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コラム

スキレットでふんわり絶品!絵本みたいな「はちみつカステラ」の作り方【材料4つで本当においしいお菓子 Vol.14】

福田淳子

お菓子・料理研究家。シンプルなレシピが好評。

「お菓子はレシピ通り作れば、必ずおいしく作れます」と話すのは、お菓子研究家・福田淳子さん。丁寧なレシピとその再現性の高さで人気の福田さんに、この連載では材料4つで作れる“本当においしいお菓子”を紹介していただきます。第14回は、「はちみつカステラ」。小さいスキレットがあれば、絵本に出てくるようなふんわりカステラが作れますよ。

スキレットはお菓子作りにも大活躍!

みなさん、こんにちは。今日はスキレットを使って、お菓子自体は定番だけど、見た目に変化球! なお菓子を作ります。
まるで絵本の中から出てきたような、ふんわりなカステラも材料4つで作りましょう。

スキレットを使ったことはありますか? スキレットとは、厚みのある鋳鉄製フライパンのこと。以前はキャンプやバーベキューなど、アウトドアでの使用のイメージが強かったのですが、数年前からIHでも使えるものが登場するなど、家庭での調理で使われることも増えました。

最近では100円ショップや、300円ショップ、ホームセンターなどで、私たちに手軽な場所で、気軽な値段で入手できようになっています。おしゃれ調理アイテムとしても取り上げられることも多いですが、実はとっても機能的。蓄熱性と伝導性が高いので、ムラなく、じっくり熱が伝わります。これはお肉や野菜を焼いたりするのはもちろん、お菓子もおいしく作れます。

ふわふわの秘訣は卵や生地の混ぜ方にアリ

今日はこのスキレットを使って、ふわふわのはちみつカステラを焼きます。ふわふわの食感を作るコツは、温めた卵をよく泡立てること。人肌になるまで温めて、その後は生地をしっかり泡立てます。
卵の温めが足りなくても、泡立てが足りなくても、ボソッとした重たい生地になります。泡立てが何より大事です。

粉を混ぜるときは手早く、泡をつぶさないように。かといって混ぜなさすぎだと、こちらも生地がきれいにつながらず、ぼそっとした食感になってしまうので注意が必要です。

スキレットには事前にバターを多めに塗っておきましょう。そうしないと、生地がくっついてしまいます。生地を流し入れたらすぐに予熱したオーブンへ。
スキレットがじんわりと全体に熱をしっかりと伝えるので、ふんわりと、そしてきれいな焼色のカステラができます。スキレットやオーブンの個体差もあるので、出来上がり時間を目安に温度と時間を調整してください。

はちみつを使うと生地にコクが出て、しっとり仕上がります。そして何より焼いていると、部屋中に甘い香りが広がり、なんとも幸せな気分になれます。焼き立てを食べてもらうのが1番ですが、はちみつが保湿の役割をするので、冷めてもしっとりな食感です

アレンジレシピはレモンをつかって爽やかに。レモンとはちみつは鉄板の組み合わせ、ぜひ夏にもぴったりなハニーレモンカステラも試してみてください。

【基本のレシピ】

はちみつカステラ

材料(直径約13cmのスキレット1台分)
溶かしバター(食塩不使用)…10g
卵(M)…1個
はちみつ…30g(大さじ1と1/2)
水…小さじ1
薄力粉…30g

下準備:オーブンは170度に予熱しておく。バターをスキレットにたっぷりと塗る(バターの残りは生地に入れる)。

1.ボウルに卵、はちみつを入れて軽く混ぜる。フライパンに湯(分量外)を沸かし、50度くらい(ぎりぎり触れるくらいの湯の温度)になったらボウルを湯煎にかけて泡立てる。卵液が36度くらいの人肌になったら湯煎から外す。
*ここでしっかりと生地を温めることが大切です。生地の温度が低いと、どんなに泡立ててもしっかりと泡立ちません。

2.さらにしっかりと泡立てる。もったりして、泡立て器ですくうとゆっくり落ちて生地が重なり、リボン状になるくらいが目安。
*しっかりと温めた生地を、よく泡立てることがふわふわの生地になる秘訣です。

3.に水を入れて混ぜる。薄力粉をふるい入れる。生地に一体感とツヤが出るまでゴムベラで全体を切るようによく混ぜ合わせる。溶かしバターの残りを入れて、底からすくうようにしてよく混ぜ合わせる。

4.スキレットにの生地を9分目まで流し入れて、170度に予熱したオーブンで15分ほど焼く。竹串をさせて何もついてこなければ焼き上がり。
*スキレットによって容量が違うので、生地が多い場合は、マフィンカップなど別の型に入れて焼きましょう。
*スキレットやオーブンの個体差があるので、焼き時間を様子をみて加減してください。

☆お持ちのスキレットのサイズが違う場合…直径15cmぐらいの場合は2倍で、18cmぐらいの場合は3倍で生地を作ります。焼き時間は、15cm、18cmともに20分くらいです。生地は9〜10分目まで。多い場合は別の何かの型に入れて焼きましょう。

☆スキレット以外で作る場合…オーブンシートを敷いた丸型のケーキ型に入れて焼いても。焼き時間は15cm型で20分、18cm型で25分くらいです。

+αのアレンジレシピ

レモンはちみつカステラ

基本の材料にレモン1個をプラスします。1/2個分、黄色の部分の皮をすりおろしておきます。半分に切り、半量を絞って果汁小さじ1を計量しておきます。残りは飾り用に薄くスライスしておきましょう。

基本と同じ作り方でまで作ります。水は加えずに、レモンの皮を加えてよく混ぜます。溶かしバターと一緒にレモン汁を加えて、あとは同様に生地を作り焼きます。できあがりに薄く切ったレモンをのせて出来上がり。

これがあると便利!お役立ちグッズ

スキレット

100円ショップや、300円ショップ、ホームセンターなどで手頃な値段のスキレットを見つけることができます。
そのまま焼いて、そのまま食卓に出せるスキレットはいつもの料理にちょっと変化をつけてくれます。今回はダイソーで買った200円のスキレットSを使っています。

福田淳子(ふくだ・じゅんこ)

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順で美味しく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda

執筆者情報

福田淳子

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は40冊以上。

【Instagram】@junjunfukuda
【note】@sakuracoeur

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