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映画『武士の献立』にも登場!北陸の寒さがつくる伝統銘菓・ゆべし

クックパッドニュース編集部

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「和食」がユネスコ無形文化遺産に正式登録され、ますます注目される日本の食文化。南北に長く伸びる日本列島には、古くから続く伝統的な食文化がいろいろあります。本日公開された映画『武士の献立』にも登場する「ゆべし」もそのひとつ。調べてみると「ゆべし」という名の食品は全国各地で今もその伝統の味を伝えていました。

和菓子と珍味。全国各地に伝わる2種のゆべし

去る12月4日。「和食」はユネスコの無形文化遺産に正式登録されました。ここでいう「和食」とは、1つの料理をさすのではなく、四季や自然、そして年中行事に密接に関わりながら守られてきた日本の食文化全体のこと。日本列島の各地でその土地に根ざしたいろいろな食文化の伝統が続くのももちろん大切な要素です。

本日公開の映画『武士の献立』は、加賀百万石の殿様の食事を支える家に生まれながら落ちこぼれの包丁侍・舟木安信(高良健吾)と気は強いが料理上手の妻・春(上戸彩)の物語。加賀藩伝統の料理や、武家のもてなし「饗応(きょうおう)料理」など、今回の無形文化遺産登録にふさわしい、豪華絢爛な食事が次々と登場します。が、一方で、印象に残ったのが輪島の銘菓「柚餅子(ゆべし)」。春の恩人である前田家の側室・お貞の方の故郷のお菓子であり、春とお貞の別れのシーンの象徴となっていました。

と、ここで「ゆべし」という言葉にひっかかるものが。映画に登場する「柚餅子」はその名の通り柚の形をそのまま残したものですが、同じ名前の餅菓子が東北にあったような。。。

調べてみたら「ゆべし」とは柚を用いた加工食品のことをさすようですが、もともと保存食、携帯食として生まれたものが、和菓子と珍味に分類されるものになり、さらに時代とともに形や味を変えながら、各地に広まったのだそうです。東北のゆべしは柚の産地から遠く、材料として手に入りにくかったため、クルミを代用したと言われています。

手間と愛情をかける丸柚餅子の作り方

『武士の献立』に出てくる輪島の「ゆべし」は、「丸柚餅子」と言われるもの。柚の中身をくりぬいて柚釜を作り、果肉、餅、砂糖などを混ぜて蒸して、冷たい空気にあてて乾燥させる、など半年もの間、手間ひまかけて作った贅沢品なのです。クックパッドにも、丸柚餅子の作り方の投稿がありました。

1ヶ月かけて作る本格レシピ♪

映画の中でも、丸柚餅子が半紙にくるまれてつるされている様子がありましたが、このレシピも同じ。手間はかかりますが、1年は持つそうです。

ところで、この丸柚餅子。お菓子として食べられるほか、お吸い物や酢の物など、いろいろな料理にも使われているようです。

丸柚餅子をきざんでトッピング♪

柚の香りがアクセントになり、料理を引き立てるのだそうです。 さらに、東北地方の「ゆべし」も発見!

電子レンジ&白玉粉使用で簡単に♪

ゆべしにはもち粉を使うようですが、手軽な白玉粉でアレンジしているそうです。 おやつにもぴったりですね。

北陸の冷たい風にさらされておいしくなる丸柚餅子。料理が縁で夫婦になった“春と安信”もいろいろな困難を乗り越えて夫婦として熟して行けるのか。こちらは映画を見てのお楽しみ♪映画をきっかけに伝統の食文化について考えてみるのもいいですね。(TEXT:田久晶子)

おすすめリンク

「武士の献立」公式サイト
江戸時代。“刀”ではなく“包丁”で、藩に仕えた武家。“料理”で動乱を乗り越えた、実在の家族の物語。上戸彩・高良健吾出演。
本日12月14日全国ロードショー。

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クックパッドニュース編集部

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