医師やカウンセラーなどに直接相談できるQ&Aサービスや、専門家執筆・監修コラムを提供しているDoctors Meの連載コラム。今回はDoctors Meの医師にダイエットについて聞いてみました。
ほとんどの女性がダイエットにチャレンジしようと思ったことがあるのではないでしょうか?
美しいスタイルは多くの女性の憧れです。雑誌のモデルやテレビタレントを見て「あんなふうに痩せたい」「細くなりたい」と考えた方も多いはず。一方で、女性がダイエットをするときに気をつけたいのが、急激な体重減少による生理不順や無月経です。
今回は無茶なダイエットと、女性の体の不調の関係について、医師に詳しい話を聞いてきました。
急激なダイエットはホルモンバランスの乱れを引き起こし、生理不順や無月経をまねきます。そこにはどのようなメカニズムがあるのでしょうか?
急激な体重減少で自律神経にトラブルが起きると、脳下垂体が性腺刺激ホルモンの分泌を抑える働きます。そのために、女性ホルモンの分泌に乱れが生じてしまうのです。また、BMI(ボディマス指数)が18~19まで減少すると生理が止まることもあるといわれています。
【BMIの計算法】
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
現在、日本人女性は標準体重をはるかに下回る傾向があります。モデルのような体型になりたいと強く思い、知識がないままの不適切なダイエットに取り組んでいる例も多く見られます。偏った食事も、生理不順を引き起こしてしまう原因です。このようなトラブルは特に若い女性に発症しやすく、中学生や高校生から悩んでいる人もいます。
また、1年間に5Kg以上の体重減少があると、生理が止まるケースもあるともいわれています。無理な方法でのダイエットや、元の体重が少ないにも関わらず無理にダイエットをしてしまうなど、体重の減り方によって生理不順が引き起こされる原因はさまざまです。
他にも身体的な症状が出ることがあります。生理に必要なエストロゲンの分泌が減少すると、骨密度が低下し、骨がもろくなります。ニキビなどの肌荒れや、顔のくすみなどのトラブルが発生することも…。せっかくダイエットをしても、ニキビの悩みが増えてしまっては、オシャレを楽しむどころではなくなってしまうでしょう。
また、急激な体重減少で体内の筋肉が減少してしまうと、エネルギーを燃やす力も弱くなり、冷え性の原因にもなってしまいます。
もちろん生理がこなければ、妊娠も難しくなります。1番怖いことは、このような生理不順や無月経が続くと、生理が再開するまで時間を要すことです。時間がかかれば、子宮や卵巣が萎縮して機能が衰えることもあります。
さらに、年齢を重ねると生殖機能も衰え、より回復しにくくなってしまいます。今が良くても、将来になって悩まないようにダイエットをする際には、何よりも自分の体を大切にしながら行ってください。
正常な生理や妊娠には、一定以上の体脂肪が必要であり、適度な運動やバランスの良い食事などが大切になってきます。十分な知識と管理が大変重要です。正しいダイエットは、結果として体にあらわれてきますよ。
健康とは、単に見た目だけでなく、目に見えない体内の環境も調子がいい状態が保たれていることです。体内の中もキレイでいられる、適切なダイエットを行っていきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
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