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コラム

痩せたいなら、これ食べて!専門医が教える「痩せる朝食」3つの条件

制限だらけの苦しいダイエットは、実はリバウンドしやすく、心身にも悪影響が。腸内環境を整え、体の内側から「痩せやすい体」を作るには?順天堂大学医学部教授で「腸のスペシャリスト」として知られる小林弘幸先生の著書『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット 超シンプルな腸活健康法』から、痩せる朝食のヒントを一部抜粋してお届けします。

医師が教える「痩せる朝食」3つの条件

リバウンドしないために必要な条件のところで、「お金、時間、手間がなるべくかからないもの」「あなたのライフスタイルを鑑みて週4日は忘れずにできそうなもの」の2つを挙げ、「継続」の大切さを話しましたが、特に朝食だと、ここが大切になります。結局どうすればよいのか。それは次の3つの条件を満たしているものを朝食で食べることです。

・GI値がなるべく低いもの
・できるだけ簡単に用意できるもの
・腸内環境が改善される成分が入っているもの


そして、今回タイトルにあるように「バナナ」を「朝食化」する。すなわちバナナを朝に食べることをおすすめする理由は、この3つの条件をバナナが兼ね備えているからです。

「バナナ朝食」が最強なワケ

まず、甘いので糖質が多く、血糖値が急激に上がりそうなイメージがありますが、バナナはGI値が低い食品です。そして、2つ目の条件、できるだけ簡単に用意できるものという条件に、一番マッチするのが、バナナではないでしょうか。

なにかと慌ただしい朝。ダイエットはもとより、1日の活力のためにも朝食が大切だとわかってはいても、欠かさずとるのはけっこう大変なものです。ある調査の朝食をとらない人の理由を見ると、「面倒だから」54.2%、「時間がないから」50%が上位を占めていました。

そこで、バナナの出番です。バナナならカットも加熱も不要で、皮をむくだけでパパッと食べられます。やわらかいので咀嚼(そしゃく)にも時間がかからず、短時間で食べ終えることができて後片付けにも手間がかかりません。

ちょっとお行儀は悪いですし、咀嚼回数が減ってしまうのでおすすめはしませんが、忙しいときはスマホや新聞をチェックしながらの「ながら食べ」も可能。面倒だから、時間がないからという問題は即解消できます。

また、持ち運びしやすく、家でどうしても食べる時間がないというときは、会社などに移動してからパクリと食べるということも可能です。ちなみに、紹介した調査によると金銭的な理由で食べない人が20%ほどいました。バナナは比較的安価で、腹持ちも抜群。その点においても、バナナはうってつけです。

条件の3つ目、腸内環境が改善される成分についてです。腸内環境をよくする食品と聞いておそらく多くの人が思い浮かべるのが、ヨーグルトや納豆といった善玉菌を含む発酵食品ではないでしょうか。

新しい善玉菌を腸の中に取り入れて増やすという考えですが、腸内では腸内細菌たちがすんでいて、ともに助け合い共生しながらも、同時に激しい生存競争が日夜繰り広げられています。たくさんの菌たちが幅をきかせているなかで、新参者の菌が生存するのは難しく、新しく摂取した善玉菌は、半日ぐらいしかとどまれないともいわれています。

そのため定期的に発酵食品を摂取して腸に送り込むことが大切になるのです。同時に目を向けたいのが、なかなか新しい善玉菌が定着しにくいのであれば、腸の中にすでにすんでいる善玉菌を元気にして、増殖させていく方法です。

人間も職場の環境がよく、健康的な食事を続けていれば、パフォーマンスがあがると思いますが、善玉菌も同じです。

・腸を善玉菌が居心地のいい環境にする
・元気になる食べ物を与える


この2点が善玉菌を元気にするコツになります。そして、これらを実現するために役立つのが食物繊維です。食物繊維は一般的に、水に溶けるかどうかで、2種類に分けられます。

