クックパッドに約2,400品を超える健康的で幅広いレシピを投稿している、クックパッドアンバサダーの♪♪maron♪♪さん。実は、高校時代、社会人時代に20㎏近く体重を落としたことのあるダイエッターでもあります。その過程で入院一歩手前まで体重が減ってしまった苦い経験も…。 そんな♪♪maron♪♪さんに現在に至るまでのダイエットにまつわる経験と、「食」への向き合い方をうかがいました。
――♪♪maron♪♪さんはどんなお子さんだったんでしょうか?
私、2歳の頃から喘息とアトピーがひどくて、小学校低学年までは入退院を繰り返していました。食が細くて、栄養補給の点滴をするほど痩せていたんです。そんな中、小学校4年生の時に母がお誕生日ケーキを手作りしてくれたのがすごく嬉しくて。 「私も作ってみたい!」と思ったのをきっかけに、食にも興味が出て、ご飯をしっかり食べるようにもなり、体力もついて入院もしなくなったんです。
それからは自分でもお菓子を作るようになり、両親や友達に食べてもらいました。「すごい才能あるね」「将来、お菓子職人になったら?」と褒めてもらえて、将来はパティシエになる!という夢ができました。
――そこから、パティシエを目指して突き進んでいくんですね。
高校生になると同時に、父の転勤で大阪に引っ越したんです。大阪はおいしいものがたくさんあって、パティシエになるから!と、理由をつけては食べ歩きをすることが増えました。ビアードパパのシュークリームや、りくろーおじさんのチーズケーキ。とにかく粉もの天国の大阪で食べ歩きをした結果……。 大阪に引っ越して1年で5キロ太ってしまったんです。学校の制服のスカートがだんだん苦しくなってきたのですが、一番外側のホックでなんとか着れていたので「まぁ、いいや。」ぐらいに思っていました。
――ダイエットを決意されたきっかけはなんだったんでしょうか?
当時、1年ぶりに会った母の友人が私を見て一言、「どうしたの?一回り大きくなったね」とすごくびっくりされました。そこで初めて自分が太ったことに気がついて、久しぶりに体重計に乗ってみたら…見たことのない数字が表示されて、慌ててダイエットをはじめました。
――どのようなダイエットをされたんですか?
食べることをやめたくなかったので、当時流行っていたインスリンダイエットをはじめました。炭水化物はあまり摂らず、低giと言われているものを本で確認しながら食べていたんです。最初はなかなか痩せなかったのですが、ある時を境にぐんぐん痩せていきました。それがすごく楽しくて、「私もっと痩せられる!」というスイッチが入ってしまい、海藻しか食べない生活を続けていたら生理が止まってしまったんです。
――ええ!それは良くない流れですね……。
当時は、生理が面倒だったので、「なんか楽だな」って。それはきっと病的な発想なんですけど、楽だし痩せるし、友達からも「痩せて羨ましい」って言われることに優越感を持ってしまったんです。「もっと痩せたい!痩せたい!」となって、高校2年の終わりには身長が156cmなのに、体重が38キロまで落ちていました。
――身長に対して38キロはかなり不健康な体重ですよね。
そうなんです。ずっと生理が来ないので、ある日友人に「1年以上生理がきてないんだよね」と話したら、「それは病院に行った方が良いよ」と言われ、親に話して病院に行ったんです。そしたら、私の体は飢餓状態で、体がほぼ機能していないと言われました。将来、子どもが産めない可能性もあると言われて、さすがに今の体重が自分の体にとって適正ではないということに気付きました。
――生理が止まる以外に体に起きた変化はありますか?
髪の毛がすごく抜けました。手櫛で髪をとかすと、一気に10本くらい抜けちゃうくらい。ある時友人から「最初はすごく羨ましいと思っていたけど、骨と皮だけみたいになって心配だよ。大丈夫?」と言われて、鏡を見ると10代なのにシワシワのおばあちゃんみたいな自分が写っていました。
――その状態から、どのように体調を戻されたんですか?
ホルモン注射治療をしました。ホルモン注射ってめちゃくちゃ痛いんです。打った瞬間から激痛で、「こんな思いをするくらいならダイエットなんてするんじゃなかった!」と後悔するくらい。2回打った後に、こんなに痛いのはイヤだから、ちゃんとご飯を食べよう!と決めて、しっかり食事をとるようになって、40キロ台に戻った頃に生理が来て、高校3年生のうちにようやく45キロまで戻りました。
――そんなに痛いんですね……。でも、それでしっかり食べることができるようになったのは良かったですね。その経験は♪♪maron♪♪さんにとってどんな影響を与えましたか?
卒業後の進路に大きな影響がありました。ただパティシエになるのではなく、食べても太らないお菓子を作れるパティシエになりたいと思ったので、栄養について学ぶ進路に変更したんです。栄養士の資格が取れる短大に進みました。
――本当は短大に進む予定ではなかった?
パティシエになりたいと思っていたので専門学校に進む予定でした。でも、ダイエットで生理が止まるほどの経験をしたことで、栄養についてしっかり学びたいなと思いました。栄養を学んでからパティシエの資格を取ろうと決めて進学したんです。
――栄養についての知識を学びたいと思ったのは、やはり適正な体重が大事だということを実感したからですか?
無理なダイエットをしなくなると、当たり前だけど、髪の毛は抜けないし、肌ツヤもよくなるんです。適正な体重に戻したというだけで体もすごく楽なんです。痩せすぎているときは生きていることが常にしんどいという感じだったので。自分にとっての健康的な体重でいることで、はじめて普通の生活ができるんだという体験は大きかったですね。
――10代で経験されたダイエットの失敗から栄養学を学ぶ短大に進み、その後はご自身にとって健康的な体重を維持されているんですか?
いえ……。実は、その後、20代でもまた体重が増えて、今度は20キロのダイエットをすることになるんです。
過度なダイエットにより、入院一歩手前の崖っぷちを経験をした♪♪maron♪♪さんが、再び20代で20キロのダイエットをすることに!そのお話は次回に続きます。
クックパッドアンバサダーとして活躍中。栄養士・フードサイエンティスト・パンと製菓のライセンスも取得しており、忙しい方でも簡単においしく作れるレシピを考えるのが得意。
過去に20キロのダイエットに成功した経験を持ち、現在も自分にとっての健康的な体重を過度な食事制限や運動なしでキープしている。
食べても太りにくい「罪悪感ゼロスイーツレシピ」をはじめ、健康的にダイエットできるレシピが好評です。
【instagramはこちら】maron.kitchen