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コラム

調味料はシンプルに。素材から出る出汁の味わいが楽しめる 「あさりバターの湯豆腐」【小鍋生活のススメ Vol.5】

NHK『きょうの料理』や『あさイチ』の料理コーナーでもおなじみの料理家・小田真規子さん。多くのレシピ本を出版されていますが、中でも人気を集めているのが『まいにち小鍋』(ダイヤモンド社)シリーズです。2019年9月には、シリーズ最新刊『まいにち湯豆腐』を発売し、365日食べても飽きない1〜2人前の小鍋レシピを数多くご紹介しています。本連載では、簡単においしくヘルシーな食卓を実現できる「小鍋生活」を、小田先生が直々にレクチャー。連載第5回目は、“絶妙な組み合わせ”の具材を使った絶品小鍋レシピをご紹介!

調味料はシンプルに!素材から出る出汁の味わいを楽しもう

こんにちは。小田真規子です。

連載第4回では、具材の切り方を守ることで、仕上がりの味に特に違いが出るレシピとして、「塩たら味噌豆腐」と「ウーロン茶の極上豚しゃぶ」の2つをご紹介しました。

今回は、私が執筆した『まいにち湯豆腐』『まいにち小鍋』の中から素材から出る出汁の味わいが特に楽しめる小鍋レシピを2つご紹介します。

あさりバターの湯豆腐

1つ目は「あさりバターの湯豆腐」です。あさりは二枚貝の1種ですが、この種の旨み成分であるコハク酸は、他の旨みと合わせなくても、単独で旨みを強く感じさせます

そのあさりから引き出される濃厚な旨みを、豆腐に移しながらじっくりと火を入れていくので、豆腐が極上の味わいのフルフルした塊へと変身します。こうしたシンプルな材料のガツンとした旨みを際立たせる調味は、これもシンプルに塩味だけ。

このままあっさりいただいても、おいしさに間違いはないのですが、ひとかけのバターの香りとコクで、お店で出されるようなワンランクアップの味わいに。「鍋の神髄は素材そのものをシンプルに味わうことこそにある」、そんなことを実感できる湯豆腐です。

豆腐は木綿よりも絹ごしがおすすめ。その理由は作って確かめてみてください。

具材

絹ごし豆腐(6つにちぎる)…1丁(300g)
あさり(3%の塩水で砂抜きする)…150g

スープ

塩…小さじ1/3
バター…10g
水…1/2カップ

仕上げ

万能ねぎ(小口切り)…5本
レモン(くし切り)…適宜

<つくり方>

1.小鍋に豆腐を入れ、周りに水気を切ったあさりをいれる。
2.【スープ】を注いでふたをし、中火にかける。
3.煮立ったら、そのまま1〜2分ふたを開け、あさりの口が開いたら器に盛り、【仕上げ】の万能ねぎを散らし、レモンを添える。

鶏もも肉のタッカンマリ風鍋

2つ目は、「鶏もも肉のタッカンマリ風鍋」です。韓国料理ではおなじみの、いわゆる「煮込み鍋」ですが、素材の鶏もも肉とじゃがいもの香りと旨みからくるしっかりした“出汁感”が、本格的な味わいを感じさせます。

「家でこんな本場らしい鍋が楽しめるなんて!」と思っていただけること請け合いのこちらの鍋。その味わいのポイントは、素材を加熱する際に加える調味料の塩と砂糖です。

塩は、鶏肉とじゃがいもに合わせることで、素材をぐんと香ばしくして、互いに調和した旨みを引き出します。砂糖は、この旨みの調和のまとめ役として使います。実際、甘ったるさやしつこさは全くなく、オイスターソースをベースにしたタレに程よく合い、飽きが来ないで食べ進められる味わいになります。

具材

鶏もも肉(皮の下にかくれた黄色いブルブルとした脂の部分をできるだけとり除き、1枚を6等分に切る)…小2枚(400g)
じゃがいも(皮をむいて4等分に切り、さっと水にさらす)…2個(300g)
長ねぎ(斜め5mm幅に切る)…2本(200g)
にんにく(薄切り)…2かけ

スープ

酒…1/2カップ
砂糖…大さじ1
塩…小さじ2
水…3〜4カップ

たれ

オイスターソース…大さじ1
しょうゆ…大さじ1
酢…大さじ1
一味唐辛子…小さじ1/2
ごま油…大さじ1

<つくり方>

1.鍋に【スープ】とじゃがいも、にんにく、鶏もも肉を入れて中火にかける。
2.煮立ったらアクをとり、弱火で10分、長ネギを加えてさらに10分煮る。
3.【たれ】をかけていただく。


いかがでしたか? 素材から出る出汁の味わいが楽しめるこちらのレシピ、皆さんもぜひ試してみてくださいね。

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小田 真規子さん

料理家・栄養士・フードディレクター。女子栄養大学短期大学部卒業後、料理家のアシスタントを経て、有限会社スタジオナッツを設立。誰もが作りやすく、健康に配慮した、簡単でおいしい家庭料理をテーマに、『オレンジページ』『ESSE』などの生活雑誌や企業PR誌にオリジナルレシピを発表。家電、食品、調味料メーカーのメニュー開発、国内各地の産地・加工品の商品開発などもサポートしている。分かりやすいレシピが好評で、NHK『きょうの料理』『あさイチ』の料理コーナーに定期出演。『まいにち小鍋』『なんでも小鍋』『おつまみが晩ごはん!』(ダイヤモンド社)、『料理のきほん練習帳』(高橋書店)、『とにかく盛り上がる夜ごはん』(文響社)など著書多数。
【Instagram】パプリカマキコ

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