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コラム

学生料理家・暖(のん)さんに聞く、春からのお弁当生活を楽しむ”ゆる弁”のコツ

管理栄養学を学んでいる現役大学生の暖(のん)さん。高校生のときからはじめたお弁当を投稿するインスタグラムは、7.7万人にフォローされるほど人気を集めています。そんな暖さんが、今回は初のレシピ本を発売しました。お弁当作りを続けられるコツや、おすすめのレシピについて聞きました。

置いておくだけで楽しくなるようなレシピ本

――レシピ本の出版、おめでとうございます! 昨年インタビューをさせていただいたときは大学生活がスタートしたばかりの頃でした。この1年で本の出版に至った経緯を教えてください。

昨年の10月に、出版社の方から直接ご連絡をいただいて出版が決まりました。インスタグラムでお弁当の投稿をしながら、いつかは自分のレシピ本を出したいという気持ちがあったのですごくうれしかったです。お弁当を作って写真を撮るときも、レシピ本発売を見据えていろんな角度から撮影していつか使えるように準備をしていたんです(笑)

――念願のレシピ本ということですね。今回、レシピ本を出すにあたり、どのような部分をこだわりましたか?

レシピ情報を見るだけのレシピ本にはしたくないなという気持ちがありました。例えば、キッチンに1冊、このレシピ本を置いておくだけで楽しくなるような本にしたいなという思いで作りました。また、コンセプトとしてはやはり、家族のためのお弁当ということを大切にしているので、そのことはタイトルで伝わるようにしていただきました。

――暖さんの、「家族のために」という思いで作るお弁当は、本当にどれもおいしそうですよね。

よく、家族のためにお弁当を作るなんて偉いねと言われます。でも、私がお弁当を作るのは、シンプルに料理が好きだからなんです。それを家族に食べてもらって感想を言ってもらえたり、おいしいと言ってもらえるのがうれしいんです。親孝行というわけではなくて、「おいしい」と言って喜んでくれる姿が見たくて作っているという感じです。

時短や簡単を意識して作ったレシピ本

――普段はSNSでお弁当の紹介をしている暖さんですが、今回レシピ本にするにあたり大変だった部分があれば教えてください。

私のSNSを見てくださる方は主婦やひとり暮らしで朝忙しい方が多いのですが、今回レシピ本にするにあたり、「時短」や「簡単」というポイントを取り入れて欲しい、と言われたのがちょっと難しかったです。普段のインスタグラムの投稿ではあまり意識していない部分も、本になるとすごく重要だったりするんだなという発見がありました。

――SNSとレシピ本では、同じレシピでも見せ方が違うんですね。 インスタグラムは、その時にアップしたいものを掲載していますが、レシピ本は、編集の方に「時短」や「写真映え」という章を作ってもらいながらレシピを出していきました。テーマ別にレシピをまとめるということをSNSではしないので、おもしろい見せ方だし、見応えがあるなと感じました。料理の写真も、スマホの画面で見るものと、紙の状態で見るのでは印象が違うんだなぁと感じました。

手間ひまをかけたおいしさを知る

――暖さんは今、管理栄養士を目指すために大学生活を送られていますが、学生生活と学生料理家、弁当作家を両立するのは大変ではないですか?

想像はしていましたが、管理栄養の勉強はかなり大変です。テスト期間が長いので、その時期はお弁当作りをストップすることもあります。普段も、以前に比べるとなかなか料理のための時間が作れなくなっています。帰る時間が遅いので、朝のうちに夕飯の準備をしておきたくて、家を出るぎりぎりまで料理をしています。

――本格的に栄養学を学びはじめたことで、料理に対しての意識が変わったという点はありますか?

大学1年のときは、週に1度調理実習があったんです。そこで、衛生的なことから出汁の取り方、ご飯の研ぎ方、炊き方などの基礎の部分からしっかり勉強したのですが、「昆布とかつを節を使って一から出汁を取ると、こんなに味が違うんだ!」とびっくりしました。最初の1年で、手間ひまかけて料理を作る大切さと楽しさを知り、普段の食卓でも取り入れるようになりました。

――学んだことをしっかり実践されているんですね。家でも毎回出汁を取っているんですか?

毎回、出汁から取るのは大変なので、時間がない日は市販の顆粒出汁やだしパックに頼ることもありますし、多めに出汁を作って保存容器に入れて真空状態にしたものを冷凍したりもします。あとは、週末の時間があるときに、丁寧に時間をかけて作り置きを作ります。
やはり手間ひまかけたもののおいしさを知ってしまったので、家族にもできるだけ本物の出汁のおいしさを味わってほしいなと思っているんです。

新しい食材や調理法に挑戦して楽しむ

――今回のレシピ本を見ても、これだけレシピが作れるのはすごいと思います。マンネリ化しやすいお弁当作りを楽しむコツはなんですか?

