cookpad news
コラム

フランス流「無理しない家事」完璧主義の私がやめたこと

東京出身で現在フランス・リヨンで夫と子ども達と暮らすロッコさん。以前は完璧主義で浪費家だったという彼女が、フランスで暮らし始めて「やめたこと」、新しい暮らしの中で感じた幸せとはー。この記事では、著書『「当たり前」を手放したら、人生が豊かになった フランスでやめた100のこと』(大和出版)の中から、ロッコさんが手放した暮らしの習慣を少しだけ紹介します。

映える食卓

ネットや本で見かける食卓の写真は、どれも彩りがよく、素敵ですよね。私も結婚当初は、そんな情報に流されて、目標を高めに設定して、できない自分に落ち込んだこともありました。ですが、フランス人の義母の料理を初めて見て、私の常識は、いい意味で覆されました。

フランスの平日の食事は非常に質素です。例えば、野菜のポタージュ。夜ごはんがスープだけなんて考えられなかったのですが、パンやチーズで空腹を補えば、立派な夕食になります。

ほかにも、真夏は火を使わないサラダ料理がたくさんありますし、そば粉のガレットも簡単。そば粉で作ったクレープ生地にハム、チーズ、卵をトッピング。いわゆる日本で「時短」や「手抜き」と言われるお料理は、海外の人からすると手間がかかっている料理です。もっと肩の力を抜いていきましょう。

見栄を張る

「人を招いても、見栄を張らなくていいんだ!」と気づかされたのは、ある日、義理の母が我が家にお昼ごはんを食べに来てくれたときのことです。本来であれば、日本人として、手巻き寿司のひとつでも作りたいところでしたが、直前に決まった予定だったので、すべての材料を揃える時間がありませんでした。

「どうしよう、何を作ろう......」と頭を抱える私に、夫が「チャーハンか焼うどんは?」と提案。いやいや、人を招くのにチャーハンでおもてなしはないでしょう......と思ったのですが、結局、それ以外にいい案も材料もなく、義母にチャーハンを作りました。彼女は、冷ごはんと残り物の材料で作ったチャーハンを「C'est délicieux ! とってもおいしい!」とお代わりまでしてくれました。

日本人の私からしたら、「こんなものですいません......」と恐縮してしまう状況でしたが、大切なのは、一緒にその時間を過ごすこと。今では、焼きうどんも丼ものも堂々とテーブルに出しています。

きれいなお弁当づくり

料理が苦手な私も、新婚の頃は日本に住んでいたので、頑張ってお弁当を作っていました。ごはん、メイン、おかず、最低限これだけは。あとは、茹でたブロッコリーとプチトマトで彩りよく。でも、好きではないことって続かないですね。

ある日、夫が「自分でやるから大丈夫!」と言ってくれたので、甘えることにしたんです。そして翌日、夫のお弁当をのぞいてみると、タッパーにごはんと麻婆豆腐が大盛り。以上。この大胆なお弁当に、自分がどれだけやりすぎていたか気づかされました。

これは子どものお弁当も同じ。フランスの学校の遠足は、基本サンドイッチ一択。連絡帳は、小袋のポテトチップスとリンゴやバナナなど食べやすい果物の指定もあります。共働きの両親が多いフランスでは、子どもがいる親への負担は最低限。ふだんは合理的に、時間をかけたいときは思いっきり。お弁当作りもそんなふうに考え、気楽に対応しています。

著者メッセージ

子育てママの就業率が85%、共働き先進国のフランス。私が子育てと家事の両立に悩んでいた頃、フランス人のママ友が沢山のアイデアを教えてくれました。

・朝食は、火を使わずテーブルにシリアルやパンを出すだけ
・冷凍食品を活用
・食事は基本ワンプレート
・大型食洗機が頼りになる
・遠足のお弁当はサンドイッチ一択

家事の負担を軽減するだけでなく、「手作り」や「こうあるべき」という考えに囚われず、各家庭のライフスタイルにあった方法を選択しているので、冷凍食品もピザも罪悪感はゼロ!むしろ子どもたちには、【スペシャルディナー】としてふるまう雰囲気が素敵だな!と思いました。フランスのポジティブな時短術、ぜひ参考にしてみてください。

書籍紹介

「当たり前」を手放したら、人生が豊かになった フランスでやめた100のこと(大和出版)


フランスに住んで7年、たくさんのことを手放したら、毎日がグンと楽しくなりました!

・「朝活」をやめた→早く目覚めた日は、パン屋さんに向かい、焼きたてのバゲットを買いに行く。
・「ヒールの靴」をやめた→石畳が残る中世の街並みが残るエリアでは、フラットシューズやスニーカーのほうが歩きやすい!
・「無機質なインテリア」をやめた→可愛らしさや個性がちりばめられている夫の家。物が多いのに整理整頓されていて、閉塞感がまったくない。
・「ポイントカード」をやめた→マルシェ文化は、魚を買ったらレモンのおまけをくれるし、チーズ屋さんやお肉屋さんでは試食もさせてくれる。

「フランス」と聞いて、「上品」「優雅」といったことをイメージされるかもしれませんね。 でも、フランスってそれだけじゃないんです。この本では、浪費家&完璧主義だった日本人デジタルクリエイター・ロッコが、人生を劇的に変えた「"素朴"で幸せな暮らし」の秘密を、撮り下ろし写真と共に紹介します!

著者プロフィール

ロッコ

東京出身。ロンドンで写真の勉強をした後、ロンドンにてフォトグラファーとして勤務。南仏マルセイユを経て、現在リヨン在住。フランス人の夫・子ども2人の4人家族。2023年8月に第3子出産予定。

コロナウイルス感染対策のためのロックダウン生活をきっかけに、Instagramにて「フランスでやめたこと」をテーマに、写真と共に毎日の暮らしを発信したところ、フォロワーが急増。一気に話題となり、今では3.5万人に支持されている(2023年5月現在)。

投稿するたびに、「ロッコさんの言葉にハッと気づかされています」「フランスへの憧れが日に日に強くなります」などのコメントが寄せられる。

本書は、撮り下ろしの写真と共に、「当たり前」「常識」に縛られていた考え方が、どのように「自然体」「素朴で豊か」に変わっていったかをまとめた、著者初の書籍となる。

編集部おすすめ
クックパッドの本