【気分が上がる台所 Vol.9】お気に入りのうつわや調理器具、食材、調味料…… 時に億劫にもなる毎日の料理を楽しくしてくれる“モノ”たちが、台所に立つモチベーションを上げてくれることもあります。「料理を全くしない人」だった影山由美子さんが、“キッチンアイテム沼”にハマるに至った数々のエピソードをご紹介。第9回目は、ごはんを炊くのが楽しくなる「ごはん鍋」の話をお届けします。
こんにちは。 クックパッドで“料理が楽しくなるオンラインマルシェ 『Komerco(コメルコ)』の中の人をしている影山由美子です。
今年も新米の時期がやってきました。みなさんは新米、もう食べましたか? 私はKomercoで何人かの生産者さんから取り寄せ、食べてみました。
「新米をいくつか食べた」と言うとよく「どれがおすすめ?」と聞かれるのですが、正直、どれもおいしくて答えに苦労してしまいます。
新米時期の私のこだわりといえば、やや固めに炊いたごはんが好きなので、まだみずみずしさが残る新米の浸水は普段よりも短めで15分程度。水加減はお米と同量くらいにします。
秋の味覚であるつやつやの新米を、みなさんもぜひ楽しんでくださいね。
みなさんは、そもそもお米は好きですか?
最近は日本国内の米消費量が減っているとも言われていますが、私はお米が好きです。パンも麺も好きですけど(笑)、お米は特別。
さっぱりめの食味のお米をちょっと固めに炊き上げるのが好みで、たまに雑穀を混ぜたり、炊き込みごはんにしたり。これに大好物のお漬物と、少し甘めのお味噌汁があればそれだけでご馳走です。
特に、ホッとしたい時、身体が疲れている時、炊きたての温かいお米が恋しくなります。そうそう、お米は腹持ちが良いので、しっかり精をつけたい勝負の日もお米を選びます。
私のごくごく周辺の数少ない統計データではありますが「これから料理をきちんとやろうと思うんです!」という女子は、料理道具の初手として、“ごはん鍋”を求める傾向が高いように思います。
やはり、まずは主食である「お米をおいしく炊きたい」と思うのでしょうか。新米に続き、「おすすめのごはん鍋はどれ?」という質問もよく受けます。
「お米をおいしく炊きたい」となるとごはん鍋の話だけでなく、お米の選び方(意外と知られていない)や研ぎ方、お水選びに鍋の選び方、炊き方…と話したいことが無限に広がってしまうのですが、ここでは、私が普段使っているごはん鍋をご紹介したいと思います。
私は普段、鍋でごはんを炊いています。約10年前、私が料理をするようになった頃。一人暮らし時代から使っていた炊飯器が寿命となり、さあ、新しい炊飯器を買っておいしいごはんを炊くぞ!と意気込んで家電店に行ったものの、あまりの高機能・高額に夫婦二人してびっくり…当時、家にあったストウブで炊き始めたのがきっかけです。
しばらくは家にある鍋で炊いていましたが、ごはん炊き用の鍋が欲しくなり、少しづつ、ごはん鍋を買い足してきました。
写真左からご紹介していきます。
普段、夫婦二人の1食分、1合だけ炊きたい時に使っています。白米だけなら2合まで炊ける容量です。サイズ違いの2合炊きも持っているのですが、1合の炊き込みご飯や白米2合を炊く時にはこちら。白米だけなら3合まで炊ける容量です。
この鍋の良さは、なんと言っても、火にかけて水が沸騰するまで蓋を開けたままで良いので、火加減調節がしやすいことです。たいていの鍋は蓋をしたまま、湯気や音で沸騰したかどうかを見るので、慣れるまで加減がわかりづらいんですよね。その点、この鍋はとてもわかりやすい。また、匂いなど気にならない方でしたら普通に料理の鍋としても使え、重宝します。IHでも使用できます。
こちらはKomercoを始めてから知った、カネフサ製陶さんのごはん鍋。このサイズで1合〜3合が炊けます。カレーや炊き込みご飯など、ちょっと多く食べたい時にこの鍋を使用しています。
カネフサ製陶さんの鍋の良さは、強火から弱火に火加減調整しなくて良いこと! 火にかけたら中強火で"炊きあがりまでそのまま"の気楽さです。火加減調整なし、というのは最初半信半疑だったのですが(笑)、中強火の加減さえ掴めば本当にそのままでおいしく炊きあがり、「便利」の一言。土鍋では珍しくさまざまなカラーバリエーションがあり、色選びも楽しいごはん鍋です。
