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コラム

新生活をスタートしたあなたへ。夢だった「パティシエ」の職場で苦しんだツイート主が救われた「適当に生きる」大切さとは?

【Twitterでバズったごはん Vol.60】市販品などを上手に使い、ササッと作れておいしいレシピが日々投稿されているTwitter。その中から、とくに話題を集めたレシピや便利な料理の知恵を、編集部がピックアップしてお届けします。

職場で悩みながら「適当に生きる」大切さに気づく

Twitterでバズった料理に関するツイートに注目し、多くの人の心を鷲掴みにしたヒミツを解き明かしていく連載をお届けします。第60回目に注目したのは「夢をあきらめないパティシエ」です。

今回megu'caféさん「中学2年生から社会人になるまでに作ったケーキ」の画像をツイートしたところ、多くの方から注目を集めました。中学2年生の頃に作った素朴なケーキから、社会人1年目に作った本格的なケーキまで、夢に向かって腕を磨き続けてきた日々が見えてくるかのようです。そんなmegu'caféさんですが、子どもの頃から夢だったパティシエ(パティシエール)になったものの、理不尽な職場で悩んだときに、「適当でいいんだよ」という言葉に救われたのだそう。では、megu'caféさんに詳細を伺ってみましょう。

10歳のときにドラマを観て衝撃を受ける

−−まず、お菓子作りを始められたきっかけは?

megu'caféさん:お菓子作りのきっかけとしては、元々母の影響でお菓子作りは好きでやっていたのですが『息もできない夏』(フジテレビ系)という武井咲さん主演のドラマを小学4年生10才のときに観て、お菓子作りの華麗なるパティシエの仕事現場のシーンに衝撃を受けて、パティシエを目指しました。その後、ケーキ屋さんに寄ったときにナッペ(ケーキなどの表面にクリームなどを塗ること)しているパティシエの姿を初めて見たときにかっこよくて「私もこんな魅力のあるケーキを作れるようになりたい」「自分の大好きなことを仕事にして自分の人生を最高に楽しいものにしたい」と思い、パティシエ目指しました。

−−子どもの頃からパティシエを夢見ていたのですね。特に好きなものや、得意なお菓子はありますか?

megu'caféさん:特に好きなお菓子はカヌレ(フランスの伝統的な洋菓子)で、得意なお菓子は焼き菓子よりも生菓子、ショートケーキやムースケーキの方が得意です。

お菓子作りは“人間”のように繊細

−−お菓子作りを通じて、異国の歴史にも触れられる面白さを改めて感じました。ところで、お菓子作りの魅力を教えてください

megu'caféさん:本当にお菓子作りは料理と違って繊細で、計量や仕込みから焼きまで、少しでも手を抜けばその分失敗するし、お菓子の状態に合わせて対応を変えないといけないような、まるで人間と同じではないかと思います(笑)。丁寧に作れば作るほど、綺麗で繊細なお菓子になるところが魅力です。

「適当でいいんだよ」の言葉に救われる

−−夢を叶えてパティシエの職に就いたものの、職場では閉鎖的な人間関係や時間外労働、パワハラなどに相当悩まれたそうですね。YouTubeチャンネルの動画も視聴したのですが「適当でいい」という言葉に救われたエピソードが印象に残りました

megu'caféさん:「適当に生きる」ことの良さは、私は小学4年生からパティシエを目指して来て、パティシエ以外の職業は目にも留まらず、専門学校で奨学金を借りて就職しました。そのため、どんなに過酷で精神面が壊れそうな仕事でも、辞めるということが悪いことだと思ってしまったり「最悪3年は絶対頑張れ」と学校の先生に言われて卒業したので、合わせる顔がなかったりと、色々考えすぎてしまってかなりパンクしていました。ただ、彼氏に「適当でいいんだよ」と言ってもらったときに、仕事を辞めたら次の目標を探せばいいし、毎日考え込むのをやめるようにしました。すると気が楽になって、適当すぎるのは良くないけれど、適度に適当になることは自分の将来的にやりたいことを改めて考えられるきっかけになりました。今、もしも私と同じように仕事や学校、人間関係などで悩みすぎている方が居たら、適度に適当になって心が軽くなればいいなと思い、YouTubeチャンネルで動画を公開しました。

退職後も新たな夢に向かって

−−退職を決意されてからもお菓子作りを続けてらっしゃいますが、今後の夢や目標を教えてください

megu'caféさん:今後、私の夢は、まずYouTubeでお菓子作りの楽しさやケーキの魅力をたくさんの人に知って頂きたいので、チャンネル登録者数1000人が目標です。そして、将来の最終的な夢はケーキ&カフェを開業することです。自分の彼氏がホテルパティシエをしているので、その経験を活かしたいですし、私も現在はカフェでバリスタの勉強をしているので、たくさんの知識と技術を身につけて、おいしくて感動してもらえるような本格ケーキと、大人から子どもまで楽しめるようなドリンクを作れるカフェを二人で開業するのが夢です。

自分次第でどうにでもなる!

−−では最後に、今回バズったことで反響はありましたか?

megu'caféさん:今回Twitterを多くの方に見ていただいたことで、たくさんの温かいDMを頂いたり、YouTubeを改めて観ていただいて「お菓子作りチャレンジします!」というコメントや、「夢を叶えられているのが凄い」という内容のコメントをいただきました。また、「お金を払ってでもmegu'caféさんのお菓子を買いたい」とおっしゃって頂いたときは本当に嬉しかったです。今までやってきたことも、今取り組んでいるYouTubeも無駄ではなかったと思うことができ、前向きな気持ちになれました。感謝の気持ちしかありません。私のYouTubeは日常的なお菓子作りをテーマにしているので、観ていただいた方におうち時間の暇な休日などに、焼き菓子や特別な日のケーキやタルトを作って頂き、いつもよりちょっと特別な日にしていただきたいです。また、もしも何か精神的に悩んでいる方や、日々辛い思いをされている方には、「適当に生きる」をモットーに、今後の未来を重く考えず、「自分次第でどうにでもなる」っていう考え方で生きていってほしいと思います。

長年の夢を叶えて、一度は壁にぶつかりながらも、夢へ向かって再び歩み続けているmegu'caféさん。適度に適当に生きてみようと試みたことで、新たな道が切り開かれたのでした。ぜひ、4月から新しい環境でがんばっている方や、ちょっと大変な思いをされている方も、ツイート先やYouTubeを楽しみながら心身の力を抜いて、愛らしい春の花々のようなお菓子で癒やされてみませんか?

(TEXT:八幡啓司)

megu'caféさん
元ホテルパティシエ。現在はカフェ開業に向けて奮闘中。手作りのお菓子などをツイートするほか、「日常にちょこっとsweetsを」テーマにYouTubeでvlogを投稿している。

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