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コラム

菌は生きていなくても大丈夫!?あなたに合った「ヨーグルト」の選び方【毎日食べたい美腸ごはん Vol.3】

食と健康のエキスパート・管理栄養士の藤橋ひとみさんが「腸活」に関する正しい知識をお届けする連載。「腸活」に効果的な食べ方である「プロバイオティクス(善玉菌)×プレバイオティクス(善玉菌のエサ)」をふまえた「美腸ごはん」を、 日々の食生活の中で継続して実践できるよう、簡単レシピも併せてご紹介しています。

菌は生きていなきゃダメ?実は、死菌にもスゴイパワーが!

「生きた乳酸菌が腸まで届く!」のようなキャッチコピーで販売されている、乳酸菌のサプリメントや飲料が多いためか、菌は生きていないと意味がないという誤解が広がっているようです。

しかしながら、 善玉菌が“生きて”腸に届くかどうかはあまり重要ではありません。死んでしまった善玉菌=“死菌”たちも、私たちの美腸づくりに大活躍してくれるのをご存知でしたか?

腸に届く前に死んでしまった善玉菌(死菌)たちは、生きた善玉菌たちのエサとなったり、善玉菌が体の構成成分に働きかけて、腸内環境の改善に役立ってくれるのです。

死んだ後まで私たちのキレイと健康のために働いてくれるなんて、善玉菌たちはなんて働き者なんでしょう!

知られざる「プロバイオティクス」の世界

プロバイオティクスとは、健康に有用な作用をもたらす“生きた善玉菌”のこと。

ヨーグルト、納豆、キムチなどの漬物、甘酒、醤油・味噌・みりんなどの発酵調味料、乳酸菌飲料など、ビフィズス菌や乳酸菌、麹菌を含むものがプロバイオティクスの食品といえます。

ただし、これらの食品に含まれる善玉菌は、ほとんどの場合100%が生きたまま腸に届くことはありません。たとえ生きたまま腸まで届いたとしても、私たちの腸内にずっと住み着くことはなく、一時的にしか滞在してくれないため、毎日続けて摂取し続ける必要があると言われています。

ヨーグルトを見る目が変わる!とっておきの選び方

皆さんは、いつもどのようにヨーグルトを選んでいますか? 風味、価格、ブランド、産地…など、選び方はたくさんありますよね。でも、今日からは新しく“菌”で選んでみませんか?

実は、ヨーグルトはメーカーごとに使用している“菌“が異なるんです。一言で乳酸菌、ビフィズス菌といってもたくさんの種類があり、その菌ごとに特徴が異なります。

腸内環境を整えてくれる働きは共通していますが、アレルギー症状の軽減に役立つ子もいれば、免疫力アップをサポートしてくれる子、ピロリ菌を退治してくれる子など、それぞれの働きに違いがあるんです。

例えば、ブルガリアヨーグルト(明治)に含まれるLB81乳酸菌は、腸のバリア機能を高めたり、腸内の免疫細胞に働きかけることなどが明らかにされていたり、ビヒダスヨーグルト(森永乳業)に含まれるビフィズス菌BB536には、アレルギー予防、潰瘍性大腸炎を緩和する作用があると報告されています。

各メーカーのWEBサイトに、菌の得意分野が紹介されているはずなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

様々なプロバイオティクスを活用した簡単美腸レシピ

最後に、育菌生活を毎日続けるためにおすすめしたい、ヨーグルトなどの発酵食品(プロバイオティクス)を活用して手軽に作れる簡単美腸レシピをご紹介します。 とてもシンプルなものばかりなので、ぜひ試してみてください!

サラダ

おからでヘルシーサラダ

おからパウダーを活用した、野菜を切って混ぜるだけの簡単レシピ。野菜やおからパウダーで食物繊維を、豆乳でオリゴ糖を、ヨーグルトでプロバイオティクスを、効率よく一緒にとれる美腸サラダ。お腹にたまるので、ダイエット中にもオススメです。

水切り塩ヨーグルト☆和風カプレーゼ

水切りヨーグルトを活用した、おしゃれなカプレーゼ風サラダ。女子会などパーティーにもオススメな美腸レシピです。

おかず

簡単!ネバネバキムチ温玉豆腐

納豆とキムチの2種類の発酵食品に、食物繊維がたっぷりのオクラ、オリゴ糖が含まれる豆腐を組み合わせて、簡単に作れるやみつきレシピ。暑くて食欲が出ない時にもオススメな、夏にぴったりのメニューです。

スイーツ

甘酒ヨーグルトプリン

甘酒とヨーグルトと、2種類の発酵食品を混ぜてゼラチンで固めるだけの簡単レシピ。甘酒には、善玉菌のエサとなるオリゴ糖と食物繊維も含まれていますよ!砂糖を使わずに、ナチュラルな甘酒のやさしい甘みを楽しめる、夏にオススメのさっぱり系スイーツです。

管理栄養士 藤橋ひとみ(ふじはし・ひとみ)

フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。大のお豆腐好きが高じて、豆腐マイスターの認定座学講師として、国内外で日本の豆腐の魅力を伝える活動をしているなかで、その原料である大豆自体への興味が深まり、大豆関連の資格の制覇を目指し、学びを深めている。
近年は特に、豆腐を作る際に同時にできる「おから」に注目し、日本人に必要な食物繊維の宝庫でもある「おから」を、有効活用できる方法を広げる活動に注力している。今年9月頃に「おから」をテーマにしたレシピ本の出版を予定。

●所有資格
管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか

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