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食べないダイエットになってない?「カロリー制限ダイエット」の5つの落とし穴

「カロリー制限ダイエット」というと、短期間にやせることを目標にして、極端にカロリーを制限してしまうという方も多いのではないでしょうか。食べる量を減らせば、一時的にはやせるかもしれませんが、ストレスやリバウンドも起こりやすいとされています。

「カロリー制限ダイエット」の5つの落とし穴

食事の回数を減らす

食事の回数を減らし、1日の摂取カロリーを少なくすると、体脂肪が減り体重も減ることが期待できますが、同時に筋肉量も減ってしまいます。筋肉量が少なくなると、代謝が悪くなり、今度はやせにくいカラダになるとされています。

また、食事の回数が減ることで、空腹の時間が長くなり、その状態で次の食事をとると血糖値が急激に上がり、食べたものを脂肪としてカラダに蓄えやすくなるといわれています。

主食(糖質)を食べない

「主食(糖質)を食べない」というシンプルなダイエットは、とり入れやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。今まで主食を多くとっていた方にとっては、主食を食べないだけで、体重の減少効果が表れやすいので魅力的といえるでしょう。しかし、糖質が不足すると、めまいや集中力の低下がみられるとされています。また、食事を制限したあと、すぐ普通の食事に戻すと、全体的に食べる量が増えてしまうのでリバウンドしやすくなる可能性が考えられます。

徹底的に油を摂らない

油(脂質)には、大きく分けて、肉や乳製品に含まれる「飽和脂肪酸」と、魚や植物油に含まれる「不飽和脂肪酸」があります。飽和脂肪酸は、たくさんとることで生活習慣病の発症要因のひとつになると考えられています。一方で、不飽和脂肪酸は、常に食品からとる必要のある栄養素で、特にごま油・アマニ油に含まれる「α-リノレン酸」や、魚油に含まれる「EPA・DHA」、ごま油・くるみに含まれる「リノール酸」は、不足すると皮膚炎症を起こすとされています。

決まった食材しか食べない

短期間に減量したいからといって、りんご、ヨーグルト、ゆで卵など、決まった食材しか食べない「単品ダイエット」をした経験はありませんか。単品ダイエットは、一時的な体重の減少効果は期待できますが、単調な食事にストレスを感じ、ドカ食いの原因になることも考えられます。また、極端に偏ったダイエットは、栄養素不足になりやすく、めまい、貧血、生理不順などの体調不良を起こす原因になります。

お菓子でカロリーを調整してしまう

お菓子だけでカロリーが制限できても、カラダに必要な栄養素を摂ることはできません。カラダに必要な栄養素が不足することで、体調不良を起こすこともあるでしょう。また、お菓子に使われる油やバターには、肥満の原因になるとされる飽和脂肪酸が多く含まれます。さらに、偏った食事では、食物繊維が不足しがちになり、便秘になってしまうこともあるとされています。

落とし穴に落ちないで健康的にやせるコツ

ダイエット開始時に、カラダに必要なカロリーを把握した上で、目標の摂取カロリーを決めましょう。

例えば、20代女性で、デスクワーク中心の生活をしている場合、カラダに必要なカロリーは、1800kcal(※1)です。月に約1kgの減量を目標にすると、1日の摂取カロリーは約1600kcal(※2)となります。ケーキ類のカロリーが200~300kcalくらいなので、「カロリー制限」では、その分を減らすというイメージです。

また、全体的に偏った食事では、栄養素バランスが崩れ、健康的にやせることは難しいと言えます。バランスよく食べて、ココロもカラダも健康的にダイエットするには、次のことを意識してみましょう。

  • 食事は3食、決まった時間に食べる
  • 主食は量を決めて、お代わりはしない
  • カラダによい油「不飽和脂肪酸」をとる
  • 食事は彩りよく、単品にならないようにする
  • 間食は、量を決めて自分へのご褒美程度にする

極端なカロリー制限は、ストレスやリバウンドの原因になりかねません。先は長いように感じますが、1年くらいかけてゆっくりダイエットをするという気持ちでとり組んでみるのがよいでしょう。

【参考・参照】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html(最終閲覧日:2023/06/06)
(※1) 身長156cm、体重55kgの場合「あすけん」調べ
(※2) あすけんでは、1カ月で減らす体重は、現体重の3~4%以内と考えています。それ以上は、健康を害する恐れがあるのでおすすめしていません。

【執筆者:栄養士 保延 弘美】
仕事に没頭しすぎたことで体調を崩したことをきっかけに、健康的なカラダが仕事の質を良くするという思いを胸に約6年勤めた会社を退社し、栄養士の資格を取得。その後、JICA青年海外協力隊として2年間、中米グアテマラで現地の栄養教育を経験。現在は、病院で食事・栄養管理に関わる仕事と子育てをしながら、あすけん栄養士としてコラムの執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。

※本記事は、AI食事管理アプリ『あすけん』の「ダイエットの知識」コラムからの転載記事です。

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