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血糖値が気になる方へ!「何を食べたらいいの?」を解決します!

血糖値が気になる方の一番の疑問は、「で、結局、何を食べたらいいの?」ではないでしょうか。 血糖値が気になる方におすすめしたいものは、食物繊維が豊富な食べ物です。野菜、海藻、きのこ類を1日3回の食事に取り入れることで、食後の高血糖予防に役立ちます。 今回は血糖値が高くなる仕組みから、食物繊維がなぜ有効なのかを詳しく解説していきます。さらにはあすけん栄養士おすすめの食べ物と、簡単に作れるレシピもご紹介します。

血糖値が高くなるのはどうして?

血糖値とインスリンの働き

血糖値の材料となるのは、主に食事中の糖質です。糖質がブドウ糖まで分解され、血液中に入り込むことで血糖値が上昇します。

血糖値が高くなるとインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンの働きで血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれ、エネルギー源として使われることで血糖値が下がります。

エネルギーとして使われずに余ったブドウ糖は、肝臓や筋肉に貯蔵され、空腹のときでも血糖値が下がり過ぎないようにコントロールされます。それでも余ったブドウ糖は、中性脂肪へと姿を変え、脂肪細胞の中に入り込んで内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。

血糖値が高くなってしまう仕組み

健康な方は食後に血糖値が高くなっても、インスリンの働きで2時間後には正常値近くまで血糖値が下がります。

インスリンがうまく働かなかったり、インスリンの分泌量が少なくなったりすることで、ブドウ糖は細胞の中に入ることができず、血液の中で余ってしまいます。食後の血糖値が下がりにくくなり、食事をして2時間後の血糖値が140㎎/dl以上ある場合は「高血糖」と判断されます。

このインスリンがうまく働かなくなる原因として、多くの場合は生活習慣が関わっているとされています。内臓脂肪が蓄積されることでアディポサイトカインというインスリンの働きを妨げる物質が分泌されることや、運動不足、高脂肪食、ストレスなども関連していると考えられています。

さらに、血糖は筋肉で貯蔵・消費されるため、筋肉量が少ないと食後のブドウ糖を十分に筋肉にうまくため込めず、高血糖になりやすくなると考えられます。

高血糖を放置すると?

食後の高血糖が続くと血液中に糖があふれた状態となり、血管をもろくしたり、つまりやすくしたりする原因となります。つまり動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞の発症リスクを高めてしまいます。

食後高血糖が続いても、ほとんどの人は自覚症状がありません。ですが自覚症状がない状態でも血管への影響が続きます。血糖値が気になる方は早めの対策はもちろん、定期的な健康診断で問題がないか確認しておくことも大切です。

血糖値を下げるためには?

食物繊維を摂るためにプラス1皿をとろう! 血糖値が気になる方には、食物繊維の摂取が勧められています。食物繊維はヒトのカラダの中で消化できない栄養素で、食後の血糖値の急激な上昇を防いでくれる働きがあります。

食物繊維を十分に摂り、食後の血糖値を急激に上げない食べ方をすることで、インスリンの働きや量が少なくてもインスリンを効きやすい状態を作ることができます。

さらには食べ過ぎ予防や、満腹感を長持ちさせる効果も期待でき、肥満がある方の改善にも役立ちます。

食物繊維による効果は、血糖コントロールの改善、糖尿病リスクの低下、心臓病や脳血管疾患の合併症のリスク低下など、さまざまな研究で効果が示されており、ここで紹介しきれないほどです。

食物繊維は野菜、きのこ類、海藻類に含まれますが、多くの方が不足しています。不足分はプラス1皿分の野菜料理で補える量です。血糖値が気になる方は、まずは野菜料理を増やすことから始めてみましょう。

血糖値が気になる方におすすめの食べ物

あとプラス1皿の野菜料理はどのような食べ物からとったらいいのでしょうか?不足しがちな食物繊維を摂れる、おすすめの食べ物をご紹介します。

ネバネバ食品

ネバネバ食品には水溶性の食物繊維が含まれており、食後の高血糖を防ぐのに役立ちます。

例えがオクラのネバネバ成分の「ペクチン」、もずくや昆布などの海藻のぬめりは「フコイダン」という水溶性の食物繊維です。

オクラや海藻類はカロリー控えめなので、たっぷり食べても安心です。ヘルシーな食材を豊富に使い、食べ過ぎ予防にも役立てましょう。

茶色い主食

主食を玄米や雑穀などの「茶色いもの」に変えることで、効率的に食物繊維を補うことができます。

例えばご飯と発芽玄米ご飯を比較すると、カロリーはほとんど変わらないのですが、食物繊維は発芽玄米の方が1.2倍も含まれています。毎食食べるご飯で食物繊維を補えるのはうれしいですね。

最近ではコンビニでも玄米や雑穀入りおにぎりがあったり、パンの中に小麦の皮が入った「ブランパン」などもあったりと、自炊派でなくても選びやすくなっています。

きのこなら「しいたけ」

きのこでも食物繊維がとれますが、中でもおすすめがしいたけです。きのこの中でも食物繊維の量が多く、しめじの約1.6倍、えのきたけの約1.3倍です。

軸もスライスして一緒に食べることで、軸の部分の栄養素も逃がさずに食べることができますよ。

きのこを手軽に食べたいなら、カットした状態でジップ付き袋に入れ、冷凍保存しておくのがおすすめ。汁物や炒め物など、使いたいときにパッと使えるので便利ですよ。

血糖値が気になる方におすすめのレシピ

今回はとろろ昆布と冷凍カットおくらを使ったねばねばレシピです。5分でできるので、忙しいときでも手軽に野菜料理をプラスできます。

とろろ昆布は海藻の食物繊維がとれる優秀食材。和え物やお吸い物に活躍します。また冷凍カットおくらはコンビニでも手に入り、使いたいときすぐに使える便利な食材です。

梅としょうがの風味でさっぱりと食べられ、夏はそうめんのトッピングにもおすすめですよ。

5分で完成!食物繊維がとれる「おくらの梅とろろ和え」

<材料>1~2人分

・冷凍カットおくら…100g
・とろろ昆布…ひとつかみ(2~3g)
・梅チューブ、しょうがチューブ…各少々
・かつお節…1/2パック
・めんつゆ(2倍濃縮)、水…各小さじ1

<作り方>
①冷凍きざみおくらは水にサッと通して解凍する。
②おくら、とろろ昆布、梅、しょうが、かつお節、めんつゆ、水を混ぜ合わせる。
※めんつゆは濃さに合わせて水加減をしてください。

<栄養成分値>※上記レシピの分量で計算
エネルギー45kcal タンパク質3.3g 脂質0.2g 炭水化物10.1g 食物繊維6.0g 食塩相当量0.9g

血糖値の対策には、ほかにも有酸素運動、筋力をつける、食べ過ぎを見直す、肥満の改善なども有効です。今回は、まず今日からできることとして「食物繊維を摂ること」をご紹介しました。血糖値対策の第一歩目として、ぜひ取り組んでみてくださいね。

【参考・参照】 日本糖尿病学会,糖尿病治療ガイド 2018-2019,文光堂 文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

【執筆者:管理栄養士 広田 千尋】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

※本記事は、AI食事管理アプリ『あすけん』の「ダイエットの知識」コラムからの転載記事です。

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