食材選びはすごく大事だなと思います。同じ食材ばかりを買うと、同じレシピばかりを作ることになるんです。私は、週末に父と一緒に買い物に行き、「この野菜、使ったことないな」とか、「初めて見た!」というものを積極的に選んでいます。買い物に行った先で出会った食材から、献立を決めるのはワクワクして楽しいし、レシピが増えます。

――新しい食材に挑戦するのはハードルが高いと感じる方にアドバイスできることはありますか?

ブリの照り焼きばかり作っていたことがあるんですけど、ある時、視点を変えてトマト煮の洋風アレンジにしてみたんです。その他にも、ブリカツやピカタにも挑戦してみました。同じ食材で、いろいろな調理法、味付けに挑戦することで、レシピのレパートリーが増えると思うので、ぜひ試してみてください。

お気に入りのお弁当箱でモチベーションアップ

――新生活がスタートして、この春からお弁当生活がはじまったという人もいると思います。お弁当作りにはモチベーションが必要だと思うのですが、暖さんが、お弁当作りのモチベーションをあげるためにしていることはなんですか?

私は、お弁当箱をわっばのものに変えてからお弁当作りが楽しくなりました。わっぱのお弁当箱は、ごはんがおいしくなるし、見た目もかわいいので写真も映えて気持ちがあがるんです。なので、お気に入りのお弁当箱を使うというのはおすすめです。私は、すごく気分が変わりました。

――形から入るというのはすごく大事ですよね。毎日続くことだからこそ、意識したいことはありますか?

ほど良く手抜きに。という気持ちが大事だと思います。SNSでお弁当の投稿を見ると、「みんなこんなにすごいお弁当を作っている!」という気持ちになりがちだけど、自分ができる範囲で楽しみながら作るのが一番だと思います。お弁当作りが嫌いになってしまったら終わりなので、そうなりそうなときはお弁当作りを休むことだって必要。私も、「明日は作れない」という日がありますよ。

――高校生のお子さんをお持ちの方は、暖さんのように自発的にお弁当を作って欲しいという気持ちを持っていると思います。子どもが自発的にお弁当作りをする方法ってありますか?

私は、親から何か言われてはじめたわけではなくて、自分から作りたいと思ってはじめたので、こう言われたら作りたくなったというアドバイスは難しいです(笑)。でも、お弁当作りは楽しいものだというのが伝わると良いなと思います。お弁当グッズをかわいいものにしたり、作る過程を楽しめたり、何かしら楽しいと思えるポイントを知れば、作ってみようという気持ちになるかもしれません。

ーー今回のレシピ本でおすすめのレシピを1品教えてください。

レシピ本を見て作ったよ! と言っていただくのが1番多いのが、「ひと口えびカツ」です。SNSのフォロワーさんや友人からも、「おいしかった」という声が多いので、ぜひ作ってみてください。

ひと口えびカツ

材料(6個分)

えび(殻付き/無頭)…20尾(200g)
はんぺん…1枚(100g)
塩…適量

片栗粉…大さじ1
塩・こしょう…各少々

薄力粉…適量
溶き卵…1個分
パン粉…適量
揚げ油…適量

トマトケチャップ…大さじ3
マヨネーズ…大さじ2

作り方

1. えびは塩をもみ込み、洗い流す。殻をむいて尾を取り、背ワタを取り除く。ペーパータオルで水気お拭き取る。
2. ポリ袋(またはボウル)にえびを入れ、mン防などですりつぶす。はんぺんも加えてさらにすりつぶす。Aを加えてもみ込み、6等分して丸く形を整える。薄力粉、溶き卵、パン粉を順につける。
3. フライパンに深さ2㎝ほどの揚げ油を入れて170℃に熱し、2. に入れる。2分間揚げたら上下を返し、さらに2分間ほどこんがりと揚げる。混ぜ合わせたBのオーロラソース(またはウスターソースなど)を添える。

(TEXT:上原かほり、人物撮影:廣瀬靖士、料理撮影:暖)

 のんさんの新刊著書

弁当作家の学生が毎日作る 家族と自分のゆる弁』(主婦と生活社

「写真をペラペラめくるだけでも楽しい一冊になっていると思います。実際に作るか作らないかは別として、作ってみたいなと思いながら見てもらうだけでもうれしいです。自分で1から考えた、インスタにも登場していないレシピもあるので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです」(のんさん)

取材協力

暖(のん)さん

日々のお弁当作りを中心に料理の楽しさを発信する、学生料理家。高校時代からSNS人気を博し、現在は管理栄養士を目指して大学で勉強中。 料理、お弁当作り、お菓子作りが大好きで、家族の毎日の食卓を支えています。
独特の素敵なセンスが魅力のSNSは、眺めているだけでも楽しいお弁当写真が満載なので、要チェック!

2022年3月に初の著書
弁当作家の学生が毎日作る 家族と自分の"ゆる弁"』(主婦と生活社)
を出版。

クックパッドニュースでは
学生料理家・暖(のん)の推しおかず 
を連載中。

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