまうので、油を切ってください。ただし、油を切りすぎると旨味もなくなってしまうので、適度に。

魚肉ソーセージは、おやつのかわりに食べてください。気血不足の人の多くは貧血で、甘いものが食べたくなる傾向が強いのですが、甘いものばかりを食べていると胃腸の機能が落ちてしまいます。そこで、甘いものを欲したときには、代わりに動物性たんぱく質である魚肉ソーセージを食べてください。甘いものだと食べてしまった後悔があるかもしれませんが、魚肉ソーセージであればポジティブなおやつタイムになると思います。

おすすめ気血ごはんレシピ

いずれも「トマトジュース」を使った、夏にぴったりな爽やかなレシピです。

トマトジュースとポークの炊き込みご飯

材料(作りやすい分量)
ランチョンミート(5mmの角切り)…1缶(180g)
コーン缶(無塩)…1/2缶(90g)
トマトジュース(無塩)…1缶(190ml)
白米…2合
塩…小さじ1(コーン缶、トマトジュースが有塩タイプの場合はなくてよい)

作り方
1.米は洗って、時間があれば30分ほど浸水させておく。
2.炊飯器の内釜に水気をきった1,トマトジュースを入れ、2合の線まで水を注ぐ。ランチョンミート、コーン缶、塩を加え、炊飯する。
*いんげん、グリーンピース、アスパラガス、玉ねぎなどを加えてもよい。

お米を食べることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、お米は「気」を補うので、ぜひ食べてほしいです。白いご飯でも、炊き込みご飯でもお好みでいいのですが、炊き込みにして、一緒に動物性たんぱく質も一緒に補うのがおすすめです。

ツナとトマトジュースのそうめん

材料(2人分)
そうめん…2人分(約3束)
ツナ缶…1缶(70g)
トマトジュース…1本(190ml)
青じそ(せん切りにして水にさらし、水気を拭く)…3~4枚
かつお節…適量
塩…ひとつまみ

作り方
1.そうめんは袋の表示どおりに茹で、水でしめておく。
2.器にそうめん、ツナ、かつお節、青じそを盛り、塩をふってトマトジュースを注ぐ。

夏になるとそうめんだけを食べる人が多いですが、ぜひ具材を足して食べてほしいです。暑い季節は、豆腐、枝豆、そうめんで食事を終える人が激増しますが、それでは気血不足になってしまいます。暑さに体力を奪われて気血不足になりやすいので、この夏を元気に乗り切るためには、そうめんにもしっかり動物性たんぱく質をプラスして食べてください。

間違った健康法で、より気血不足に!?

――本の中では、よかれと思ってやっている健康法に間違ったものがあるという紹介があります。気血両虚の方が、やりがちな間違った健康法はなんですか?

例えば、水は2リットル飲んだほうがいいという話をよく聞きます。水は胃腸で吸収されますが、腎臓の代謝能力や体格年齢によって違ってくるので、何リットルが良いということは実は簡単に言えないんです。水分は摂りすぎればむくみますし、消化機能も落ちてしまいます。なので、喉の渇きがないのに水を大量に飲んでいるという方はやめたほうがいいですよ。

――そうなんですね! 一生懸命、お水を2リットル飲んでいる人が見たらびっくりしますね。

人それぞれ体質の差があるので、無理をしないことが一番です。自分がこれを飲むと体が冷えるとか、食べると気持ち悪くなるという感覚は大事にしたほうがいいと思います。夏場は、気温が高くなるので、つい一気に飲んだりすると思いますが、消化機能が落ちるのでよくないです。どんなに喉が渇いていてもガブガブ飲まないように気をつけてください。

また、食事中の水分摂取も控えましょう。胃酸が薄まり消化機能が落ちてしまいますし、唾液の働きを使わずに食べていることになるので、できるだけ控えたほうがいいと思います。食材から得る水分だけで十分なんです。

――本当に、よかれと思ってやっていたことが……ということがたくさんあるんですね。本でご紹介されている、冷え性対策のしょうが湯が落とし穴、というのも衝撃でした。

しょうが信仰はすごいですよね。確かに体を温めてくれますが、摂りすぎはよくありません。摂りすぎると胃が痛くなったり、結果的に体温を下げ、体を冷やすこともあるんです。また、貧血の人は肌が乾燥していることが多いのですが、生姜を摂ることでより乾燥してしまうこともあるんです。何事もほどほどがいいので、摂りすぎることがないように気をつけてください。

――間違った健康法で、気血両虚を悪化させている方もいそうですね。気血ごはんで改善するためにはどのくらい時間がかかりますか?

早い方だと、1週間で何かしらの変化が起きている方がいます。自然と甘いものを欲しなくなったとか、便秘が解消しましたという方、身体がなんとなくラクになった気がするという声もいただいています。 何年もメンタル系で悩んで薬を飲んでも効果を感じていなかった方が、気血ごはんを3週くらい続けて明らかな変化を感じた、という方もいて驚きました。

体調に関しては、大きい悩みから小さい悩みまでいろいろあると思うのですが、短期間でもそれなりに実感できるものをご紹介しています。あくまでも、この本は元気になるための導入として取り入れてほしいです。身体を変えたいと思ったときの1歩に、ちょっと試してみようかなという気持ちで活用してみてください。

(TEXT:上原かほり)

お手軽気血ごはん 1週間で必ず体がラクになる(文化出版局)

瀬戸佳子(せと・よしこ)

国際中医薬膳師。登録販売者。早稲田大学理工学部卒、同大学院理工学研究科修了。 北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。会社員を経て、東京・青山の「源保堂鍼灸院」にて、「簡単、おいしい、体によい」をモットーに、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピ提案を行う。鍼灸院併設の薬戸金堂で、漢方相談も行っている。