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インタビュー

YouTubeチャンネル登録者数58万人超え!ベルギーパティシエに教わる、極上の「クリスマススイーツ」をおうちで作るコツ

チャンネル登録者数が58万人を超えるYouTubeチャンネル「Les sens ciel」。ベルギー在住のパティシエ・レソンシエルさんが、プロならではのコツを伝えながら、美しいスイーツが完成するまでを見せる動画が人気のチャンネルです。今回はクリスマスに向けて、定番のブッシュドノエルをおいしく作るコツや上手な生クリームのたて方など、おうちクリスマスが楽しくなるプロのワザを教えていただきました。

YouTubeを続けられるのは時間に余裕のあるベルギーでの生活のおかげ

――YouTubeチャンネル登録者数が58万人を超える人気ですが、始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

実は最初はお菓子作りの動画を出すつもりはありませんでした。

妻がちょうど動画の編集を趣味で始めて、最初は彼女がベルギーの生活や街歩きの動画を投稿するチャンネルをやっていく予定でした。ある日、「カメラを回すからケーキを作ってみてくれない?」と言われて撮影したのが最初のきっかけです。編集した動画を見てみたら意外と良くて、このまま投稿してみようというのが始まりでした。

最初は家族や友人だけの登録者数人のアットホームなチャンネルでしたが、ゆっくりと少しづつ伸びていきました。続けて来られたのは、ベルギーのパティスリーは日本とは違い、かなり時間にゆとりがあり生活に余裕があったことも理由の1つです。日本の現役パティシエで動画投稿している方は本当にすごいと思います。

――YouTubeチャンネルを開設してから、一番反響があったものや印象深い視聴者からのコメントを教えてください。

「ボンボンショコラ珈琲ガナッシュ」がチャンネルが大きくなったきっかけです。バレンタイン前でしたが、ボンボンショコラの作り方に興味を持つ人は多くないだろうなと思っていました。しかし当時の自分たちのチャンネルの中では類を見ないほどのすごい伸びで、少しビビったのを覚えています(笑)

当時まだあまりボンボンショコラの動画を出す人がいなかったというのも理由なのかなとは思いますが、何がバズるのか本当に全く読めません。

また、本当に皆様から温かいコメントをいただいて、支えられています。特に初期のアットホームな雰囲気の頃に毎回コメントをしてくださった方たちとはまるでファミリーであるかのような絆を僕は感じています。その頃の方達で今もコメントをくださっている方は実はもうあまりいらっしゃらないのですが、皆さん進学や就職したりとそれぞれの道で頑張っているのだなと思うと僕も力が湧いてきます。

もちろん初期の頃からでなくても毎回コメントをくださる方のお名前は覚えていますし、初めてコメントくださる方も本当にありがたいと感じています。返信やハートをつけるのが滞ったり遅れたりしてしまって申し訳ない気持ちです。

お菓子作り成功のコツはイメージトレーニング!

――YouTubeチャンネルに「クリスマスレシピ」のリストを作っていらっしゃいますが、なかでも「ブッシュドノエル」のレシピを多く登録されています。お菓子作り初心者の方におすすめの動画を教えて下さい。

うーーん。初心者の方だとムース系は少し難しいかもしれません。クリスマスのレシピ動画では無いのですが、「基本のふわふわロールケーキ#113」などいいかもしれません。

ロールケーキの形はブッシュ(薪)の形を表現できますし、ふわふわ生地はお菓子作りの「基本」の要素が多く含まれています。初心者でこれからお菓子作りを始める方がチャレンジするにはぴったりのレシピだと思います。

動画ではシンプルにクリームを巻いただけですが、いちごを中に入れたり、上にクリスマスの飾りをデコレーションすればクリスマス気分を盛り上げてくれる一品になると思います。

――おいしく作るためのコツや絶対に守って欲しいことはなんでしょうか?

初心者の方は、まずはイメージトレーニングが大切です。お菓子作りにはタイミングが命なので、作業をその都度確認して手を止めてしまうと大切なタイミングを逃してしまうことになります。

作りたいお菓子の書籍や動画を何度か見て頭の中でイメージトレーニングをしておくと、かなりスムーズに作業を進めることができると思います。

また、前もってできる準備はなるべくしておく、例えば材料の計量や型にしくオーブンペーパーの準備、使う道具を手に取りやすい位置に配置しておくなど、これだけで些細なミスを防げます。

あとは初めてのお菓子作りはレシピを忠実に守ることも大切です。材料や手順には1つ1つに意味があります。ちょっと手間や面倒だなと感じても忠実に再現することが成功の近道です。

この辺りは1冊目の書籍『ベルギーパティシエがていねいに教えるとっておきのごほうびスイーツ』(KADOKAWA)のお菓子作りの約束に詳しく載っていますので、そちらもよろしければご参照ください(笑)

――ロールケーキをキレイに巻くコツを教えて下さい!

