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コラム

お金持ちとお金に困る人、何が違う?金融のプロに聞くたった一つの「差」

富裕層から一般の家庭まで、延べ1000人以上からお金の相談を受けてきた現役保険営業マンの宋世羅(そん・せら)さん。YouTubeチャンネル「宋世羅の羅針盤ちゃんねる」では保険や投資などのお金に関する情報をプロの観点から発信しています。今回は、お金持ちとお金に困る人の違いについて教えていただきました。

お金に困る人は「自分の価値観」がない

――富裕層から一般の方まで多くの人のマネー事情を見てきた宋さんにお聞きします。「お金持ちとお金に困っている人の違い」って何でしょうか。

端的に言うと、お金に困っている人は「自分の価値観」がない人が多いですね。もっと言えば、「自分の幸せを定義できていない」という印象です。

明確な価値観がないからブレやすく、周りの人やSNSに影響されてしまう。結果として大して欲しくないものをちょこちょこ買ったりという「なんとなく」の支出が多くなりがちです。一定の収入があるのになぜか貯金ができない、お金に困っているという人に多い特徴ですね。

資産1億円以上のいわゆる「お金持ち」と接して思うのは、彼らはかなり明確に自分の幸せを定義づけているなという事。他人が持っているから、流行っているから…という理由ではお金を使わないですね。

ーー「自分の幸せの定義」に沿ってお金を使ってるんですね。

逆に、普通の感覚では考えられないようなお金の使い方をしているケースもありますよ。超高級車を何台も所有していたり、派手な夜の付き合いをしていたり。でもそれは全部自分の幸せの定義に基づいてお金を使っているから「無駄使い」ではないんですよね。

他人から見れば無駄に見える支出も、それが自分を幸せにするなら全然OK。これは自由になるお金が限られている、一般的な収入の人にも言えますね。

自分の幸せを定義するために

ーー自分の幸せを定義するってなかなか難しいですね…。

難しいですよね。ただ、お金持ちの人って「幸せって何?」「働くって何?」という抽象的な問いに、ズバッと答えられる人が多い。これは、常に自分に問いを立てているからだと思います。綺麗な答えじゃなくてもいいんです。なぜ?を繰り返し自分なりの答えをとことん考えることで、幸せが定義づけされていくと思います。

他にも、小さなことでも自分の基準で判断する事が大切ですよね。起業とか転職とか大きなアクションじゃなくてもいい。みんなビールだけど私は梅酒とか、そんなんでいいんですよ。

自分の価値観に基づいた行動を続けることで、いろんなことが自分基準で判断できるようになると思っています。大切なのは、自分の幸せは何かを知ること。これは誰も教えてくれないので、自分で考え続けるしかないと思っています。

幸せの価値観が明確なら「お金持ち」じゃなくても幸せ

僕自身、大手の証券会社を辞めて何の保証もないフリーランスになった経験があります。これも自分でなぜやるのか、何のためにやるのかという問いに向き合い続けて決めたこと。

自分の幸せや目標がハッキリしていてブレない軸があれば、いわゆる「お金持ち」でなくても幸せに暮らせるとも思います。

経済的な自由を得るために収入を増やすことも大事だけど、まず自分が何を得て、どういう状態であれば幸せなのかを知ることが大事ですよね。ここが意外とぼんやりしている人は多いと思います。

僕もまだまだ明確化できてない部分があるし、全然「お金持ち」ではありません(笑)。でも、自分の幸せの定義が明確なら、あらゆる判断を迷わないしブレない。そういう自分でありたいと思っています。

(TEXT:Yoko Fujie)

宋世羅(そん・せら)

1989年2月生。大阪府出身。早稲田大学人間科学部卒。新卒で野村證券に入社し4年間営業マンとして勤務後、独立。現在はフルコミッションの保険営業マン。2020年2月よりYouTube「宋世羅の羅針盤ちゃんねる」にてお金に関する情報を主に発信。現場のプロとして、保険や投資などの「金融知識」を一般の人に分かりやすく伝えている。

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