これは完全にフォルムのカッコよさと、羽釜で炊いてみたい!という欲求で買いました。 鉄なので、お米が炊きあがったらすぐお米をお櫃に移す必要があるのと、錆びないように洗った後すぐに水分を取る必要があります。また、蓋のサワラも乾燥で割れないよう、炊く前に浸水しておく必要があります。
それなりに手間がかかるごはん鍋ですが、お米がシャキッとおいしく炊きあがります。そして繰り返しますが、フォルムがとってもカッコいいです。
ホームパーティーなどでたくさん炊く時に登場する、雲井窯さんの5合鍋。これは、前職でチームメンバーだった女子達から「母の日」で頂いたもの。私の憧れの鍋だったので、とても嬉しかったのを覚えています。
この鍋は有名料亭でも使われているだけあり、性能の良さはもちろんなのですが、なんと言ってもそのカッコよさ。食卓にそのまま出した時の佇まいに、ゲストたちも痺れます。
ということで、私はごはん鍋を使い分け、さらにごはん炊き用ではない鍋でも炊いてみたり、といろいろな鍋でごはんを炊いています。
炊きあがったごはんのおいしさは、鍋だけではなく、お米そのものや炊く水などでも変わります。鍋だけでおいしさの優越はつけ難いと思います(それだけ、それぞれおいしく炊きあがる)。
炊飯器と比べ、鍋が致命的にできないことは「保温」。ごはん鍋は保温ができませんから、残ったごはんはラップにくるんで冷凍しています。冬場は、夜炊いて残ったごはんをそのまま鍋で保存し、朝、だしと具を追加して火にかけ、おじやにしたりしています。
私は炊飯器時代、保温したまま忘れてカピカピになったごはんと対面することがしばしばありましたので…逆にその自己嫌悪から解放されました。
炊飯器は火加減や蒸らし時間を気にする必要がないからラク、という方も多いでしょう。確かに、鍋だとその点は自動的に、とはいきません。しかし、実際、鍋でごはんを炊き始めた人たちは口々に「慣れれば手間ではない」と言います。
私も炊飯器から鍋に変えた頃、この部分が気になっていましたが、あっという間に慣れたことを覚えています。それよりも、自身で火加減調整して上手に炊きあがった時の達成感と言ったら! おいしさも、喜びも、楽しみも、格別!の一言です。
そうそう、鍋でごはんを炊くことに慣れていると、どんな鍋ででも、どこででも、ごはんが炊けるようになります。キャンプなどのアウトドアでも、海外で炊飯器が無くてもお米が炊けるのは地味に役立つスキルです。
私の拙いごはん鍋歴が、どなたかの新たな「ごはん鍋」の楽しみのきっかけになれば幸いです。お米の選び方、研ぎ方、お水選び…などは、またの機会に。
夫と犬二匹と葉山ぐらし。何でも形から入るタイプです。
いかに簡単に、見栄えの良い料理を作るかが自身のテーマ。最近、旦那が料理に目覚めた。
うつわ好きすぎて2,000枚以上集め、料理道具好き、調味料大好きなマキシマリスト。
料理が楽しくなるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ) by Cookpad』 中の人です。
【Web】https://komer.co/
【note】Yumico Kageyama
【Instagram】@yumico_kageyama
調味料、食材、料理道具、うつわやカトラリーなどの“料理が楽しくなるモノ”が買えるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ)』。自身の手でつくるモノで料理を楽しんでほしいと願うクリエイターさんから、Web、スマートフォンアプリで直接お買い物ができます。
▶アプリのダウンロードはこちらから!(※ iOS限定アプリ)
【Komerco Instagram】@komerco_official
調味料、食材、料理道具、うつわやカトラリーなどの「料理が楽しくなるモノ」を厳選しているオンラインマルシェ『Komerco』。本書ではKomercoで連載している「コメルコバナシ」を再編集し、毎日の家ごはんが少し楽しくなるような、季節のレシピやこだわりの料理道具などを紹介します。毎日の料理がもっと楽しく、ワクワクするものになるきっかけが見つかる1冊です。
>>> 詳しい内容をチェック!
【ご購入はこちらから】
・Amazon Kindleストア
・honto
・楽天kobo