中のクリームの固さは固めの方が良いです。しっかりとクリームを立てて固めを心がけてください。ロールの中心に芯があると、巻きやすくキュッとしめるように巻くイメージもつかめると思います。中に苺やバナナなどのフルーツを入れるなど、初心者は芯を作った方が巻きやすいです。

途中で迷うとゆるんでしまうので巻き始めたら一気に巻くようにイメージしてください。 あとは先ほどと重複してしまいますがYouTubeなどでロールケーキを巻いている方の動画を何度か見て、手の動かし方や道具の使い方などイメージトレーニングをしておくことも大切です。

上手に生クリームを泡立てるには?

――生クリームを泡立てすぎてボソボソになったり、逆に泡立てが弱くて生クリームがダレてしまう…というのは、よく聞くお困りごとです。上手な「生クリームの泡立て方」を教えてください。

初心者の方は室温にも気をつけた方が良いです。室温が高いとボソボソになりやすいのでなるべく室温は低めで。立つのがゆっくりにはなりますが氷水を当てながら立てるのも有効です。 どうしてもボソボソになって困ってしまった場合は生クリームを少量加えてホイッパーで混ぜて固さを調整するという方法もあります。

逆に泡立てが弱くて生クリームがダレてしまう、というのはおそらくどこまで立たせるのか分からないという事だと思うのですが、生クリームがちょうど良い固さになるタイミングは意外と難しくハンドミキサーだとタイミングを逃してしまいがちです。なのでハンドミキサーで7割程度(クリームが流れるけれど跡がほんのりと残るくらい)まで立ててあとはホイッパーに持ち替えて手で調整するとちょうど良い固さに立てることができると思います。7割まで立っていたらあとは手でも比較的すぐに立ちます。

――プロのワザが光る“ナッペ”に憧れます。お菓子作り初心者でも綺麗に“ナッペ”するコツはあるのでしょうか?

土台になるスポンジが台形になっているとナッペしづらいので、サンドするときになるべく綺麗にサンドするようにこころがけること。どうしても形が歪になってしまう場合はセルクルで同じ形に抜いてしまうのも1つの手だと思います。

いちごがはみ出ないようにすること。スポンジの外側1cmくらいは苺を乗せないことも重要です。

サンドする生クリームは固めの方が、ナッペする時にずれないので固めの方が良いと思います。なるべく手数をかけない方が綺麗に仕上がるので、そのためには土台をきちんと作ることが大切です。

あとは2度塗りも綺麗に仕上げるコツです。1回目は固めのクリームで塗り、2回目は緩めのクリームでサラッと塗ると綺麗に仕上がります。

パティシエも初めての時にいきなりきれいにナッペできる人はいません。何度か作ってだんだんとコツを掴んでいってほしいです。

失敗しても落ち込まない!変化を楽しむ余裕をもって

――お菓子作り初心者の方へ向けて、レソンシエルさんからのメッセージをお願いします!

お菓子作りは一回ハマるとどんどんハマっていってしまうと思います。道具も少し揃えるとたくさん揃えたくなります。そのくらい魅力的で楽しいことです。

楽しい反面、必ずついてくるのが「失敗」という壁です。一度失敗してもあまり落ち込まずに、その都度表情は変わるのでその変化を楽しめるような余裕を持てるといいかもしれません。

レソンシエルさんの新刊著書

ベルギーパティシエがていねいに教える 定番だけど極上の焼き菓子』(KADOKAWA

「『焼き菓子』がテーマになっていますので、初心者の方向けの簡単でシンプルなレシピもたくさん掲載されています。また焼き菓子はお菓子作りの基本なので一見シンプルに見えますが奥が深く面白いものです。

同じレシピで作っても作る人が違えば表情が変わりそれがまた面白いところでもあります。今回は基本のレシピからそれを応用した中級、上級者向けのレシピを揃えてありますので、幅広い方に楽しんでいただけるのではないかなと思っています。

初心者の方も基本をマスターしたらどんどんレベルアップしたレシピにチャレンジしていける本になっています。各章のお菓子をマスターしたら気づいたらお菓子作り上級者になっているでは? と思います。

また、前回の書籍同様にベルギーでの生活や仕事のことを書いたコラムもたくさん載っています。編集さんからのアイディアでお菓子に合う飲み物の紹介も、ヨーロッパの小話も話しつつご紹介しています。

いつも視聴者の皆様から褒めていただけるイラストも頑張りました。レシピはもちろん読み物としても楽しんでいただけたら嬉しいです」(レソンシエルさん)

マドレーヌ、フィナンシェ、ガレット、クッキーなど馴染みあるものから、伝統菓子メローケーキやアレンジカヌレなどこだわりの焼き菓子まで登場する充実の一冊です。ぜひチェックしてみてくださいね。

レソンシエル

ベルギー在住のパティシエ、ショコラティエ。フレンチの料理人である父の影響でパティシエに。日本の複数の洋菓子店で修業したのち、チョコレートの本場ベルギーへ渡り、ショコラティエになる。2015年、ベルギーにて若手パティシエの登竜門として知られるコンクールで優勝。2019年、チョコレートの世界大会「ワールドチョコレートアワードファイナル」でシルバーを受賞。2018年、レシピや旅の動画をYouTubeに投稿開始。美しい動画や優雅なBGMに癒されるとフォロワーの評価が高い。初書籍『ベルギーパ ティシエがていねいに教える とっておきのごほうびスイーツ』も大好評発売中。

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