2種類の食物繊維を併せ持つバナナ

善玉菌が居心地のいい環境にするのが、水に溶けない「不溶性食物繊維」です。善玉菌の居心地がいいのが、腸に便がたまっていない環境です。不溶性食物繊維は、水分や老廃物などを吸着して、便のかさを増やして排出しやすくしたり、腸を刺激して、ぜん動運動を活発化し、排便を促したりといった性質をもっており「腸のおそうじ繊維」といえる存在です。

ちなみに、不溶性の食物繊維は、にんじんやごぼうといった根菜類、小麦、ライ麦といった穀類、ほうれん草、レタスといった葉物の野菜、大豆、枝豆などの豆類、きのこなどに含まれています。

そして、善玉菌を元気にするためのエサとなるのが、もう1つの水に溶ける「水溶性食物繊維」です。先ほど説明した「短鎖脂肪酸」は、この水溶性食物繊維を善玉菌が食べることでも産生される、いうなれば「腸のお食事繊維」といった存在です。また、便をやわらかくして出やすい状態にしてくれるという効果もあります。

水溶性植物繊維は、昆布やわかめといった海藻類、こんにゃく、里いもなど、ヌルヌル、ネバネバしたものや、ごぼうなどに多く含まれています。この2つの繊維をバランスよくとることが腸内環境を整えるためには大切です。

ちなみに、食物繊維は、その摂取量が多いほど、死亡リスクが低くなる、うつ状態になりにくくなる、最近では、睡眠の質が低くなる原因といわれる歯ぎしりとの関係性が示唆(しさ)されるなど、いま注目されている食品成分です。バナナには不溶性と水溶性、両方の食物繊維が含まれています。

また、水溶性食物繊維と同様に善玉菌のエサとなるフラクトオリゴ糖という物質も含まれています。そしてなにより、「第3の食物繊維」、「ハイパー食物繊維」といわれる物質が多く入 っているのです。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

ダイエットで一番大事なのが継続です。そこで、私が注目したのがバナナです。「レジスタントスターチ」という痩せる体づくりに欠かせない成分が入っているだけでなく、持ち運びも可能で、洗う必要もない、皮をむくだけで食べられ、価格も安い。これだけ、食べ続けやすい要素を備えた果物は見当たりません。そして、そのバナナの腸活ダイエット効果を最大限に発揮するために編み出したのが、バナナを「朝食化」する本書のメソッドです。

書籍情報

長年の腸&自律神経研究×時間栄養学

医師が自信をもっておすすめするリバウンドしにくい、健康ダイエット。3週間で「おなか周りが10cm減った」「約3kg減った」と大好評。体験者の91%が「今後も続けたい」と話す満足度が高いダイエット法です。

ポイントは、朝ごはんとしてバナナを食べるバナナの朝食化。レジスタントスターチを多く含むバナナを朝にしっかり食べることで、その後の食事が太りにくくなったり、腸が元気になって、痩せやすい体になったりするんです!

ただし、バナナを朝ごはんにバナナを食べるだけでなく、バナナの腸活ダイエット効果を上げるにはコツがあります。そのうちの1つが、包丁いらずで簡単に作れる「クラッシュバナナ」。 そのまま食べても、さまざまなアレンジをしてもおいしく、ダイエット効果もアップしている最高の「痩せ朝食」です!

ほかにも、バナナの食べ方、選び方など、よりバナナのダイエットパワーを引き出す情報満載です。
朝ごはんを食べることは、痩せやすい体になるだけでなく

・集中力アップ
・免疫力アップ
・情緒が安定する

など、さまざまなメリットがあります。

「時間がないから朝食をとらない」という人、「薬を飲むために、無理やり朝食をとっている人」こんな方たちにも、ぜひ本書のメソッドを試して、ラクに健康的な朝食を楽しんでみてください。

著者情報

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)順天堂大学医学部教授・日本スポーツ協会公認スポーツドクター

1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」。さらに、腸と密接なかかわりを持つ、自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。また、日々の生活の中で、健康的な習慣を少しずつでも実践してほしいという思いから、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介やストレッチの考案など、さまざまな形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『リセットの習慣』(日経BP)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

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