多くのダイエットには苦痛や誘惑に負けない心が必要とされています。お菓子を我慢するだけでも身を引き裂かれるような苦しみを味わうものですが、ちょっとお菓子を我慢するだけで痩せられるほど甘くはありません。
そこでおすすめしたいのが、「味覚リセットダイエット」。味覚リセットダイエットとは、味覚力を鍛え、薄味でも満足できる「やせる舌」をつくる、割と楽に始められ、続けられるダイエットです。
今回はこの「味覚リセットダイエット」の大きなポイントを2つ、ご紹介します。
高カロリーのものは、軒並み味が濃いですよね。また、味が濃いものというのは、脂質や糖分、塩分が多く含まれています。
これらを過剰に摂取すると、言わずもがな肥満につながります。おかずの味が濃いことでご飯などの主食を多く食べることにつながり、炭水化物を摂りすぎる可能性も。
濃い味に慣れていると、舌が鈍くなります。もっと濃い味を求めるようになることもあり、どんどん肥満に続く道を歩むことになりかねません。
舌が薄味に慣れると、どうでしょうか。肥満の原因となってしまう、これらの「摂りすぎ」を抑えることができるかもしれませんよね。
想像してみてください。日常的に味の濃いものを食べている人が、脂質や糖分、塩分の過剰摂取を抑えることができたら……自然と痩せていく姿が浮かんできませんか?
食べ物の味は甘味・旨味・塩味・酸味・苦味の「基本5味」で成り立っています。このなかで注意すべきなのが「甘味」と「塩味」です。甘味は中和系、塩味は刺激系の味覚。
ひとつの味だけを食べていれば飽きますが、この2つの味覚で刺激→中和を繰り返すと、脳はもっと食べたいという指令を発します。
また甘味のあとに塩味、塩味のあとに甘味を食べることで双方の味がより強く、美味しく感じられる経時対比といった効果もあり、止まらなくなってしまうんですね。
この「確固たる強い意志を持たないと我慢できない」症状ですが、コントロールするには組み合わせる「味」が重要。甘味と塩味のスパイラルからの脱却を目指すんです。例えば、スナック菓子やピザには苦味のあるコーヒー、ラーメンには酸味のあるトマトジュースなどですね。
まずは自身の味覚力をチェックするところから始めてみてくださいね! →味覚力を鍛えよう!味覚力チェックと味覚力トレーニングのススメ
味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。